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どっちも本気で、どっちも選べなかった→俺のスマホが、駅で待つ人に全部を伝えた

  • 2026.6.12
ハウコレ

久しぶりの休みに、テーブルに置いたスマホの通知が一度だけ光りました。隣には、同棲して三年になる相手がいます。俺は画面を伏せたまま、たいした用事じゃないと自分に言い聞かせました。その一通が、隠し続けてきたすべてを動かし始めるとは、思ってもいなかったのです。

鳴った通知を、伏せたままにした

画面に表示されていたのは「もう駅着いたよ」という、待ち合わせ場所からのメッセージでした。本当は、その人と会う約束をしていたのです。けれど目の前には同棲相手がいて、俺は返信を打てないまま、既読だけをつけてしまいました。

返信すれば隣の相手にあやしまれる。かといって出かける口実も、とっさには思いつきません。たいしたことないふりをしてスマホを伏せながら、俺は二人に嘘をつき続けてきた自分のことを考えていました。

戻ったとき、スマホは相手の手の中にあった

返せないまま画面を伏せて三十分ほど経ったころ、飲み物を取りに立ちました。ほんの数分のことでした。戻ると、同棲相手が俺のスマホを持って、画面を見つめていました。そこには、相手が待ち合わせの人へ送ったばかりの文面が残っていました。「突然ごめんなさい。これを打っているのは、あなたが待っている人ではありません」。そして、「私、その人の同棲相手です」。

同棲相手は俺を見て、「どっちが本気だったの」とだけ言いました。俺はその問いに答えられないまま、奪われたスマホの画面を見ていました。

どちらも欲しくて、どちらにも向き合わなかった

同棲相手とは、ここ最近どこかすれ違っていて、待ち合わせの人といるときだけ、素の自分でいられる気がしていました。それでも、長く一緒にいた相手を手放す勇気は持てませんでした。

待ち合わせの人から一度だけ「私たちって、付き合ってるんだよね?」と聞かれたことがあります。あのとき俺は「そういうの、今はっきりさせなくてもいいじゃん」と笑ってごまかしました。言葉にしなければ、責任を負わずにいられる。そう思っていたのです。曖昧さに甘えていたのは、ほかでもない俺のほうでした。

そして…

同棲相手は荷物をまとめて部屋を出ていきました。待ち合わせの人からは、あれきり一度も返信はありません。当然のことだと思います。

俺は二人に誠実なつもりで、どちらにも誠実ではありませんでした。どちらも本気だと言い訳をしながら、結局はどちらも傷つけただけでした。連絡を入れようとアプリを開いては、そのまま閉じる。それを何度も繰り返すうちに、画面の明かりだけが部屋に残っていきました。

(30代男性・会社員)

本記事は、ハウコレ読者への独自アンケートに寄せられた実体験をもとに制作していますが、個人が特定されないよう、一部設定を変更しています。

(ハウコレ編集部)

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