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彼がデート候補のお店を送るたび一軒だけ消す。その理由がわからず不安だった私

  • 2026.6.16
ハウコレ

チャットの通知が、続けて画面に並びました。彼が送ってくれた、出かける日のお店の候補です。ところが少し経つと、そのうちのひとつだけが消えていました。送ったはずの一軒が、取り消された跡だけを残して。

消えていく一軒

彼と付き合って二年目になります。出かける予定を決めるとき、彼はいつもお店の候補を何軒か送ってくれる人でした。並べてくれた中から選ぶのが、私のささやかな楽しみでもあったのです。

ところがある時から、送られてきた候補のうち一軒が、決まって取り消されるようになりました。どんなお店だったのかは、私には見えません。一度や二度なら気にもしませんでした。けれど予定を立てるたびに同じことが起きるとなると、話は別でした。

膨らんでいく想像

取り消されるのは、いつも決まって一軒だけ。私に見せたくないお店がある、ということなのでしょうか。そう考え始めると、想像はどんどん広がっていきました。

誰かと行ったお店なのかもしれない。私には言えない場所なのかもしれない。考えれば考えるほど、よくない方向にばかり気持ちが向かいます。チャットを開くたびに、あの取り消しの跡を探している自分がいました。彼の前では普段どおりに笑っていても、ひとりになると画面を見返しては、消えた一軒の正体を思いめぐらせていたのです。

思い切って尋ねた日

このまま黙っていても、もやもやは消えそうにありませんでした。出かけた帰り道、私は思い切って彼に聞いてみることにしたのです。「ねえ、いつも一軒だけお店消してるよね。何かあるの?」

彼は少し、言葉を探すような表情になりました。それから、ばつが悪そうに目線を落として、こう言ったのです。「ごめん、もう少しだけ待ってほしい。悪いことじゃないから」。はぐらかされた、というのとは違いました。隠しごとを見つかった人の慌て方とも、どこか違います。少なくとも、私が想像していたような後ろめたさは、その顔には見当たりませんでした。

そして...

結局、消えていたお店が何だったのかは、その日もわからずじまいでした。それでも、帰り道に見せた彼のあの慌てた顔を思い返すと、こわばっていた気持ちが少しずつほどけていったのです。

よくない想像ばかりを膨らませていたのは、私のほうだったのかもしれません。「悪いことじゃないから」。その言葉を信じて、もう少しだけ待ってみようと思いました。彼が何を考えているのかは、今はまだわかりません。けれど、わざわざ消してまで取っておきたい一軒があるのなら、それはきっと、雑に扱いたくない何かなのでしょう。そう思えたら、次に届く候補を、また楽しみに待てる気がしたのです。

(20代女性・会社員)

本記事は、ハウコレ読者への独自アンケートに寄せられた実体験をもとに制作していますが、個人が特定されないよう、一部設定を変更しています。

(ハウコレ編集部)

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