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関西でたった1軒残るローカルコンビニ 名物は激うま手作り弁当! 店内で水墨画教室も!? 伊丹市84歳オーナーが守り続けるものとは

  • 2026.7.11

関西の“人が集まる場所”で出会った人たちに、そこにやってきた気になる理由を聞く「関西見聞録〜あなたはなぜソコに!?〜」。今回の舞台は、関西でたった1軒だけ残るローカルコンビニです。

兵庫県伊丹市、伊丹空港と猪名川に挟まれたエリアに、関西でただ1軒のローカルコンビニ「いしづち」があります。お菓子やドリンクなど大手コンビニでおなじみの商品もありますが、驚くのはお弁当コーナーの充実ぶり。目移りするほど種類が豊富で、「なかったら困る」というファンも少なくありません。

そんなお弁当の秘密を調べてみました。朝6時、オープンと同時にお店に潜入してみると、奥の厨房に大量の煮物を作る女性の姿が。彼女はスタッフの新屋和美さん。勤続30年の大ベテランです。

20種類、およそ70食のお弁当を、毎朝ひとりで作っている新屋さん。グリルでじっくりと焼き上げたサバがおいしいサバ弁当、手ごねハンバーグに自家製のデミグラスソースをたっぷりかけたハンバーグ弁当など、人気メニューを手際よく仕上げていきます。

©ABCテレビ

7時になると、御年84歳のオーナー・月本紘八朗さんが出勤。こちらも人気のおにぎりを作ります。「いしづち」のおにぎりはボリューム満点ですが、サッと口に入るよう「ちょっとぺったんこ」気味に握るのがこだわりです。

「いしづち」は愛媛県発祥のコンビニで、1972年に1号店が誕生。当時は珍しかった朝7時から深夜2時までの営業が人気を博し、1990年代には約300店舗を展開するまでになりましたが、大手コンビニの台頭で2000年頃から店舗数が減少。今では愛媛に2店舗、兵庫にここ伊丹の1店舗が残るのみで、各店が個人経営となり、それぞれ独自のスタイルで営業しています。

【動画】人気のお弁当は昼には売り切れることも。どうしても欲しい人は電話で「取り置き」をお願いできるのも大手コンビニにはない魅力のひとつです。

お昼前になると、お弁当を買い求めるお客さんが続々と訪れます。近くにある会社の会長を務める80代の男性は、週4日も「いしづち」を利用する常連。20代の女性は会社のお使いで週に何度も通ううち、新屋さんとすっかり顔なじみに。共通の「推しキャラ」の話題で盛り上がるほど仲よしになりました。

「お取り置き」したお弁当を引き取りにやってきた女性も「いしづち」の大ファン。お弁当のおいしさはもちろんのこと、月本さんと新屋さんの「お人柄」に「いつも癒されてます」と話します。

月本さんが「いしづち」を始めたのは42歳のころ。当時の「いしづち」には「夫婦でなければ開業できない」という取り決めがあり、妻が厨房、夫が店の表周りの仕事を担う役割分担が原則。「あなたがやりたいなら応援する」と背中を押してくれた妻の静子さんにずっと支えられてきました。

しかし、静子さんは15年前に病気で他界。月本さんは「遊ぶことってなかったからね。仕事仕事で」「もっと一緒に遊びに行けばよかった」と、夫婦で懸命に働いた日々を静かに振り返ります。

「いしづち」を訪れるのは、買い物客ばかりではありません。実は月本さん、店内で水墨画教室を開いていて、その生徒さんがやってきます。50歳で「生きた証を残したい」と通信講座で水墨画を始めた月本さん。その後、30年間で1000点以上を制作し、数々の賞を受賞する実力者なのです。

新しい生徒は20代の男性。教室への参加を申し込んだその日のうちに画材一式を買いそろえ、初レッスンに臨むなどやる気十分。「先生を超えられるようにがんばりたい」と意気込む姿に、月本さんも思わず顔がほころびます。

この周辺はお店が少ない地域。「いしづち」を頼りにしている地元の人たちのために「体が動いている間はやらなあかん」と月本さん。関西に1軒だけ残るローカルコンビニは、84歳オーナーの思いとともに、きょうも営業しています。

「関西見聞録」は、6月25日(木)放送の『newsおかえり』(ABCテレビ 毎週月曜〜金曜午後3:40〜)で紹介しました。

『newsおかえり』YouTubeチャンネルで配信中

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