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「好きだけど付き合えない」と言った彼が、翌日私の好きな店を予約していた話

  • 2026.6.14
ハウコレ

スマホに届いた一通のメッセージを、私は何度も読み返していました。彼とは長いあいだ、友達でも恋人でもない曖昧な関係を続けてきました。その彼から告げられた言葉と、画面に並ぶ文字が、どうしても私の中でつながらなかったのです。

告げられた言葉

彼とは、共通の友人を通じて知り合いました。二人で会うことも増えて、けれど告白をするわけでもされるわけでもない関係が、ずっと続いていました。

その日、帰り道でふと足を止めた彼が、まっすぐ私を見て言いました。「好きだけど付き合えない」。思いがけない言葉に、私はとっさに足元の影を見つめました。好きだと言ってくれたのに、どうして付き合えないのか。私は「好きなのに、どうして」とだけ聞きました。彼は目を伏せて、「ごめん、うまく言えない」と繰り返すだけでした。

届いた予約の知らせ

その答えは、最後まで聞けないまま、私たちは別れました。家に帰っても、彼の言葉ばかりが頭に残ります。好きという気持ちと、付き合えないという結論。その二つが、どうしてもかみ合いませんでした。

ところが次の日、彼からメッセージが届いたのです。「この前行きたいって言ってた店、予約取れたよ」。前に二人で話していた、私がずっと行ってみたかったお店でした。振られたはずなのに、どうしてこんな誘いが来るのだろう。画面を見つめたまま、私は返信の言葉を選べずにいました。

優しさの意味

うれしいはずの知らせが、その時の私にはいちばんつらいものでした。付き合えないと言うなら、こんなふうに優しくしないでほしい。期待してしまう自分が、また傷つくとわかっていたからです。

理由を聞きたくても、彼はきっと答えてくれません。あの帰り道と同じように、目を伏せて「うまく言えない」と言うだけでしょう。彼の本心を読み取ろうと何度も考えましたが、わかったのは、自分がもう振り回されたくないという気持ちだけでした。

そして...

迷った末に、私はそのお店には行きませんでした。彼を嫌いになったわけではありません。ただ、答えのない優しさに寄りかかってしまう前に、自分で立ち止まりたかったのです。彼がどんな気持ちで予約をしたのか、今もわかりません。

それでも、わからないままでいいと思えるようになりました。誰かの中途半端な好意ではなく、まっすぐに私を選んでくれる人と、いつかあのお店に行けたら。そう思えた時、不思議と前を向けた気がしました。

(20代女性・会社員)

本記事は、ハウコレ読者への独自アンケートに寄せられた実体験をもとに制作していますが、個人が特定されないよう、一部設定を変更しています。

(ハウコレ編集部)

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