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日本人の孤独感が「過去40年間で上昇している」と判明

  • 2026.4.30
Credit: canva

「最近、なんとなく人との距離が遠くなった気がする」

そんな感覚を持ったことはないでしょうか。

実はそれは、単なる個人の問題ではなく、日本社会の抱えている問題かもしれません。

中央大学の最新研究で、日本人の孤独感がこの40年間で実際に上昇していることが明らかになったのです。

研究の詳細は2026年4月14日付で心理学誌『Frontiers in Psychology』に掲載されています。

目次

  • 40年分のデータが示した「静かな変化」
  • 増えているのは「誰の孤独」なのか

40年分のデータが示した「静かな変化」

本研究の特徴は、「時間横断的メタ分析」と呼ばれる手法を用いている点です。

これは、異なる年代に行われた複数の研究結果をまとめ、時代による変化を検証する方法です。

研究チームは、1983年から2023年までに日本で実施された研究のうち、最終的に81件・約5万人分のデータを統合しました。

その結果、孤独感の得点はこの40年間で有意に上昇していることが確認されました。

これまで「日本社会では孤独が深刻化している」と言われてきましたが、それを長期データで裏付けたのは本研究が初めてです。

また、孤独感は単なる気分ではなく、健康にも深く関係しています。

精神的な不調だけでなく、身体的健康や寿命にも影響することが知られており、世界保健機関も孤独を重要な公衆衛生上の課題と位置づけています。

つまり今回の結果は、日本社会全体の健康リスクの変化を示すサインとも言えるのです。

増えているのは「誰の孤独」なのか

さらに詳しく見ると、孤独感の増加には偏りがあることが分かりました。

まず年齢別では、特に青年期で孤独感が上昇していました。

一方で、成人や高齢層では明確な増加は確認されていません。

つまり、日本の孤独問題は「若者中心」に進行している可能性があります。

性別では、男性はもともと孤独感が高い傾向にあるものの大きな変化は見られませんでした。

それに対して女性では、近年にかけて孤独感が上昇していることが確認されました。

これは、社会進出やライフスタイルの変化など、女性を取り巻く環境の変化が影響している可能性が考えられます。

さらに興味深いのは、孤独感が社会の変化と連動している点です。

単身世帯の増加や婚姻率、経済状況、インターネットの普及といった社会指標と、孤独感の変化が関連していました。

つまり孤独は個人の性格の問題ではなく、社会構造の変化の中で生まれている現象だと考えられます。

また、新型コロナウイルスの流行期には孤独感がさらに高まっていたことも確認されており、社会的な分断や接触制限が孤独を増幅させることも示唆されました。

今回の研究は「日本人は昔より孤独になっているのか」という問いに対して、初めて明確な答えを示しました。

それは「はい、しかも特に若者と女性で顕著に」というものです。

孤独は個人の問題ではなく、社会の変化とともに広がる現象です。

だからこそ、この“見えにくい変化”にどう向き合うかが、これからの日本社会に問われているのかもしれません。

参考文献

日本社会の孤独が40年間にわたり上昇 ―国内初・1983年から2023年を対象とした時間横断的メタ分析―
https://www.chuo-u.ac.jp/aboutus/communication/press/2026/04/85558/

元論文

Increasing loneliness in Japan, 1983–2023: a cross-temporal meta-analysis
https://doi.org/10.3389/fpsyg.2026.1824941

ライター

千野 真吾: 生物学に興味のあるWebライター。普段は読書をするのが趣味で、休みの日には野鳥や動物の写真を撮っています。

編集者

ナゾロジー 編集部

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