1. トップ
  2. エンタメ
  3. 12年前の“朝ドラ”なのに…『あんぱん』や『ばけばけ』との共通点「思い出しちゃう」忘れられない【NHK連続テレビ小説】

12年前の“朝ドラ”なのに…『あんぱん』や『ばけばけ』との共通点「思い出しちゃう」忘れられない【NHK連続テレビ小説】

  • 2026.6.23

現在放送中のNHK連続テレビ小説『風、薫る』や、2025年の『ばけばけ』、同年の『あんぱん』を観ている際、たくさんの人が過去の朝ドラを思い出し、話題を呼んだ。それは、2014年に放送された『花子とアン』。同じキャストが出演していたリ、脚本家が同じという共通点が注目された模様。でも、12年前の朝ドラなのに、すぐに『花子とアン』が思い浮かぶとは、よっぽど印象が強い作品だったのだろう。

※以下、本文には放送内容が含まれます。

NHK連続テレビ小説・第90作『花子とアン』

「赤毛のアン」を翻訳した村岡花子をモデルにした朝ドラ『花子とアン』は、吉高由里子が主演、中園ミホが脚本を務めた。

山梨県の貧しい家に生まれ、東京の女学校で英語を学び、故郷での教師生活をへて翻訳家の道へ進んだヒロイン・花子。震災や戦争を乗りこえ、子供たちに夢と希望を送り届けていく。戦後、日本中の若い女性たちの心をつかんだ「赤毛のアン」は、花子にとって生きた証ともいえる作品。アンのように、明日を信じ、夢見る力を信じて生きた花子。明治・大正・昭和にわたる、その波乱万丈の半生記。
出典:NHKオンデマンド/『花子とアン』

SNSには「吉高由里子さんがハマり役だった」「吉高由里子さん、黒木華さん、土屋太鳳さんが三姉妹役なんて豪華すぎる!」といった声が。さらに、三姉妹の兄・吉太郎役は賀来賢人。今では主役級の俳優たちが、兄妹役で豪華共演していたのが忘れ難い。

吉高由里子と仲間由紀恵が演じた“腹心の友”

undefined
吉高由里子(C)SANKEI

山梨県・甲府の小作農家の長女として生まれた安東はな(吉高由里子)。彼女は、“はな”よりも“花子”と呼ばれたいと願っている。かよ(黒木華)と、もも(土屋太鳳)という2人の妹がいるが、姉妹の中で1人だけ女学校に進学。そこで、葉山蓮子(仲間由紀恵)と出会い、2人は“腹心の友”として強い絆で結ばれる。

“はなちゃん”と“蓮さま”と呼び合う2人。仲間が演じる華族の蓮子はとても美しく、はなと同じ気持ちで彼女に惹きつけられた視聴者が続出。SNSにも「蓮さまの大正ロマン風の着物スタイルは最高」といったコメントが並んだ。

『風、薫る』に仲間が出演した時、彼女が演じる和泉千佳子が華族だったため、『花子とアン』の蓮子を連想した視聴者から大反響が。「仲間由紀恵さんが再び華族を演じてる!」「蓮さまが現れたみたい」などの声が上がった。

その後、蓮子は25歳年上の“石炭王”嘉納伝助(吉田鋼太郎)と結婚するも、帝大生の宮本龍一(中島歩)と恋仲に。3人の関係は、朝ドラらしからぬ修羅場となり、視聴者の記憶に深く刻まれた。その後、『あんぱん』で吉田と中島が共演すると、「伝助と龍一に見えちゃう」「修羅場展開しか思い浮かばない」「当時を思い出しちゃう」など、視聴者は大盛り上がり。ここでも、『花子とアン』の存在の大きさが示された。『花子とアン』と『あんぱん』は、両方とも中園が脚本を担当したため、余計に共通点を見つけ、盛り上がったのだと思う。

恋愛パートがドラマチック

やがて、翻訳家の道へと進んでいくはなは、“安東花子”というペンネームを使うようになる。“村岡印刷”の二代目・村岡英治(鈴木亮平)と、紆余曲折を経て結婚した彼女は“村岡花子”に。『花子とアン』の恋愛パートは、蓮子はもちろん、ヒロインのロマンスも劇的だった。もともと英治には病床の妻がおり、惹かれ合う花子と英治の関係は、図らずとも実質不倫となってしまう。だが、英治の離婚が成立し、2人は結婚する。

花子には木場朝市(窪田正孝)という幼馴染みがいて、朝市はずっと彼女に片想いしていた。花子と英治が両想いなのを知ると、朝市は英治に彼女を幸せにするようにと伝える。そんな朝市は視聴者からの人気が高く、彼を好演した窪田は、2020年の朝ドラ『エール』に主演することに。劇中、朝市は教師になったが、「朝市に担任になってほしいし、英治さんを夫にしたい」など、どちらも捨てがたいという視聴者も。

英治の弟・村岡郁弥(町田啓太)もキュートなキャラクターで、注目を集めた。郁弥はかよに恋をし、積極的にアプローチ。だが、彼の運命は過酷なものとなる……。この役で、町田は一気に知名度を上げ、ファンを増やした。

2026年4月期のドラマに主演したキャストたち

『花子とアン』は、実在の人物を描いたドラマだが、中園脚本ならではのドラマチックな魅力にあふれ、花子をはじめ、登場人物1人1人が輝いていた。それゆえに、12年経っても、新たな朝ドラに『花子とアン』の片鱗を見つけては、本作を振り返りたくなるのではないだろうか。

ヒロインを演じ切った吉高は、10年後の2024年に、NHK大河ドラマ『光る君へ』の主演にも抜擢された。彼女はNHKのインタビューで、以下のように語っている。

当時のマネージャーさんの夢が、私を朝ドラのヒロインにすることで、今のマネージャーさんの夢が、私を大河の主演にすること。結果的に両方を経験させていただくことができ、マネージャーさんたちに私以上に喜んでもらえてとてもうれしかったですね。(『花子とアン』で)演じたのは『赤毛のアン』の翻訳者として知られる村岡花子さんをモデルにした役。本を読むのがとても好きで、物語の世界にのめり込んで入っていってしまうような、想像の翼の大きい人でした。英語で話すシーンが多く、セリフのことばかり考えてしまって感情のお芝居ができていなかったなと感じる場面もありました。先生に付きっきりで教えていただいたのはもちろん、英語が話せる鈴木亮平くん(花子の夫・英治役)は自分の出番がないシーンも心配して見守りに来てくれたりして、まるでお父さんみたいでした(笑)。
出典:NHKアーカイブス/吉高由里子インタビュー(抜粋)

夫婦役を演じた鈴木とのエピソードがほほ笑ましい。吉高は、朝ドラでも大河でも、主人公を等身大で快演しているようで、観ていて清々しい気持ちにさせてくれる。

吉高は、公開中の映画『黒牢城』でも活躍。鈴木は、主演映画『劇場版TOKYO MER〜走る緊急救命室〜CAPITAL CRISIS』が、2026年8月21日に公開予定。この映画には、賀来も出演している。黒木は『銀河の一票』、土屋は『ボーダレス〜広域移動捜査隊〜』、町田は『タツキ先生は甘すぎる!』と、それぞれ2026年4月期のドラマに主演。仲間、窪田、中島、吉田らも、出演作が途切れない売れっ子俳優だ。三姉妹役だけじゃなく、とにかくキャストが豪華だった『花子とアン』は、これからも度々思い出される朝ドラであり続けるに違いない。


出典:NHKアーカイブス/連続テレビ小説『花子とアン』<第90作>

ライター:清水久美子(Kumiko Shimizu)
海外ドラマ・映画・音楽について取材・執筆。日本のドラマ・韓国ドラマも守備範囲。朝ドラは長年見続けています。声優をリスペクトしており、吹替やアニメ作品もできる限りチェック。特撮出身俳優のその後を見守り、松坂桃李さんはデビュー時に取材して以来、応援し続けています。
X:@KumikoShimizuWP

の記事をもっとみる