1. トップ
  2. エピソード
  3. 「窓、開けてくれる?」普段は優しすぎる隣人。深夜、突然訪れた隣人の発言に絶句

「窓、開けてくれる?」普段は優しすぎる隣人。深夜、突然訪れた隣人の発言に絶句

  • 2026.7.8
「窓、開けてくれる?」普段は優しすぎる隣人。深夜、突然訪れた隣人の発言に絶句

親切すぎた隣人

今の集合住宅に越してきてから、隣に住む同世代の男性とは、すぐに打ち解けました。

ゴミ出しのルールから近所の店の話まで、こちらが聞く前に何でも教えてくれる人でした。引っ越しの日には、重い段ボールを一緒に運んでくれたほどです。

「困ったことがあったら、いつでも言ってくださいね」

親切がすぎるほど親切で、悪い人ではないと、その頃の私は思っていました。

頼りになる隣人に恵まれたものだと、むしろ喜んでいたくらいです。挨拶を交わすたびに、いい人だと信じて疑いませんでした。

ところが、ある些細なことで、私が彼の誘いを一度だけ断った日から、様子が変わっていきました。断り方が気に障ったのか、理由は今でもわかりません。ただ、あの日を境に、親切だった顔の裏側が見えはじめたのです。

最初は、チャイムでした。

朝でも夜でも、時間などお構いなしに、隣のチャイムが鳴るようになりました。一度で応じなければ、応答するまで何度も押し続けてくるのです。

深夜の窓を叩く音

ある晩のことです。日付が変わった深夜一時ごろ、ベランダのほうから、コツコツと硬い音が響きました。

カーテンを少し開けると、仕切り板の隙間から、こちらを覗く彼の顔がありました。窓ガラスを、指の関節で叩いているのです。暗がりの中で、その目だけがぬらりと光って見えました。

「窓、開けてくれる?」

その声には、少しの悪びれもありませんでした。何事かと窓を開けた私に、彼は堰を切ったように話しはじめたのです。

「向かいの家、ゴミの出し方がなってないんだ。俺が代わりに分別しといてやった」

「下の階の夫婦も、挨拶ひとつできない。ああいう連中、許せないだろう?」

名前も知らない住人のことを、彼はさも親しげに、そして憎々しげに並べ立てました。私が黙っていると、同意を強いるように顔を近づけてきます。

誰かへの悪口と、自分がいかに近所のために働いているかという話が、延々と続きました。

相槌を打たなければ機嫌を損ねる。それが怖くて、私は三時間、深夜の窓辺に立ち尽くしていました。冷えた風が足元を抜けていくのに、額には汗がにじんでいたのを覚えています。

何より恐ろしかったのは、彼が本気で自分を善人だと信じていることでした。今日は他人の悪口でも、明日はこの私が、あの窓の向こうで名指しされているのかもしれない。

そう思うと、チャイムが鳴るたびに背筋が凍りつくのです。今も私は、隣の気配をうかがいながら、息をひそめるように暮らしています。

※GLAMが独自に実施したアンケートで集めた、50代・男性読者様の体験談をもとに記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

元記事で読む
の記事をもっとみる