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猛暑日に「屋外で高齢者が倒れている」と通報…無事搬送後、救急隊員から思わず漏れた『本音』

  • 2026.7.28
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出典:photoAC ※画像はイメージです。

こんにちは。元救急隊員ライターのとしです。

猛烈な暑さが続く夏の日、屋外で高齢者が倒れているとの救急要請が入りました。

現場の環境から暑さの影響は考えられましたが、それだけで原因を決めつけることはできません。

今回は、高齢者を無事に医療機関へ引き継いだあと、救急隊員から思わず本音がこぼれた事案をご紹介します。

猛暑の屋外でぐったりしていた高齢者

救急要請が入ったのは、外に立っているだけでも汗が噴き出すような日でした。

現場へ到着すると、高齢者が日差しの強い屋外でぐったりしていました。
周囲には日陰がほとんどなく、路面からも強い熱気が上がるほど。

救急隊は呼びかけへの反応と呼吸を確認すると、すぐにストレッチャーへ乗せ、冷房を効かせた救急車内へ収容しました。

暑い場所にとどまれば、それだけ体への負担が増えてしまいます。

詳しい観察は、涼しい車内で行うことにしました。

冷却しながら体調不良の原因を探る

救急車内では、意識状態や体温、血圧、脈拍、呼吸、発汗の様子などを確認しました。

同時に、体にこもった熱を逃がすため、衣服を緩めたり脱がせたりしながら、首元やわきの下などに氷のうを当てて冷却を始めます。

高齢者は呼びかけに反応していましたが、受け答えには力がなく、かなり疲れている様子でした。

猛暑日の屋外で倒れていたことから、当然暑さの影響が考えられます。

ただし、ぐったりしている原因が暑さだけとは限りません。
脳卒中や心臓の病気、低血糖、感染症などでも、似たような状態になることがあります。
夏はすべて熱中症だと思い込みやすいからこそ、初期観察が重要なのです。

救急隊は持病や服用している薬、食事や水分を摂った時間、倒れる直前の様子などを確認しました。

冷却を続けながら、ほかの病気が隠れていないか慎重に観察していきます。

容体を確認しながら医療機関へ

夏場は、暑さによる体調不良の救急要請が同じ時間帯に重なることがあります。

救急隊だけでなく、受け入れる医療機関も対応に追われ、搬送先の調整に時間がかかる場面も少なくありません

救急隊は高齢者の意識状態や体温、血圧などを繰り返し確認しながら、対応可能な医療機関を探しました。

受け入れ先が決まると、冷却を続けたまま搬送を開始します。

幸い、搬送中に容体の急変はありませんでした。

医療機関へ到着後、現場の状況や観察結果、行った処置を伝え、無事に医師や看護師へ引き継ぐことができました。

搬送後にこぼれた救急隊の本音

高齢者を医療機関へ引き継ぎ、救急車へ戻ったあと、隊員から本音がこぼれました。

「この暑さの中、どうしても外に出なければならなかったのかな」
「もう少し外の暑さを見ながら、無理をしないでほしいよな」

活動中は処置や観察に集中しているため、個人的な感情を口にする余裕はほとんどありません。

無事に引き継ぎ、緊張が少し緩んだところで、心配していた気持ちが言葉になったのです。

もちろん、高齢者を責めたいわけではありません。

買い物や通院など、どうしても外出しなければならない事情があったのかもしれません。

本人も、短時間なら大丈夫だと思っていた可能性があります。

それでも、命に関わるような暑さの日には、わずかな外出でも体に大きな負担がかかります。

予定を変更したり、車移動できる家族に頼ったりすることや、気温や周囲の環境を確認して外出を控えることも、自分の命を守る大切な判断です。

現場では冷静に対応しながらも、「どうか無理をしないでほしい」と願っているのです。

搬送を終えたあとにこぼれた言葉には、救急隊のそんな思いが込められていました。


ライター:とし
元救急隊員。消防で17年、主に救急隊として活動し救急救命士資格を取得。現場経験をもとに、救急の分かりにくい部分を一般向けに噛み砕いて発信しています。


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