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乗客「隣の女性が不快なのでなんとかしてほしい」梅雨の機内で起きたトラブル。CAが誰も傷つけず“丸く収めた”方法とは…

  • 2026.6.13
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出典:photoAC ※画像はイメージです。

皆さま、こんにちは。大手航空会社で10年間、CAとして勤務しておりましたSAKURAです。

梅雨の時期は、湿気でヘアスタイルが崩れやすく、機内でも、身だしなみを整えるお客様をよくお見かけします。

しかし、飛行機という限られた空間では、その行為が周囲の方の不快感に繋がってしまうことも少なくありません。

「ご迷惑になるので」と、正論をぶつけることは簡単です。

しかし、お客様を傷つけず、お声をあげた方を特定されずに解決するにはどうすべきか。

今回は、「注意」というかたちにならずに、「提案」と「褒め言葉」という臨機応変なアプローチで事態を丸く収めたエピソードをご紹介します。

身だしなみを整えたい女性

それは梅雨の時期、ご旅行の方が多い、満席の国内線での出来事でした。

窓側の三席並びの座席に、若いカップルと、一人の男性客・A様が搭乗されていました。

真ん中の席にカップルの女性がお座りになり、搭乗中から熱心にお化粧直しをするご様子から、身だしなみに気を遣っていらっしゃることが窺えました。

しかし上空へ達した頃、突然、A様がキッチンへやってこられ、「隣の女性がずっと髪の毛をセットしていて不快なので、何とかしてほしい」と、私たちに告げられたのです。

見に行くと、カップルの女性は櫛とワックスを使い、何度も髪の毛を直していました。

雨で崩れた髪を整えたいのだと察しましたが、ワックスの匂いがあたりには漂っており、腕も隣に座るA様にあたりそうになっていました。満席の限られた空間では、周囲へのご迷惑となってしまいます。

「提案」に変えるお声がけ

すぐ隣にはお連れ様もいらっしゃる中で、女性のプライドを傷つけずにアプローチするにはどうすべきか。

私は女性の席へ行くと、周囲に聞こえないよう小さな声でこうお伝えしました。

「お客様、お化粧室が今ちょうど空いております。よろしければ、大きな鏡をお使いになりませんか?小さな鏡ではヘアセットも大変ですよね」

女性はハッとしたように「ありがとうございます」と恐縮され、すぐに化粧室へ向かわれました。

「混み合ってきた場合はノックさせていただきますね」という、私の先回りの一言もあり、あまり時間をかけずに出てこられた女性の髪型は、先ほどよりも綺麗にまとまっています。

私がさりげなく「とっても素敵です!完璧ですね!」と声をかけると、女性は嬉しそうに席へ戻られました。

それ以降、身だしなみを整える行為は見られなくなり、A様も安心されたご様子でした。

正論よりも、心に届くアプローチを

今回のような場合、「ご迷惑となっていること」を正論で注意してしまえば、それも一つの解決方法だったのだと思います。

しかし、それでは相手のプライドを傷つけ、その場に気まずい空気を残してしまったはずです。

プロとして大切なのは、相手の心情を察してより良い選択肢を「提案」し、寄り添うことなのだと確信しています。

「正論」の先にある「スマートな気配り」

マニュアル通りの「正論」より、相手の立場に立った臨機応変なアプローチで、誰も傷つけずにその場を丸く収める。

そんな「スマートな気配り」を、日常の中でも大切にしていけたら、私たちはよりよい人間関係を築いていけるのかもしれません。


ライター:SAKURA * 心を読む元国際線CA

日系大手航空会社にて10年間、客室乗務員(CA)として勤務。国内線・国際線を経験し、多種多様なお客様と接する中で「感情を読み解く力」を磨く。客室責任者としてVIP対応や後輩育成に携わる傍ら、社内の人材教育やグループ会社での業務にも携わり、多角的な視点から接客のあり方を見つめてきた。

現在は、その鋭い洞察力を活かし、言葉だけでない、「心理的・物理的アプローチによるクレーム回避術」を発信するライターとして活動中。国内線での細やかな気配りから国際線での難しい状況判断まで、現場での実体験に基づいた「心に届く接客のヒント」を言語化し、接客業にとどまらず、人と人とがよりよい関係を築けるサポートをしている。


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