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「思いっきり笑えない…」尿もれに悩む50代女性→友人の勧めで病院に行くと…医師からの“想定外の事実”に「早く来ればよかった」

  • 2026.7.13
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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

こんにちは。泌尿器科専門医の小内友紀子です。今回は、長年にわたって尿取りパッドで不便をしのいできた患者さんが、手術を受けてその悩みから解放されたエピソードをご紹介します。

「最近、くしゃみのたびにドキッとする」「笑いたいのに、漏れそうで思いっきり笑えない」——そんな経験、心当たりはありませんか?尿もれは、実は多くの女性が抱えているにもかかわらず、恥ずかしさから誰にも相談できずにいる症状のひとつです。

「手術しかない」と聞いてどう感じるか——この記事を読み終えるころには、きっと印象が変わっているはずです。

※本エピソードは複数の患者さんの経験をもとに再構成した架空のものです。特定の個人を指すものではありません。

何年も、ひとりで我慢していた

外来にいらしたKさんは、54歳の女性。はじめてお会いしたとき、少し恥ずかしそうに「実は…ずっと尿もれがあって」と切り出されました。

症状が始まったのは、40代後半のこと。最初は激しく咳き込んだときや、重い荷物を持ち上げたときに少し漏れる程度でした。「更年期のせいかな」と思い、市販の尿取りパッドを使い始めたといいます。

ところが症状は年々悪化し、くしゃみ・咳・階段の昇り降りはもちろん、少し早足で歩くだけでも漏れるようになりました。外出先では必ずトイレの場所を確認し、旅行のときはパッドをバッグにたっぷり詰め込む日々。「友人に温泉に誘われても、着替えのときに気づかれたら恥ずかしいから」と、ずっと断り続けていたそうです。

月に使うパッドの費用は数千円。それが何年も続いていました。「病院に行っても、どうせ薬をもらうだけでしょう?」「手術なんて怖いし、入院なんてできない」——そう思い込んで、受診をためらってきたとおっしゃっていました。

背中を押したのは、友人のひとこと

転機は、同世代の友人との何気ない会話でした。「私もずっと同じことで悩んでたけど、病院行ったら手術してもらえてすっかりよくなったよ。パッドも全然いらなくなった」。

「えっ、手術でよくなるの?」と驚いたKさんは、その足で泌尿器科を受診されました。

診察では問診と、尿の状態や骨盤底(骨盤の底を支える筋肉や靭帯のこと)の機能を確認する検査を実施。結果は「腹圧性尿失禁(ふくあつせいにょうしっきん)」——お腹に力が入ったときに膀胱が圧迫されて尿が漏れるタイプの尿失禁で、出産経験や加齢によって骨盤底が緩むことで起こります。

「お薬で治りませんか?」とKさんに聞かれましたが、腹圧性尿失禁には残念ながら効果的な飲み薬がほとんどありません。「では手術というのは、どんな手術なんでしょう…」と不安そうな表情で続けておっしゃいました。

もっと大きな手術だと思っていた

「2泊3日でいいんですか!?」

手術の説明をお伝えすると、Kさんは目を丸くされました。

腹圧性尿失禁の標準的な手術は「TVT手術」や「TOT手術」と呼ばれるもので、尿道の下にテープ状のメッシュを通して支えをつくる処置です。切開はごく小さく、手術時間は30分ほど。入院は2泊3日が目安です。

「もっと大きな手術だと思っていました」とKさん。費用についても、健康保険が適用されるため自己負担は数万円程度(3割負担の場合)。「何年もパッドを買い続けてきたことを思うと…」と苦笑いされていました。

手術後のKさんは、退院した翌日から尿もれがほぼなくなったとのこと。後日の外来で「くしゃみしても全然平気なんです!つい身構えてしまうのですが。」と、とても晴れやかな顔で笑いながらおっしゃっていたのが印象に残っています。しばらくして、ずっと断り続けていた友人との温泉旅行にも行けたと聞きました。

「もっと早く来ればよかった」と思わないために

尿もれは、「年だから仕方ない」「恥ずかしくて人に言えない」と抱え込みがちな症状です。しかし腹圧性尿失禁は、適切な治療によってしっかり改善が見込める状態です。手術の効果も長期間持続することがデータでも示されており、多くの方が術後10年以上にわたって快適な生活を送っています。

パッドを使い続けることには、費用だけでなく、旅行や外出をためらうなど生活の質への影響も少なくありません。「これくらい我慢できる」と思っていても、それが何年も積み重なると、失われる時間はとても大きいものになります。

気になる症状があれば、ぜひ一度、泌尿器科に相談してみてください。「手術しかない」という言葉を怖く感じる方ほど、実際に話を聞いてみると「思っていたより全然大変じゃなかった」とおっしゃることが多いです。あなたの日常を取り戻す第一歩は、意外と小さなところにあるかもしれません。


執筆・監修:小内 友紀子
公益財団法人ときわ会 常磐病院 泌尿器科 診療副部長、東京女子医科大学病院 泌尿器科 講師、医師、医学博士
女性泌尿器科医師として、普段は女性によくある尿もれから、男性の前立腺癌をはじめとする泌尿器科領域の癌診療まで診療しております。
【資格】医師 / 医学博士 / 泌尿器科専門医・指導医 / 透析医学会専門医・指導医 / 排尿機能学会専門医

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