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「全部オレが買うから」と棚のカードを買い占めた男性。息子の前で店員が放ったひと言

  • 2026.6.2
ハウコレ

次々とカゴに消えていく新作カード。空になった棚に伸びたままの、息子の小さな手。うつむく我が子の肩に手を添えたそのとき、ひとりの店員さんが小走りでやってきました。

開店と同時に飛び込んだお店で、息子はまっすぐカード売り場へ駆けていきました。お小遣いを少しずつ貯めて、この新作の発売を心待ちにしていたのです。ところが目当ての棚の前には、ひとりの男性が立ちはだかっていました。

ずっと楽しみにしていた発売日

息子が夢中になっているカードゲームに、新作が出る。その日を、お小遣いを少しずつ貯めながら、ずっと心待ちにしていました。「何が当たるかな」と目を輝かせる息子の手を引いて、近所のお店へ向かいます。

まっすぐにカード売り場を目指す足取りは、いつもよりほんの少しだけ速く感じました。お目当ての棚が見えてくると、息子の横顔がぱっと明るくなりました。

突然始まった、大人の買い占め

ところが売り場に着くと、ひとりの男性が棚の前に立ちはだかっていたのです。その人は並んでいたカードを片っ端からカゴの中へ放り込み、こちらをちらりと見て「全部オレが買うから」と言い放ちました。

あっという間に空っぽになっていく棚。息子の小さな手が、何もなくなった陳列棚に伸びたまま、ぴたりと止まりました。明らかに、転売が目的の様子です。うつむいてしまった息子の肩に、私はそっと手を添えました。

駆けつけた店員のひと言

そのとき、ひとりの店員さんが小走りでやってきました。男性のカゴをちらりと確認すると、はっきりとした声でこう告げたのです。

「申し訳ございません。こちらの商品は、お一人さま三点までとさせていただいております」

さらに、「本日は、お子さま優先での販売です」と続けました。男性は「は?そんなの聞いてない」と声を荒げます。それでも店員さんは、穏やかな笑顔のまま一歩も引きませんでした。その背中が、とても頼もしく見えました。

そして...

結局、男性は三点だけを持って、捨て台詞を残しながら去っていきました。空になりかけていた棚にはすぐに新しいカードが補充され、息子は晴れやかな顔で、大事そうに数枚を選んでいきます。

「やったね!」と無邪気にはしゃぐ姿を見ていると、さっきまでの重たい気持ちが、すっと軽くなっていくのがわかりました。ルールを守る人が、きちんと守られる。そんな当たり前が通った瞬間に立ち会えたことが、なんだか誇らしくて、思わず笑顔になっていました。

(30代女性・主婦)

本記事は、ハウコレ読者への独自アンケートに寄せられた実体験をもとに制作していますが、個人が特定されないよう、一部設定を変更しています。

(ハウコレ編集部)

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