1. トップ
  2. スポーツ
  3. 【ラグビー リーグワン プレーオフ】試合終了後に逆転!? ラグビーならではの衝撃展開と、優勝をかけた準決勝の見どころを紹介

【ラグビー リーグワン プレーオフ】試合終了後に逆転!? ラグビーならではの衝撃展開と、優勝をかけた準決勝の見どころを紹介

  • 2026.5.26

2025-26シーズンのリーグワン・プレーオフトーナメント準々決勝は、まさに“一発勝負”の怖さと面白さが凝縮された2試合となった。終了間際の劇的逆転で決着した東京サントリーサンゴリアス対リコーブラックラムズ東京。かたや、昨季決勝の再戦となったクボタスピアーズ船橋・東京ベイと東芝ブレイブルーパス東京の一戦は激しい肉弾戦に。そして、次なる舞台は5月30日・31日の準決勝へ。勢いに勝るのは準々決勝を勝ち上がってきた挑戦者たちか。それとも、シード勢のコベルコ神戸スティーラーズと埼玉パナソニックワイルドナイツか。

劇的すぎる決着! “東京”対決を制したのはサンゴリアス

5月23日、秩父宮ラグビー場で行われたプレーオフ準々決勝、第1試合。リーグ戦4位の東京サントリーサンゴリアスと、5位リコーブラックラムズ東京の一戦は、後々まで語り継がれそうな死闘となった。

ドラマの時間は試合終了間際。後半に怒涛の追い上げを見せたブラックラムズが残り2分で逆転。さらに、終了直前、ブラックラムズは反則を得てマイボールに。この瞬間、会場の誰もがブラックラムズの勝利を確信したはず。事実、“負ければ引退”のサンゴリアス・流大も「正直、最後は負けてしまうんじゃないかと思った」と試合後に胸中を明かしている。

画像1: ©︎ジャパンラグビーリーグワン

ブラックラムズはここでペナルティキックを選択。蹴る直前には試合終了を告げるホーンも鳴った。決まるか、ボールデッドになればノーサイド……となるはずが、まさかの展開へ。ブラックラムズ中楠一期のショットはポールを外れ、サンゴリアスの松島幸太朗がキャッチ。そしてここから、サンゴリアスの進軍が始まる。サンゴリアスは2度のペナルティを得ながら100mの距離を前へと運び、最後は森川由起乙がダイビングトライ。時間は83分43秒。“ラストプレー”を3分以上続け、ボールをつなぎ続けて逆転トライを決めたのだ。

画像2: ©︎ジャパンラグビーリーグワン

試合後、最後のペナルティはショットではなく、スクラムやラインアウトを選択すべきだったのでは……と、ラグビーファンの間で大きな議論が起きたほど。それでも賞賛すべきは、最後の1秒まで諦めずトライを目指したサンゴリアスの精神力だ。クラブスピリッツ「PRIDE、RESPECT、NEVER GIVE UP」を体現した結果と言える。

画像3: ©︎ジャパンラグビーリーグワン

準決勝第1試合:攻撃力の神戸スティーラーズにサンゴリアスが挑む

勝ち上がったサンゴリアスを準決勝で待ち構えるのは、リーグ戦1位のコベルコ神戸スティーラーズ。5月30日(土)、秩父宮ラグビー場でキックオフとなる。

スティーラーズの骨格を成すのは、ラグビー大国ニュージーランド代表「オールブラックス」トリオ。共同主将を務めるロックのブロディ・レタリック、NO.8のアーディ・サベア、センターのアントン・レイナートブラウンの3選手だ。また、チームを率いるデイブ・レニー ヘッドコーチも今季終了後にオールブラックスのヘッドコーチに就任することが決定。まさに世界を知るメンバーがチーム力を引き上げてきた。

なかでもレタリックは今季、17トライを決めてFW選手で初めてトライ王のタイトルを獲得。34歳(準決勝翌日に35歳)にして尚、トップレベルにある。

画像4: ©︎ジャパンラグビーリーグワン

レタリックとともに共同主将を務める日本代表の李承信は、「毎週の試合を通してチームとして成長できた。試合に出るメンバー、出ないメンバー関係なく、いい準備を重ねることができている」と、今季躍進の要因を語る。

その成長を促してきたのは、W杯経験者である39歳のスクラムハーフの日和佐篤らベテラン勢だ。彼らがチームを引き締めるとともに、今季10トライで新人王候補の22歳、上ノ坊駿介ら若い世代も台頭。チーム得点数750点・112トライはどちらもリーグダントツで、勢いに乗ったときのアタックは止める術がない。

一方のサンゴリアスは、準々決勝後に今季のリーグワン得点王、南アフリカ代表チェスリン・コルビのシーズン終了後の退団を発表した。世界最高峰のプレーを日本で観られるのも、あと2試合。今季での引退を表明している元日本代表の流大、中村亮土、垣永真之介らとともに有終の美を飾れるか。

画像5: ©︎ジャパンラグビーリーグワン

3連覇の夢を打ち砕いた、盤石すぎるスピアーズ

プレーオフ準々決勝、もうひとつの試合は、昨季プレーオフ決勝戦の再戦。3連覇を目指しながらリーグ戦6位と苦戦した東芝ブレイブルーパス東京と、リーグ戦3位のクボタスピアーズ船橋・東京ベイが激突した。

シーズン中は悪夢の7連敗に2度の完封負けと、王者らしからぬ戦いが続いたブレイブルーパス。それでも、「プレーオフは、その日に強ければいい」と語ったリーチ マイケル主将の姿勢通り、開き直った狼が今季最高とも言える守備を見せ、スピアーズの得点をなかなか許さない。前半を終えてスピアーズがリードながらも7対3と、ロースコアの展開になった。

だが後半、再三スピアーズの圧力に耐えてきた守備もついに決壊。頼みの綱のリーチも脳震盪で途中退場となり、最終的には26対3でスピアーズが勝利。ブレイブルーパスは試合終了直前、今季限りでの退団が決まっているオールブラックスの世界的司令塔リッチー・モウンガが単独突破からのランで秩父宮を沸かせたシーンが、日本のファンへの惜別プレーとなった。

画像6: ©︎ジャパンラグビーリーグワン

勝ったスピアーズ目線で見れば、相手に1トライも許さず、盤石な試合展開を見せた。なかでも出色のプレーだったのがフルバックのショーン・スティーブンソンだ。

後半だけでも、トライをアシストするキックパスに、得意のロングキックを活かしたカウンター「50-22」を決め、試合終盤にはトライを防ぐスティールと、攻守に渡って存在感を発揮。普段は冷静なスティーブンソンだが、このビッグプレーの際はそれぞれ感情を爆発させていたのが印象的だった。

「練習の成果でチームを救うプレーができた。まずはその喜びです。私たちはプレーオフで結果を出すためにハードワークをしています。このまま勝ち続け、去年届かなかった優勝を掴みたい。その決意があの表情に出たんだと思います」

画像7: ©︎ジャパンラグビーリーグワン

準決勝第2試合:激闘必至。ワイルドナイツの守備をスピアーズが崩せるか

5月31日(日)、秩父宮ラグビー場での準決勝第2試合は、2位通過の埼玉パナソニックワイルドナイツがクボタスピアーズ船橋・東京ベイを迎えての一戦となる。

過去4季のリーグワンで、ワイルドナイツは優勝1回、準優勝2回。スピアーズは優勝1回、準優勝1回。リーグを代表する2強が早くも準決勝で激突する。

ワイルドナイツといえば、リーグ屈指の安定した守備が魅力だ。ジャック・コーネルセンやベン・ガンター、ディラン・ライリーに長田智希など、日本代表選手たちが率先して誰よりも走り、チームカラーの青い壁を形成。毎年リーグ戦では2敗以上したことがなく、今季もリーグ最少失点の守備で16勝2敗の成績を収めた。ただ、キャプテン坂手淳史はその2つの負けにフォーカスする。

「シーズン中はいいことも悪いこともたくさんありましたが、印象に残っているのは2つの負けたゲームです。そこからチームがどう進んでいけるか。さらに成長した姿を見せていきたい」

今季レギュラーシーズンの直接対決では、32 対30でワイルドナイツが勝利。シーソーゲームの末、試合終了のホーンが鳴った時点ではスピアーズがリードしていたが、最後のワンプレーでワイルドナイツが逆転するという劇的展開。この準決勝も激闘必至だ。日本代表でも活躍するスピアーズのマキシファウルア主将は、この一戦をこう占う。

「セットプレーに強く、タレントも豊富なワイルドナイツとは、いつもフィジカルバトルになります。その肉弾戦にチャレンジして、やり切るだけです!」

勝って6月7日、国立競技場(MUFGスタジアム)の決勝戦に進むのか。敗れて秩父宮ラグビー場での3位決定戦に臨むのか。プレーオフトーナメントもいよいよ佳境だ。

【取材・文=オグマナオト】
ライター/構成作家。書籍執筆や構成、インタビューを手掛けるほか、テレビ朝日「報道ステーション」スポーツコーナー、プロ野球解説者YouTubeなどスポーツ番組での構成作家も担当。著書に『早稲田とスポーツ、覇者の150年』など。

元記事で読む
の記事をもっとみる