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仏壇の「あるモノ」を動かすと、夜中『ぎし、ぎし』近づく足音が「誰か」祖母の質問に「息が止まった」

  • 2026.6.29

今回は、親戚の千佳さん(仮名)から聞いた、先祖代々受け継がれてきた櫛(くし)にまつわる不思議な話をご紹介します。仏壇の近くにしまわれていた古い櫛。小学生だった千佳さんが、櫛を軽い気持ちで動かした夏から、家の中で不可解な出来事が続くようになったのです。

仏壇の近くにあった古い櫛

小学生の頃、実家の蔵を祖母が片付けていた時のことです。祖母は古い木の櫛を手に取り、「これは触らないでね」と私に言いました。

聞けば、その櫛は曾祖母の代から大切にされてきたものらしく、普段は仏壇の近くの引き出しにしまわれていました。でも当時の私には、ただ古びた櫛にしか見えませんでした。

「誰も使わないのに、どうして大事にするのだろう」そんなことを、子ども心に思っていたのです。

物置へ放り込んだ夏の日

家族が留守にしてた、夏休みのある日。私はふと思い立って、その櫛を引き出しから取り出しました。深い理由はありません。少し怖いような、でも試してみたいような気持ちでした。そして庭の物置まで持っていき、奥の方へ放り込んでしまったのです。

その数日後から、夜中になると廊下を誰かが歩く音が聞こえるようになりました。家族は誰も起きていません。それなのに、ぎし、ぎし、と床板だけが鳴るのです。

夢に現れた白髪の女性

その頃から、私は毎晩同じ夢を見るようになりました。暗い部屋の中で、白髪の女性がこちらを見ています。そして小さな声で、何度も「返して」と言うのです。

夢を見るたびに、朝起きると体が重く、学校でも忘れ物が増えました。階段で足を踏み外しそうになることもあり、小さな不運が重なっていきました。

ある夜、祖母が急に言いました。「仏壇の櫛を誰か動かした?」私は息が止まりそうになりました。祖母は続けて、「昨日、ご先祖さまが夢に出てきてね。探し物をしていたんだよ」と話したのです。

戻した櫛と消えた足音

翌朝、私は物置へ走りました。櫛は投げ込んだ場所にそのままありました。ただ、不思議なことに、その周りだけ落ち葉が避けるように散っていたのです。

怖くなった私は、泣きながら櫛を持ち帰り、祖母にすべて話しました。祖母は怒りませんでした。ただ、「昔から大事にされてきた物には、人の思いも残るんだよ」と静かに言いました。

櫛はきれいに清められ、また仏壇の近くへ戻されました。その後、白髪の女性の夢は見なくなり、夜中の足音も、ぴたりと聞こえなくなったのです。

あれが本当に祟りだったのかは、今でも分かりません。でも私は、受け継がれてきた物を軽い気持ちで扱ってはいけないと思い知りました。
夏になるといつも、あの夢を思い出します。そして今でも、仏壇を見るとそっと手を合わせたくなるのです。

【体験者:30代・主婦、回答時期:2026年6月】

※本記事は、執筆ライターが取材又は体験した実話です。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

EPライター:佐藤 栄祠
大手メーカーの営業を経て、ライターに転身。会社員時代に培った経験と、組織の一員であるからこその“喜怒哀楽”をリアルに伝え、「誰かを癒したい」との思いが執筆の原動力。スピリチュアル関連情報にも精通しており、それらに傾倒する人の思いを描いたエピソードも好評。

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