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岡本多緒、日本人初のカンヌ最優秀女優賞 『急に具合が悪くなる』ヴィルジニー・エフィラとW受賞

  • 2026.5.25
第79回カンヌ国際映画祭最優秀女優賞をW受賞した『急に具合が悪くなる』主演の(左から)岡本多緒、ヴィルジニー・エフィラ (C)Andreas Rentz/Getty Images Entertainment width=
第79回カンヌ国際映画祭最優秀女優賞をW受賞した『急に具合が悪くなる』主演の(左から)岡本多緒、ヴィルジニー・エフィラ (C)Andreas Rentz/Getty Images Entertainment

第79回カンヌ国際映画祭コンペティション部門の授賞式がフランス現地時間5月23日に行われ、濱口竜介監督作『急に具合が悪くなる』で主演を務めた岡本多緒とヴィルジニー・エフィラが、最優秀女優賞をダブル受賞した。日本人が同賞を受賞するのは史上初の快挙となる。岡本はエフィラと抱き合い、ときに言葉を詰まらせながらも「夢さえも超えています」と喜びを語った。

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今年のカンヌ国際映画祭コンペティション部門には、本作のほか、是枝裕和監督作『箱の中の羊』、深田浩司監督作『ナギダイアリー』の3作品が同時に出品を果たすという、25年振りの快挙を成し遂げ、開催前から話題に。

ワールドプレミアとなった公式上映後には、「見事!圧倒的な奇跡」(Variety)、「深く心を揺さぶる傑作」(The Hollywood Reporter)、「優しさと好奇心を讃える優雅な賛歌。強烈に胸を打つ。ヴィルジニー・エフィラと岡本多緒の演技が見事だ」(Screen Daily)、「濱口竜介作品の最高到達点。映画史において、ここまで徹底的に『希望』を信じさせる作品が他にあっただろうか」(IndieWire)など海外メディアの絶賛レビューが相次ぎ、熱い視線が注がれていた。

そしてコンペティション部門に出品された全22作のうち、本作主演のヴィルジニー・エフィラと岡本多緒がダブルで最優秀女優賞を受賞した。日本人での同賞受賞は史上初の快挙となる。

エフィラは「一生忘れられない、いや、永遠に心に刻まれる人生経験でした。この作品が成功している点、私にとって並外れた勇気を感じるのは、相反する二つのことを同時に考えられるところです。つまり、状況がいかに絶望的でも、それを変えることを諦めないこと。濱口竜介監督は常にそこを見つめていました。彼は私たちの最高の部分を見つめてくれて、その部分がより一層存在感を増していくんです。本当にありがとうございます」と感無量な様子でコメント。

岡本は「私が今日ここにいるのは、本当に素晴らしい監督のおかげです。そして、監督の脚本、演出、そして支えがあったからこそです。そして、私たちふたりだけでなく、スタッフ全員、そして出演者全員に対する愛と敬意がありました」と濱口監督を讃え、「こんな映画はそう多くありません。私たちのように出会うふたりの女性を描いた映画は、ほとんどないのです。まるで夢さえも超えています。私の期待をはるかに超えるものでした。心から感謝します」と熱く語った。

さらに今回の受賞を受け、共演キャスト、濱口監督、原作者の磯野真穂からコメントが到着。

濱口監督は「本当に素晴らしいです。ヴィルジニー・エフィラさんと岡本多緒さん、このおふたりこその映画だと思います。原作の宮野真生子さんと磯野真穂さんの魂を引き継ぐような形で、おふたりが演じてくださった」と噛み締めるようにコメント。

長塚は「ご一緒できた私も、誇らしく、幸せな気分ではち切れそうです。高らかに乾杯しましょう!」と喜びをあらわに。

黒崎は「お二人のお芝居は、本当にこれまで見たことのない表現で、日本語とフランス語、異なる言語の中で心を通わせながら芝居をされている姿に、撮影中も、そして完成した作品を観た時も、何度も胸を打たれました。言葉を超えて感情が伝わってくるお二人のお芝居に、俳優としてたくさんの刺激をいただきました」と賞賛。

原作者の磯野は「原作をお守りのようにしていたとおっしゃってくださった岡本多緒さん。フランス語に訳された原作を読み、さらには平仮名まで勉強をして演じてくれたヴェルジニー・エフィラさん。テキストを『生きる』お二人の演技が、原作の書簡の先にありえたかもしれない世界を垣間見せてくれました。静かで真摯で、華やかな演技をありがとう」と深い感謝を述べた。

映画『急に具合が悪くなる』は、6月19日公開。

※キャスト&監督&原作者のコメント全文は以下の通り。

<コメント全文>

■ヴィルジニー・エフィラ(マリー=ルー・フォンテーヌ役)

審査員の皆様、ティエリー・フレモーさん、ありがとうございます。そして、感謝と敬意、そして愛をすべて、濱口竜介さんに捧げます。映画の終わりに、私も涙を流したことを覚えています。私はこう言いました。「一瞬一瞬が喜びであり、光栄でした」と。

この場所に立った多くの方々が、これが「チームの力」によるものだと語っていましたが、まさに私たち全員も同じです。ここにいらっしゃる音響技師のピエールさんをはじめ、撮影中、常に「撮影のあらゆる瞬間に、私たちはこれを体験してきた」と私に言い続けてくれたスタッフの方々のことを思い出します。おそらく、私が常に「一体感」を最も強く感じ、竜介が私たちに「冒険」をさせてくれた時間だったのかもしれません。いや、「冒険」という言葉では小さすぎます。一生忘れられない、いや、永遠に心に刻まれる人生経験でした。

この作品が成功している点、私にとって並外れた勇気を感じるのは、相反する二つのことを同時に考えられるところです。つまり、状況がいかに絶望的でも、それを変えることを諦めないこと。濱口竜介監督は常にそこを見つめていました。彼は私たちの最高の部分を見つめてくれて、その部分がより一層存在感を増していくんです。本当にありがとうございます。

■岡本多緒(森崎真理役)

どうもありがとうございます。とても感動しています。皆さんが選んでくださったおかげで、私のような平凡な日本人女優が、今日こうしてここに立っていられます。私が今日ここにいるのは、本当に素晴らしい監督のおかげです。監督の脚本、演出、そして支えがあったからこそです。

ヴィルジニーがすでにすべてを語ってくれましたが、私たちふたりだけでなく、スタッフ全員、そして出演者全員に対する愛と敬意がありました。毎日、撮影現場でその愛を感じることができたのは素晴らしい経験であり、この道を歩み続ける勇気を与えてくれました。私たちふたりを選んでくださったことに、心から感謝します。

本当に信じられないことです。こんな映画はそう多くありません。私たちのように出会うふたりの女性を描いた映画は、ほとんどないのです。まるで夢さえも超えています。本当にありがとうございます。私の期待をはるかに超えるものでした。心から感謝します。

■長塚京三(清宮吾郎役)

ヴィルジニー、多緒さん、やりましたね。素晴らしい!世界最高峰の受賞。ご一緒できた私も、誇らしく、幸せな気分ではち切れそうです。高らかに乾杯しましょう!

■黒崎煌代(窪寺智樹役)

女優賞のご受賞、誠におめでとうございます!受賞の知らせを聞き、感動するとともに、心から納得いたしました。

お二人のお芝居は、本当にこれまで見たことのない表現で、日本語とフランス語、異なる言語の中で心を通わせながら芝居をされている姿に、撮影中も、そして完成した作品を観た時も、何度も胸を打たれました。言葉を超えて感情が伝わってくるお二人のお芝居に、俳優としてたくさんの刺激をいただきました。改めまして、この度のご受賞を心よりお祝い申し上げます。

■濱口竜介(監督)

本当に素晴らしいです。ヴィルジニー・エフィラさんと岡本多緒さん、このおふたりこその映画だと思います。原作の宮野真生子さんと磯野真穂さんの魂を引き継ぐような形で、おふたりが演じてくださった。それをカンヌ国際映画祭が評価してくれたのだと思います。本当に嬉しいです!

■磯野真穂(原作)

原作をお守りのようにしていたとおっしゃってくださった岡本多緒さん。フランス語に訳された原作を読み、さらには平仮名まで勉強をして演じてくれたヴェルジニー・エフィラさん。テキストを「生きる」お二人の演技が、原作の書簡の先にありえたかもしれない世界を垣間見せてくれました。お二人のさらなるご活躍を心から祈っています。静かで真摯で、華やかな演技をありがとう。

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