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28年前に大ヒットした“伝説”のドラマが復活 異色の話題作を生み出してきた“ベテラン脚本家”が抜擢

  • 2026.7.11
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反町隆史 (C)SANKEI

7月20日から、反町隆史が主演を務めた伝説の学園ドラマ『GTO』の続編が放送される。

※以下本文には放送内容が含まれます。

『GTO』は1998年に放送された連続ドラマで、元不良の破天荒な教師・鬼塚英吉(反町隆史)が、一見真面目な優等生に見えるが、様々な問題を抱えた生徒たちと向き合う姿が感動を呼び、大ヒットした。

原作は、1996年から2002年にかけて『週刊少年マガジン』で藤沢とおるが連載していた同名漫画。連載が終了した後も、断続的に続編が作られている人気漫画である。

2012年には、EXILE AKIRAの主演でリメイク版ドラマが作られている。
本作も好評で、連続ドラマが第2期まで作られる人気作となった。

対して、今回の『GTO』は、1998年版『GTO』の続編となっている。
反町隆史が演じる鬼塚は50代のおじさんとなっており、親子ほど年の離れた令和の高校生たちと向き合うこととなる。こうなると続編とは言え、ほとんどオリジナルストーリーだと言える。だからこそ、どう展開されるのかわからない緊張感がある。

すでに2024年に、98年度版『GTO』の続編となるSPドラマ『GTOリバイバル』が放送されている。
主演はもちろん反町隆史で、98年度版で生徒役を演じた窪塚洋介や小栗旬といった俳優も多数出演した。
また、本作で共演したことがきっかけで反町と結婚した冬月あずさ役の松嶋菜々子も出演し、夫婦で共演したことも話題になった。
この『GTOリバイバル』の高評価を経ての連続ドラマ化だが、一番の注目ポイントは遊川和彦が脚本を担当していることだろう。

遊川和彦の転機となった『GTO』

遊川は80年代後半から活躍するベテラン脚本家で、ヒット作が多数あるのだが、時代の空気に合わせて作風を何度も変化させている。

デビューから数年は、80年代後半というバブル景気で日本が豊かだったこともあってか、『オヨビでない奴!』を筆頭とするコメディテイストの明るい作品が多かった。

しかし、バブルが崩壊して平成不況が深刻化していった90年代後半に入ると遊川の作風も変化していき、『真昼の月』や『魔女の条件』といったシリアスで重苦しい作品が増えていった。
そして2005年に執筆した連続ドラマ『女王の教室』で、遊川の作家性は本格的に開花する。

本作は、子供たちに過酷な現実を突きつける謎の小学校教師・亜久津真矢(天海祐希)に精神的に追い詰められた小学生たちが、彼女に抵抗することによって成長していく姿を描いた異色の学園ドラマだ。

本作の魅力は謎の教師・真矢の不気味さで、ロボットのように感情が見えない冷たい喋り方をする真矢の存在感は圧倒的だった。 真矢には、生身の人間たちの中に一人だけ漫画やアニメのキャラクターのようなリアリティラインの異なる存在がいるような異物感があり、この人間とキャラクターの衝突が、本作独自の味わいとなっていた。

『女王の教室』で確立した作家性を、遊川はその後も洗練させていき、正体不明の不気味な家政婦・三田灯(松嶋菜々子)が主人公の異色のホームドラマ『家政婦のミタ』を2011年に大ヒットさせている。
この、ロボットのような不気味な女性が周囲の人々を翻弄するという物語は、その後、『ハケンの品格』、『家売るオンナ』、『マル秘の密子さん』といった遊川以外の脚本家が手掛けた連続ドラマでも展開されており、もはやテレビドラマの1ジャンルとして定着したと言っても過言ではない。

対して『GTO』は原作モノであるため、作家性が色濃く出た『女王の教室』や『家政婦のミタ』とは違う職人的なアプローチで書かれた作品に思える。

だが、鬼塚は破天荒な教師で、周囲の人々とはリアリティラインが異なる無敵の存在として描かれていた。つまり、阿久津真矢や三田灯の原型と言えるキャラクターだと言える。

おそらく、鬼塚だけを人間離れしたキャラクターとして描く手法は、漫画をドラマ化する中で生み出されたものだったのだろう。
『GTO』で遊川は、鬼塚だけを漫画的なキャラクターとして描くことで、リアリティラインの異なる存在が周囲を翻弄することによって生まれる作劇手法を獲得したのだ。

おじさんになった鬼塚の80年代的な明るさは令和の高校生に届くのか?

また、反町隆史の軽妙な演技もあってかドラマ版の鬼塚は『オヨビでない奴!』等のコメディドラマで遊川がよく主人公として描いた軽薄なお調子者だが、明るくて優しい男の子が成長して大人になった姿にも見える。
その意味で鬼塚は、80年代の日本の若者が持っていた明るさを体現していると言えるだろう。
そんな鬼塚が、90年代の空気を象徴する鬱屈した内面を抱えている不気味な少年少女と対峙する姿は、80年代と90年代の価値観が衝突しているように感じた。

おそらく今回の『GTO』は、50代のおじさんになった鬼塚の80年代的な明るさを、2020年代を生きる令和の若者たちにぶつけるという構図になるのだろう。

山岡潤平が脚本を担当した『GTOリバイバル』では、表向きはとても真面目で優しい令和の若者たちが抱える裏の顔と鬼塚が向き合う姿が暴露系インフルエンサーとの対決を通して描かれていたが、果たして遊川は、おじさんになった鬼塚と令和の高校生をどう描くのか。 今から放送が楽しみである。


出典:カンテレ・フジテレビ系『GTO』公式HP より

ライター:成馬零一
76 年生まれ。ライター、ドラマ評論家。ドラマ評を中心に雑誌、ウェブ等で幅広く執筆。単著 に『TVドラマは、ジャニーズものだけ見ろ!』(宝島社新書)、『キャラクタードラマの誕生:テレビドラマを更新する6人の脚本家』(河出書房新社)、『テレビドラマクロニクル 1990→2020』 (PLANETS)がある。

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