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伊藤彩沙、20代ラストの写真集で見せた“大人の甘さ”「誰かの憧れになれていたら」

  • 2026.6.17
伊藤彩沙 クランクイン! 写真:吉野庫之介 width=
伊藤彩沙 クランクイン! 写真:吉野庫之介

声優・伊藤彩沙が、3冊目となる写真集『アヤサージュ』(KADOKAWA)を6月24日に発売する。シンガポールとインドネシアを舞台に撮影された本作のテーマは、“大人の甘さ”。20代ラストという節目に、自身とゆかりのある地で見せたのは、これまでの愛らしさだけではない、凛としたまなざしと新たな表情だった。タイトルに込めた想い、撮影地での忘れられない出会い、そして声優デビューから13年を経て見つけた“自分の物差し”。憧れを追いかけてきた29年間の現在地と、これからの表現への想いを聞いた。

【写真】伊藤彩沙の魅力が凝縮 “大人の甘さ”漂う写真集先行カット(9枚)

■20代ラストに刻んだ“大人の甘さ” ゆかりの地で見つけた新しい伊藤彩沙

――3冊目となる写真集『アヤサージュ』には、どのような想いを込めましたか?

伊藤:まず、聞いた瞬間に覚えてもらえるような、キャッチーなタイトルにしたいと思っていました。いろいろ考えていたんですけど、表紙のイメージを思い浮かべた時に、ふと『アヤサージュ』という言葉が降りてきたんです。

造語ではあるんですが、「サージュ」という言葉の意味を調べてみると、“賢い”や“知的”、“落ち着いた”という意味があって。「私とは真逆だな」と思ったんですけど(笑)、同時にすごく大人っぽい印象も受けました。

一方で、私自身「アヤサ」を甘いと定義させていただきました(照)。今回の写真集のテーマが“大人の甘さ”なので、相反するような言葉を組み合わせることで、そのテーマを表現できるんじゃないかなと思ったんです。

さらに、ローマ字で書くと「Ayasa+age」にも見えるんです。ちょうど20代ラストというタイミングでもあるので、そこにも意味が重なっていて。ダブルミーニング、もしかしたらトリプルミーニングくらいになっているのかなと(笑)。

ファンの方もいろいろ考察してくださっていて、それがすごくうれしいです。「そういう受け取り方もあるんだ」と思えるのも楽しいですし、タイトルから写真集の世界を広げてもらえている感じがします。

――ロケ地はシンガポールとインドネシアということですが、実際に訪れてみていかがでしたか?

伊藤:シンガポールはお仕事で何度か行かせていただくことがあって、私自身もすごく大好きな国なんです。インドネシアも、初めての海外旅行で訪れた国だったので、どちらも個人的にゆかりを感じている場所でした。なので、ロケ地がその2ヵ国に決まったと聞いた時は驚きました。

撮影期間は、本当に最高でした。毎日暖かくて、雨も降らず、景色もとてもきれいで。インドネシアではリゾート地で撮影したのですが、現地の方々がとても温かかったのが印象に残っています。人の優しさに触れながら、ビーチの美しさや空気の心地よさも感じることができました。

シンガポールでは、久しぶりに訪れた懐かしさがありつつ、まだ行ったことのない新しい場所にも連れて行っていただきました。フォトジェニックな場所からおしゃれなスポットまで、いろいろな場所を巡ることができて。

最後には、マリーナベイ・サンズやマーライオン(像)が見える“ザ・シンガポール”な場所にも行けました。景色も、人も、空気も含めて楽しみ尽くしたような、本当に贅沢な撮影期間でした。

――撮影を通して、現地の方々との印象的な出会いや交流はありましたか?

伊藤:ビンタン島に着いた時に、ホテルのスタッフさんがとても親切にしてくださったことが印象に残っています。撮影で使う浮き輪などの備品を用意してくださったり、送迎でもお世話になったりして。日本語でお話ししてくださったのも、すごくうれしかったです。その方が「6月に日本に行く」とおっしゃっていたので、写真集を買ってくださったらいいなって思っています(笑)。

あと、ウェルカムシャンパンを出してくださった時のやりとりも印象的でした。「ウェルカムシャンパンです」と言ってくださった発音が、私には「ウェルカムせんべい」に聞こえて(笑)。「ウェルカムせんべいって聞いたことないな、なんだろう?」としばらく考えていたら、シャンパンだったんです。そういう楽しいやりとりも含めて、現地の方々の温かいおもてなしを感じられた時間でした。

■「誰かの憧れになれていたら」写真集に込めた新たな表情と素顔

――伊藤さんのお気に入りのカットは?

伊藤:お気に入りは、ビンタン島の岩場で撮影したカットです。青空の下、切り立った岩に囲まれて立っているような一枚で、今回の写真集の中でも特にスケールの大きさを感じていただけるカットになっていると思います。

自然の力強さを感じられる場所でありながら、衣装には白の甘く繊細な要素もあって。大自然の壮大さとファッションの甘さが合わさることで、今回の写真集のテーマでもある“新しい伊藤彩沙を見せていく”という意思が、表情にも表れているんじゃないかなと思います。私にとっても、とても印象的な撮影でした。

実は足場がかなりぐらぐらしていて、スタッフさんに手を借りながらバランスを取っていたんです。気持ちとしては、ちょっと勇者のような感覚で立っていました(笑)。とてもかっこよく、美しい一枚に撮っていただけたと思います。


――“素の自分”と“表現としての自分”、今回の写真集ではどちらがより強く出ていると思いますか?

伊藤:すごくいいバランスで、半々くらい出せたんじゃないかなと思っています。ただ、割合で言うと、“表現としての自分”の方が少し大きいかもしれません。

今回、フォトグラファーの中村和孝さんに導いていただいたことで、自分でも見たことのないような新しい表情をたくさん引き出していただきました。「こんな顔をしていたんだ」と思うカットも多くて、自分にとっても発見の多い撮影でした。

4日間の撮影だったので、すべてが最初からきっちり決まっていたわけではなく、「この衣装も撮れたら撮ってみよう」というように、その場で生まれたアイデアを大切にしながら進めていったんです。だからこそ、偶然生まれた瞬間がたくさん詰まっていて。予定されていたものだけではなく、その場の空気や流れの中で生まれた“結晶”のような写真集になったと思います。

一方で、食事をしているところや、お買い物をしているところなどは、もともと撮影する予定ではなかったんです。「せっかくだから撮ってみようか」と自然にカメラを向けていただいた場面で、そういうカットには、かなり素の自分が出ていると思います。表現として挑んだ自分と、旅の中でふとこぼれた素の自分。その両方が、今の私らしい形で写っている気がします。

――写真集を通して、どんな“伊藤彩沙像”を感じてほしいですか?

伊藤:私は、“憧れ”という言葉が原動力になっているタイプなんです。幼い頃から「こうなりたい」と思うものがたくさんあって、その憧れを目指しながら生きてきた29年間だったなと思います。

だからこそ、いつか自分も、憧れてきたものに少しでも近づけていたらいいなという思いがありました。そして今度は、自分自身が誰かにとっての憧れの存在になれていたらいいな、とも思うんです。

今回の写真集では、大人っぽさや新しい表情、素の部分も含めて、今の自分にできる表現をたくさん詰め込みました。その中で、「こんなふうになりたい」と思ってもらえるような存在に少しでも近づけていたら幸せです。

私がずっと憧れを追いかけてきたように、この写真集を見た方にも、前向きな気持ちやときめきを感じてもらえたらうれしいです。そんな“伊藤彩沙像”が届いていたらいいなと思います。

■声優として育った“自分の物差し” 伊藤彩沙が見つけた、表現者としての芯

――2013年に声優デビューした伊藤さんですが、これまでの活動を振り返って「ここは変わったな」と思う部分や、成長を感じる部分はありますか?

伊藤:大きく変わったのは、決断力だと思います。デビューしたばかりの頃はまだ学生で、自分で何かを決めるという経験もあまり多くありませんでした。親や周りの人が示してくれた道を、あまり深く考えずに進んでいたところもあったと思います。

でも、声優として活動を続けていく中で、自分で選び、自分で動かなければいけない場面が少しずつ増えていきました。その積み重ねの中で、決断する力は身についてきたのかなと感じています。

たとえばSNSひとつ取っても、最初の頃は投稿ボタンを押すだけでも怖かったんです。「これを公開して大丈夫かな」「どう受け取られるんだろう」と考えすぎてしまって、なかなか勇気が出なくて。

でも、経験を重ねるうちに、少しずつ自分で判断できるようになっていきました。何が自分らしいのか、どんな言葉を届けたいのか、何を大切にしたいのか。そういう“自分の物差し”のようなものが、活動を続ける中で見えてきた気がします。

――特に大きな影響を受けたと感じるものは?

伊藤:やっぱり、これまで出会ってきた作品たちです。関わらせていただいた作品の一つひとつから、本当にたくさんの影響を受けてきたと思います。

演じてきたキャラクターにも、それぞれの価値観や生き方があって。「もっと強くいていいんだ」と思わせてくれたり、“好き”という気持ちをまっすぐ大切にする姿に気づかされたり。一人ひとりのキャラクターから学ぶことがありましたし、その積み重ねが、今の自分を作ってくれているように感じます。

中でも、ライブコンテンツに参加させていただいた経験は大きかったです。キャラクターの魅力や作品の世界観を、どうすればより深くお客さんに届けられるのか。自分で考え、工夫する機会がすごく増えました。ただ演じるだけではなく、どう見せるか、どう伝えるかまで考える。その経験を重ねる中で、自分自身の中にも表現者としての芯のようなものが少しずつ育っていった気がします。

キャラクターとして存在しながら、バンドとして動いていく。その中には、かなりセルフプロデュースに近い部分もありました。メンバー同士で話し合うことも多かったですし、セットリストを自分たちで決めることもあって。キャラクターコンテンツでそこまで深く関わらせていただける機会は、決して多くないと思うので、本当に鍛えられた場所だったなと思います。

――最後に、これからの目標や発信していきたいことを教えてください。

伊藤:これからは、もっと“作ること”にも挑戦していきたいです。自分が表現するだけではなく、何かを企画したり、形にしたり、それを発信していくことにすごく興味があります。

やりたいことは本当にたくさんあって。スイーツのお店もやってみたいですし、アイドルグループのプロデュースにも興味があります。誰かの写真集をプロデュースしたり、イベントを作ったりすることにも、いつか挑戦してみたいです。

自分では、人の素敵なところを見つけるのが得意なほうだと思っていて。その人自身もまだ気づいていない魅力や、もっと輝く部分を見つけて、それをどう届けるか考えることがすごく好きなんです。

所属している響という事務所は、自由に挑戦させてくださる場所で、自分の生誕祭もセルフプロデュースに近い形でやらせていただいています。どうしたら自分らしく発信できるのか、どう見せたら楽しんでもらえるのかを考える機会が多くて、その中で「私は作ることが好きなんだ」と気づきました。

だからこれからは、声優としての活動を大切にしながら、自分自身の魅力を届けるだけではなく、誰かの魅力や、心が動くものを形にして届けることにもチャレンジしていきたいです。作り手としても、もっといろいろな表現を発信していけたらと思っています。

(取材・文・写真:吉野庫之介 ヘアメイク:大田葵 スタイリスト:今村仁美)

伊藤彩沙 写真集『アヤサージュ』は、KADOKAWAより6月24日発売。

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