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【豊臣兄弟!】ついに藤吉郎(池松壮亮)が城持ち大名に! 大胆な演出やクセ強キャラ・藤堂高虎(佳久創)からも目が離せない

  • 2026.5.15

【豊臣兄弟!】ついに藤吉郎(池松壮亮)が城持ち大名に! 大胆な演出やクセ強キャラ・藤堂高虎(佳久創)からも目が離せない

2026年のNHK大河ドラマ「豊臣兄弟!」。今まであまりスポットライトの当たることのなかった豊臣秀長を主人公に、戦国時代がどう描かれるのか? ここでは、ストーリー展開が楽しみな本ドラマのレビューを隔週でお届けします。今回は、第17回「小谷(おだに)落城」と第18回「羽柴兄弟!」です。

第17回「小谷落城」

今回の大河ドラマもいよいよ前半のクライマックスに差し掛かってきた。第17回のタイトルはそのまま「小谷落城」。義兄である織田信長(小栗旬)を裏切って反旗を翻した浅井長政(ながまさ/中島歩)の居城・小谷城が落ちる、そのエピソードだ。

いつもと異なり、テーマ曲もなく、キャスト名などのクレジットが映像に重なって静かに流れるだけのオープニングに、やや緊張感が走る。そして、よくこれだけの内容がこの1回に詰め込めた!と思うほど、疾走感のある怒涛の展開である。歴史の授業で学んだように、ことの顛末は知っている私たち視聴者ではあるが、今回の作品ではそれがどう描かれるのか、そこが気になるところだ。

自分のもとを離れていった明智光秀(みつひで/要潤)にまだ恋々としていた足利義昭(よしあき/尾上右近)だったが、今度は甲斐(山梨県)の大名・武田信玄(高嶋政伸)のもとを、従者に身をやつして訪れ、織田信長討伐をもちかける。「わしは織田信長のことが好かぬ! 武田信玄、織田信長を討ち平らげよ。わしはまことの将軍になりたいのじゃ」

信玄は織田との盟約を破ることはできないと一旦は断るが、度重なる説得を受け、ついに義昭とともに出陣することを決意する。

元亀3(1572)年10月、信玄は総勢2万5000の軍勢を率いて遠江(とおとうみ/静岡県西部)への侵攻を開始、12月には、三方ヶ原(みかたがはら)の戦いで、織田と同盟を結ぶ徳川家康(松下洸平)と対戦し、相手方を破った。義昭はこの勢いに乗って京都・二条御所で挙兵し、信長勢は劣勢に追い込まれるに至った。

しかしそんな武田軍に、思いもかけぬ出来事が襲いかかる。信玄が急死してしまうのだ。武田勢はしばらく信玄の死を伏せたまま、甲斐に引き上げていく。元亀4(1573)年春、その知らせが入ると、信長は7万の軍勢を率いて京へ向かい、二条御所を制圧した。そして、義昭が逃げ込んだ山城(京都府南部)の槇島(まきしま)城に入った。その信長のもとに引き出された義昭は、高い位置から自らを見下ろしている信長を見据えて、高ぶる気持ちを抑えるように声をかける。「久しいのう、信長」

しかし、信長は表情を変えぬまま、ただこう告げるのみだった。「お命を取るつもりはありませぬ。手前が将軍になるつもりもありませぬ。京を離れていただきます」

「光秀はどうしておる?」と尋ねる義昭だったが、それにも信長は一言、「十兵衛(=光秀)は、もう我がものにございますゆえ」と言い放つのだった。

そして、場面が二条御所に変わると、信長の命を受けて、ほかの家臣たちとともに二条御所を打ち壊す光秀の姿があった。庭には義昭が刀の稽古をしていた藤戸石があった。光秀は万感の思いをもって、その石に刀を振り下ろすのだった。

義昭は京を追放され、それを藤吉郎(池松壮亮)と小一郎(仲野太賀)は見送る。義昭は二人に出会ったときのことを思い返し、「おぬしらに始まり、おぬしらに終わるか」と呟く。そして以前、小一郎に言われた「豊作の世にしてくだされ。無様でも生き延びてくだされ」という言葉を、改めてかみしめていた。ここに十五代続いた室町幕府は終焉を迎えた。

そして天正(てんしょう)と改元された8月、信長は虎御前山(とらごぜんやま)に陣を構え、朝倉・浅井攻めにとりかかった。朝倉義景(よしかげ/鶴見辰吾)は、浅井が動くまで自分たちは動かないと宣言するが、そこへ大嶽(おおづく)砦が信長の手に落ちたという知らせが入る。朝倉勢は一乗谷へ引き揚げようとするが、それを見越したかのように織田軍が背後から攻めてきた。しんがりを任された斎藤龍興(たつおき/濱田龍臣)は必至に抵抗するも、織田の勢いに押されてしまう。

進退窮まった義景は賢松寺に逃げ込んでいたが、愛する一乗谷が信長の手に落ちるぐらいならば、その前に自分の手で滅ぼそうと、朝倉景鏡(かげあきら/池内万作)に火を放つことを命じる。そこには家臣の家族やたくさんの民がまだいるといって反論する景鏡に、義景は、このまま織田の慰みものになるぐらいなら、自分が滅ぼすと言って聞かない。そんな義景の首を景鏡は背後から斬り落としてしまうのだった。

朝倉の援軍を失った浅井勢は、小谷城に籠城して抵抗を続けたが、織田勢の勢いの前にはもはやなす術もなかった。浅井久政(ひさまさ/榎木孝明)も自害。残るは長政がいる本丸のみとなった。

信長の前に、藤吉郎が進み出る。「殿、畏れながらこのサル、一生のお願いがございます!」すると小一郎も黙ってはおられず、やはり進み出る。「奇遇じゃのう兄者。この弟サルめも同じにござりまする」。すると柴田勝家(かついえ/山口馬木也)も現れて、「この権六もたっての願いがござりまする!」と申し出た。皆、思うことはひとつ、信長の妹・市(いち/宮﨑あおい)と娘たちのことだった。

3人は浅井に出向き、軍勢との交渉は勝家に任せた藤吉郎と小一郎は、長政と市のもとに向かう。藤吉郎と小一郎は、信長が、長政が市を守るために朝倉と手を組み、信長を裏切らざるを得なかったことをわかっている。ついては、幼い3人の娘も連れて一家で織田に戻ってこいと仰せだと伝える。しかし、長政は首を縦には振らない。そして、市にこう言うのだった。「織田信長と戦い、あと一歩というところまで追いつめたこと、わしは誇りにしている。だからわしは、そなたとは生きてはいけぬ。ここで終わらせてくれ」

「私もお供いたします!」という市に、長政はこう返す。「ならぬ。そなたにはまだやらねばならぬことがあろう」

小一郎は、生きたくても生きられない者もいるのに、なぜ命を自ら落とさねばならないのか、「侍の誇りがなんじゃ! 生きてくだされ」と長政に切願すると、「わしとおぬし、どちらが正しいか答えを出そう。勝負をしよう」と言って、長政は二人と相撲を取ってみせる。

しかし、兄弟は長政に負けてしまう。相撲を取る間、長政の脳裏には、かつて信長と相撲を取って笑いあったときのことがよみがえっていた。「ありがとう。わしのためにここまでしてくれて。最後に会えたのが、二人でよかった。市と二人にしてくれ」

市と二人きりで向き合った長政は、手作りのお守りを市に渡す。「これを茶々たちに。お守りだ。そなたのようなよき姫に育ててやってくれ。市、いつまでもそなたらしく強く生きてくれ。わしはそんなそなたが大好きであった」

一人になった長政は、庭で脇差を腹に突き刺す。一方、市は部屋に兄弟たちと残された。そのとき、小一郎が突然、以前、途中になってしまった物語の続きを市に語って聞かせ始める。溺れた姫を救いたいために、湖の水をすべて飲んでしまった大男の話である。救った姫を抱きしめたい大男だったが、飲んだ水で膨れた腹が邪魔になって抱きしめられない。大男は結局、自分の腹に針を刺して水を抜いたところ、その水が天に上って、大男は月になったという筋である。物語を聞く市の目からは、涙がとめどなくあふれてきた。「私はいつも思っていたのです。兄上が太陽なら、殿は月じゃと」。そして、兄弟のもとに歩み出ると、決然としてこう言うのだった。「刀を。頼む」

切腹した長政は、死にきれずに苦しんでいた。そこへ、刀を持った市が現れる。「すぐに楽にして差し上げまする。私は変わりませぬ。いつまでもあなた様をお慕いしておりまする」。介錯した市の顔に長政の返り血が飛び散る。実に壮絶な幕切れだった。

これまでにないような大胆な脚色だが、この夫婦ならそういうこともあり得たかもしれないと思わせるところが、この作品、市のキャラクターにはある。小一郎たち兄弟の絡み方にもいろんな意見があるだろうが、心が温かくなるエピソードが繰り広げられていて、史実がどうであったかも、気にならなくなるような力があるところがいい。

第18回「羽柴兄弟!」

いよいよ藤吉郎が城持ち大名になるところまで来た。朝倉・浅井を討った信長は、その後、長篠の戦いで武田を破り、勢力を拡大。近江坂本城を拠点とする明智光秀、若狭の丹羽長秀(ながひで/池田鉄洋)など新たな武将たちが頭角を現し、織田勢はますます勢いを増していった。

そして、藤吉郎も羽柴筑前守(はしばちくぜんのかみ)秀吉と名前を変え、織田家の家老にまで上り詰め、とうとう浅井長政の領地である北近江を与えられ、長浜城を築いた。信長に仕えて20年、ようやく城持ち大名になったのだった。また小一郎も羽柴の姓を与えられ、その名を羽柴小一郎長秀と改めた。

世代交代は確実に進み、寧々(ねね/浜辺美波)の父、浅野長勝(ながかつ/宮川一朗太)が他界し、その位牌を拝みたいといって、母方の親戚の、加藤虎之介(伊藤絃)と福島正則(まさのり/松崎優輝)がやってくる。自身も両親の実の子ではなかったという寧々だが、子を産むことはできなくとも、この子たちの母として育てることはできると彼らに目を細めながら、その決意を語るのだった。

また岐阜城には、市と3人の幼い娘・茶々(ちゃちゃ)、初(はつ)、江(ごう)が長政の死から2年を経て、移り住むことになった。「わしが怖いか」と伯父・信長に聞かれた茶々は、父の形見のお守りを忍ばせた懐をぎゅっとつかんで、「怖くありませぬ。茶々はそんな弱虫ではござりませぬ」と凛として答えるのだった。長政を救えなかったことを詫びる信長に、市もまた決然としてこう答えた。「おやめください。私はこの手で長政殿を介錯したとき、心を決めたのです。行くも地獄、戻るも地獄。ならば前に。あの子らが同じ思いをせずにすむ世を、兄上が作ってくだされ」

ある日、城下の検分を小一郎が行っていると、橋が傷んでいるから直してほしいとの苦情を民から受ける。そこへ、「盗人じゃ!」という声がして見ると、大男(佳久創)が逃げていくのが目に入った。それは、姉川の戦いで見たことのある浅井軍の侍の一人だった。盗った、盗ってないでもめて、結局のところ、「自分は盗人から取り返しただけだ」と言ってその男は、その盗人を殺したと言い、血染めの金袋を持ち主に返した。小一郎は、その男が橋を渡れば逃げられたものを、なぜ逃げなかったのかと聞くと、橋脚が傷んでいると思ったという答えを聞いて驚く。男は藤堂高虎(とうどうたかとら)と名乗り、浅井が滅んでからの2年間、転々としていたと言う。そして「城勤めの者だ」と名乗った小一郎に、「家臣にしてほしい」と頼み込む。

越前一向一揆から戻った秀吉のもとを、竹中半兵衛(はんべえ/菅田将暉)が訪ねてくる。半兵衛は、城の自慢をする秀吉に、「地の利を生かした立派な城だ」と褒めながらも、しかし「肝心なものが足りておりませぬ」と苦言を呈する。それは「子飼いの家臣」であるというのだ。「それが一代で上り詰めた羽柴殿の弱みでござりまする。戦場においても国造りにおいても、信用できる有能な家来を召し抱えるのです」。半兵衛は「若き才を」求めたほうがよいと進言する。

そこで秀吉たちは、「家臣を決める試験」を行うことに。本当にこんなことが行われたのか否か、そこはよくわからないが、「家臣に必要な条件」とは何なのか、それがこのことを通じて何となくわかってくるのが面白い。

試験は「一ノ関」「二ノ関」「三ノ関」まであって、最終的に召し抱えられるのは3人だ。秀吉は、自分は百姓出身であるため、身分にはこだわらないと告げた。受験者の中には、先日の藤堂高虎、片桐且元(かつもと/長友郁真)、平野長泰(ながやす/西山潤)、石田三成(みつなり/松本怜生)らもいた。一ノ関は槍の試験。二ノ関は積まれた米俵が、籠城した場合に何日もつかという計算。そして三ノ関が、寺で座禅を組んでいるときに、まやかしの火事の煙が充満してきたときにどういう行動をとるかを見るものであった。

最終的に、その場、その場で光る才覚を発揮した藤堂、片桐、平野、石田の4人が残った。しかし、召し抱えられるのは3人まで。秀吉は、「おぬしらで決めろ。調略せよ」と命じる。最終的に、三成の申し出で、三成と高虎の禄が1人分でいいので、4人召し抱えてほしいと頼んできた。

しかし、秀吉は今回は3人だと言って、高虎以外の3人に決める。立ち去ろうとする高虎に、秀吉は声をかける。「待て。そういう気の短さがお前の短所じゃ。お前は小一郎の家臣となれ」

なぜ自分を……と問う高虎に、小一郎は、過日、橋が壊れることを見越して、ほかの者が川に落ちてはいけないと考えて逃げるのを止めた高虎の思慮を褒めてこう告げる。「お前は気が短いが、いざというとき、人を助けることのできる男じゃ。わしにとっての初めての家臣じゃ。よろしゅう頼むぞ、高虎」

祝の宴の席でなか(坂井真紀)は、二人の息子に言うのだった。「あんたらならできる。いや、あんたらだからこそできるんだ。だって、あんたらはずっと向こう側にいたんじゃないか。あの頃、あんたらがいてほしかったと思うようなお大名になりんさい」

信長の家臣から、いよいよ一国一城の主へと歩を進めた秀吉と、それを支えてますます活躍の場が広がる小一郎。これから彼らの国造りの物語に拍車がかかって進んでいくのが楽しみだ。新しい時代の新しい世の中を、どう作っていくのか。百姓の心を忘れずに進めるのか。理想だけでは解決できないときに、果たしてどういう選択をしていくのか。それをどう視聴者に、説得力を持って見せてくれるのか。ぜひ注目していきたい。

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