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新人バス運転士の教習中…教育担当「速度落として!!」→直後、突風で“飛んできたモノ”に「なぜわかったんですか」

  • 2026.7.1
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出典:photoAC(※画像はイメージです)

こんにちは。送迎バスの運行管理やバス運転士の経験を持つVenus☆トラベルです。

今回は、12年ほど前に塾の送迎バスを運転していたときのお話を紹介します。

当時、運転士不足が深刻化し始める前でしたが、それでもなかなか運転士は見つかりませんでした。私は、やっと見つかった運転士の教育係となったのですが、実際の運行で教育するのは、教育担当も肝を冷やすことがあります。

運転するよりも気を張っておかなくてはならない教育担当時代のお話をご紹介します。

新人運転士の教育は運転業務より疲れる

自分自身で運転しているときは、もちろん気を張りつめて運行します。事故を避け、塾生のトラブルを避け、何事もなく1日を無事終えることが「無事故」なのです。

しかし、新人運転士の教育では、運転しているときと同様の安全確認が必要です。さらに、車内の状況確認やバス停の確認、そこに新人運転士への説明も入ってきます。

送迎バスの新人運転士として配属されるのは、定年退職などを経た60代の方が多くいらっしゃいました。当時まだ30代前半だった私にとって、人生の先輩に対して安全に関わる厳しい指導を行うのは気を遣う場面も多く、どのように信頼関係を築くべきか手探りの状況が続いていました。

しかし、塾生の命を預かる以上、新人運転士に事故をさせるわけにはいきません。

そのため、教育担当となった私は、いつもより神経を張りつめて、マイクロバスの助手席に乗っていました。

翌日から一人乗務予定……しかし予知予見に不安があった

数日間、私が運転したり新人運転士に運転してもらったり、代わるがわるハンドルを持っていたときに私が感じたのは、予知予見の甘さでした。

教育期間も終盤となり、その日に問題なければ翌日から一人乗務をさせようと考えていたものの、おぼろげな不安が私の心の中に残っていたのです。その日、その予感は的中します。

台風が近づき風が強い悪天候のなか、最後の教習も終わりに近づいてきたとき、ふと歩道に視線を移すと歩行者が傘をさして歩いていました。

もちろん、歩道を歩いているため、わざわざバスの速度を落とす必要はありません。ただし、それは何もない状況であることが前提です。

その日は強い風が吹き荒れており、時折、突風が吹き荒れマイクロバスも横風を受けて、走行中に煽りを受けるほどでした。しかし、新人運転士は特に気にも留めていなかったのでしょう。

制限速度60km/hを維持して運行しています。

自分なら速度を落とすな……と考えていた私は、咄嗟に「速度を落として!」と新人運転士へ語気を強めて伝えていました。

新人運転士も驚いたのでしょう。慌ててブレーキを踏みます。幸い、マイクロバスは乗用車と同じ油圧式のブレーキです。

中型バスや大型バスのようにエアブレーキではないため、車内事故につながるような急ブレーキになることはありませんでした。

運転士に欠かせない「予知予見」が事故を防ぐ

新人運転士は、「なんですか?」と少し驚きつつも、ムッとしたような声色で私に聞いてきます。

そのとき、マイクロバスの前方で、突風によって飛ばされた傘が車道に転がってきたのです。

もし速度を落としていなかったら、傘を踏みつけたり、バスに当たって車体に傷が入ったりしていたかもしれません。

新人運転士は、傘を取りに来た歩行者の安全を確保するため、ハザードをつけて停車します。そして私に「なぜわかったんですか」と尋ねてきました。

しかし、実は当時の私にも、なぜわかったのかは不明でした。ただ、なんとなく「傘が飛んでくるかもしれない」と思っただけだと伝えると、驚いた表情をされたのを覚えています。

バスの運転士にとって、無事故で安全に運行するためには、予知予見が欠かせません。私自身が、バスの教習を受けたとき、徹底的に教わったことが事故防止の原点でした。

「車」を運転する以上は欠かせない事故防止

予知予見は、バスの運転だけでなく、自家用車でも欠かせない事故防止のポイントです。

当時の新人運転士は、「突風で傘が飛んでくることもある」ということを知り、「かもしれない運転」を徹底するようになりました。そのため、年齢の上限によって退職されるまで、無事故で勤めていただきました。

今は私もバス業務から離れ、運転するのは自宅の軽自動車です。しかし、大きな車から小さな車に変わっても、身につけた予知予見を活かしながら、事故を防ぐ「防衛運転」を意識しています。

ぜひ皆さんも、「大丈夫だろう運転」ではなく「危険かもしれない」と意識して、安全運転を心掛けてみてください。


ライター:Venus☆トラベル

近畿地方でバスの運転に関わる仕事に携わって約12年、多くの送迎バスを運転しました。幼稚園や自治体、企業や施設など、それぞれの場所で学ぶことが多くありました。その反面、運転士視点で感じた心の声をリアルにお届けします。


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