1. トップ
  2. トレンド
  3. 東大生を育てたおかん(9)教科書よりも「バスケの選手名鑑」 驚異の「没頭力」と母の投資

東大生を育てたおかん(9)教科書よりも「バスケの選手名鑑」 驚異の「没頭力」と母の投資

  • 2026.7.8
image

東大へ子供を送り出した保護者から、これからの時代の子育てのヒントを探る全10回の特別連載。第9回は、フルタイム勤務で3人の子供を育て、長男を東京大学の推薦合格へと導いた「しらたまさん」の長男が高校時代に寝食を忘れて没頭したという「バスケットボール」のエピソードや、しらたまさんならではの「本への投資」という独自の教育方針を紐解きます。

「選手名鑑」を丸暗記した知的好奇心

県立高校に進学したしらたまさんの長男は、バスケットボール部に入部します。しかし、長男の「好き」の熱量は、コートの上で汗を流すプレイヤーの枠をはるかに飛び越えていきました。

しらたまさん:「高校ではバスケ部に入ったんですが、自分でプレイする以上に、試合を観戦することにものすごくのめり込んでいってしまって。プロリーグなどの『選手名鑑』を買ってきては、それこそ穴が開くほどむさぼり読んでいたんです。気がつけば、名鑑に載っているすべての選手の名前や詳細なデータ、特徴まで、内容を丸ごと頭に入れてしまっていました。あの集中力と記憶力には、親の私も本当に驚かされました」

自分の好きなものを徹底的に突き詰める

幼少期に、旅行へ行くたびに「何時何分、どこ到着」とメモを取り続けていた少年は、高校生になってその緻密なデータ分析力を「バスケ」へと向けたのです。休日にはバスケの試合を観戦しに行くなど、長男の人生の真ん中には常にバスケがありました。

一見すると、受験勉強とは無関係に見える「選手名鑑の丸暗記」。しかし、この「自分の好きなものを徹底的に突き詰め、膨大なデータを苦もなくインプットする」という没頭力こそが、のちの東大推薦入試で最大の武器となったのではないでしょうか。

本だけは「いくらでも買った」

しらたまさんは高額な塾などに通わせることには消極的で、いわゆる「教育課金」とは一線を画した子育てをしてきました。しかし、そんなしらたまさんが、唯一「これだけは惜しまない」と決めていたのが本への投資です。

しらたまさん:「『東大に入れるため』のような、いわゆる受験勉強の環境にお金をかけることはありませんでした。でも、小さいころから『本だけは、本人が欲しいと言ったものはいくらでも買ってあげよう』と決めていたんです。それは、高校生の長男が『バスケの選手名鑑や専門書が欲しい』と言ったときも同じでした。本人が興味を持ったもの、知りたいと思ったことに関する本なら、いつでも買ってあげたかったんです」

自分の興味を否定されることなく、のびのびと知的好奇心を爆発させることができたしらたまさんの長男。塾に頼ることなく、自らの頭脳と力だけで大学受験を成功させることができたのは、そんな母親の応援があったからこそなのでしょう。

【お役立ちデータ】高校授業料無償化と「隠れ教育費」の実態 子供や子育て、本や読書にまつわる情報を毎日発信し、子育て世代の困りごとや不安に寄り添う講談社のWebメディア「コクリコ」。同メディアが実施した調査によると、2026年4月から所得制限が撤廃された「高校授業料実質無償化」がスタートしたものの、「教育費の負担が軽くなった」と実感している高校生の保護者は34.4%と、わずか3人に1人にとどまっていることが分かりました。

その背景にあるのが、制度ではカバーしきれない「隠れ教育費」の存在です。入学時の制服代やカバン代、教材費をはじめ、授業等で必須となるタブレットやパソコンの購入費、さらに修学旅行費や日々の塾代など、授業料以外の想定外のコストが家庭の大きな負担となっています。この現状を受け、高校進学を控えた中学生の保護者へのアンケートでも、実に9割以上がこうした見えにくい教育費に対して不安を感じていると回答しました。「授業料無償化=教育費負担ゼロ」ではないリアルな実態を踏まえ、早い段階から進学に伴う細かな支出への心づもりをしておくことが、これからの子育て世代にとって重要になりそうです。

コクリコ:記事の詳細

ライターコメント

高校生が「バスケの選手名鑑を丸暗記した」と聞くと、一般的な受験生の親なら「そんな暇があるなら英単語の一つでも覚えればいいのに…」と焦ってしまいそうな場面です。しかし、しらたまさんは、長男のその没頭力を応援し、本人が求める本を惜しみなく買い続けました。受験に直結する勉強だけを強要するのではなく、子供の「知りたい!」という好奇心の種を大切に育てたしらたまさん。「本だけはいくらでも買った」というしらたまさんの方針は、情報過多な現代の教育において、大切な視点ではないでしょうか。

<ライタープロフィル>ゆんち

2004年に産経新聞社へ入社。静岡、仙台での事件取材を経て、東京社会部では厚生労働省を担当、派遣労働問題などの社会課題を深く掘り下げる。また、特異なキャリアとして法廷画家を兼務し、数多くの法廷画を手掛けてきた。その後、産経新聞社が発行していたタブロイド紙「SANKEI EX」にてブランド、旅、食をテーマとした執筆活動を展開。南アフリカやオーストラリアなど世界各国を取材で巡るほか、臨時特派員として南太平洋のキリバス共和国への駐在経験も持つ。J-WAVE「TOKYO MORNING RADIO」にて、週1回おすすめニュースを3年間にわたり担当。

現在は2児の母となり、これまでの取材経験に加え、教育、健康、ライフハックへと関心の幅を広げている。「趣味を仕事に!」をモットーとする自称「脱力系ライター」。釣り、温泉、グルメ、そして海を眺めてぼーっと過ごす時間を愛する旅人でもある。長年、酒と旅と釣りを友としてきたが、現在は期間限定で禁酒中。新商品から旅、ファッション、グルメまで、自身のアンテナに触れたトピックを独自の視点で発信している。

東大生を育てたおかん

元記事で読む
の記事をもっとみる