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2026年は進化系ベーグルがトレンド! 今行くべき東京の専門店4選

  • 2026.4.27
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ヘルシーだけど、ちょっと硬くて地味というベーグルのイメージは、もう過去のもの。世界各国のルーツを吸収しながら、日本独自の繊細な感性で磨き上げられた「ジャパニーズベーグル」のすごさとは? パン好きなら知っておきたいベーグルのルーツから、一度は食べたい最新ベーグルの世界へとご案内。

Photo TERUAKI KAWAKAMI

Getty Images

知っておきたいベーグルのルーツ

パンの中でもベーグルの歴史は興味深い。ベーグルの起源として最も有力なのは14~17世紀頃のポーランド。中世ドイツのプレッツェルがポーランドに伝わり、ユダヤ人の食文化と融合して進化したといわれている。当時、ユダヤ教では安息日にパンを焼くことが禁じられていたが、事前にゆでて安息日明けに素早く焼き上げることができるベーグルは、保存がしやすくかつ安価。おいしい上に腹持ちもいいと庶民の糧として人気を博した。その後ベーグルはユダヤ系移民とともに世界へ渡り、各地の文化を吸収して進化していった歴史がある。

世界の4大ベーグルはこちら

NY…もっとも有名なのがNY。麦芽を使った低温長時間発酵の生地で、大ぶりで外はカリッ、中は弾力の強いむぎゅむぎゅ食感が特徴的。燻製や塩漬けといった加工処理されたサーモン、通称ロックスをクリームチーズ、スライスオニオン、ケーパーと一緒にベーグルに挟んで食べる。

モントリオール…カナダのモントリオールのベーグルはNYのものに比べてやや薄く、はちみつを入れたお湯でゆでる。薪窯で焼くため、香ばしさと独特の密度があり、セサミをたっぷりまぶしたものが人気がある。

ロンドン…伝統的な東欧スタイルを色濃く残す。密度のある生地のベーグルに、塩漬けの牛肉(ソルトビーフ)とピクルスを挟んだものが定番で、ロンドンっ子のソウルフードとなっている。

トルコ…どんぴしゃベーグルではないけれど、親戚のようなポジションにいるのはトルコのシミット。こちらはゆでる代わりにはちみつに浸して焼く。細いリング状で、表面を覆い尽くす白ごまが圧巻。

上 SATOSHI FUKUDA, 下 TERUAKI KAWAKAMI

日本ならではの「深化」と「ベー活」

そんな世界を巡ってきたベーグルだが、日本での発展はとくに目覚ましい。最大の功績は米食に通ずるもちもち食感の追求だ。国産小麦や天然酵母の活用により、しっとりとしていながら、引きが強いという絶妙な食感のコントラストが生まれることに。

さらに生地の中に具材をたっぷり入れて焼き上げる「巻き込み系」や、和素材を使った「ハイブリッド系」なども誕生。写真のような「断面萌え」なフルーツサンドのベーグルも記憶に新しいのでは?

そして、そんな日本のベーグルもさまざまなベクトルに向かって深く進化し続けている。今すぐベー活したい4軒をチェック。

TERUAKI KAWAKAMI

【池ノ上】AsAベーグル

あれもこれもベーグル⁈ 超・進化系に出合える新店

コロネやマリトッツォなど、一見ベーグルに見えないベーグルで注目を集めているのは、2025年12月にオープンした「AsAベーグル」。オーナーの藤井麻子さんは、これまで夫と共に和菓子ブランドを運営してきた。キッチンの移転を機に「プライベートで大好きだったベーグルの店を開きたい」と、スペースの半分をベーグル店に変えてオープン。

店に入ってまず驚くのは品数の多さだ。20から25種類、1日で800から1000個を焼き上げる。「お客さまがいつ訪れても飽きないように工夫した結果です」と笑う藤井さん。

「私がいちばんお店に来るのが早くて、朝の1時半くらい。プレオープン当初はシンプルなベーグルを中心に作っていたのですが、意外性のあるものを作ったときのお客さんの反応がよくて、ちょっと変わったものがどんどん増えていきました」

おすすめ1「coffeeコルネベーグル」¥400(左)

こんなベーグルもあるんだ! と驚かされるのがこちら。型に巻き付けてゆでた生地は、むっちりとした食感。コーヒー牛乳を思わせる、どこか懐かしくやさしい風味のミルククリームが、かみしめるほどに生地と溶け合う。

おすすめ2「M・C・B」¥450(右)

メープル・チーズ・ベーコンの頭文字を取った「M・C・B」は、藤井さんの夫の好物である甘じょっぱい組み合わせをベーグルに落とし込んだ人気商品。パンケーキにカリカリのベーコンをのせ、メープルシロップをかけて食べる朝食に着想。

TERUAKI KAWAKAM

進化系とはいえ生地はすべて卵、牛乳、バターは使わず、ベーグルの行程で必要なケトリング(生地をゆでること)も行っている。「中に団子を巻き込んだ菓子系ベーグルにはほどよい引きのあるモチモチの生地が合いますし、ロックスなら歯切れがよく軽いフワフワの生地が合う。フィリングごとに生地のもちもち感や歯切れのよさを変えています」

NYで食べたジャンクフードからイタリアン、韓国料理まで、外食で面白いなと思った食材の組み合わせがインスピレーションになることが多い。

「従来のベーグルは普通のパンよりもヘルシーなイメージがありましたが、そこを少しジャンクにするのが面白い、うちらしいと思っています。毎日食べたくなる、ちょうどいいベーグルになれたらうれしいです」。自由な発想でベーグルの新時代を切り開く一軒。

おすすめ3「AsAメルト」¥980

各日30点限定で販売するホットベーグル。オーダーが入ってからオムレツやベーコンを焼き、5種類のチーズとサンド。半分に割ればチーズがびよーんと伸び、背徳感たっぷり。ふかっと軽い生地にマッチしている。

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AsA Bagel

住所/東京都世田谷区北沢1-8-2 ハイホーム桐山 103
電話番号/03-6456-8882
営業時間/10:00~16:00
定休日/月~木曜
インスタグラム/@asa_ikenoue_bagel

TERUAKI KAWAKAMI

【初台】チクパルベーグル

JAPANベーグルの立役者のニューステップ

「チクパルベーグル」の店主・小林千絵さんは、パティシエとして10年のキャリアを積んだ後、ベーグルの可能性に魅力を感じてこの世界へ。「当時(2009年)はまだ都内にもベーグル専門店が数店舗しかなく、まだベーグルという食べ物を一般の方は知らない時代でした。パティシエとしての技術と知識を新しいカテゴリーで生かせると思ったんです」と小林さん。

代々木公園の名店「テコナ ベーグル ワークス(以下テコナ)」の創業時から16年間、その味を守り続けてきたが、「テコナ」の運営体制の変更により自身の店を開くことを決意。2025年8月、初台の商店街の入り口に「チクパルベーグル」をオープンした。

コンパクトな店舗に50〜60種類のベーグルがぎゅうぎゅうに詰まった光景は圧巻。それらすべてが、生地の食感「もちっと」「ふかっと」「ぎゅっと」の3タイプで分けられている。

おすすめ1 ぎゅっと「角切りハムと枝豆粒マスタード」¥395(上)

「ホシノ天然酵母」を使い、じっくり熟成させた「ぎゅっと」生地。かむたびに重厚な弾力とともに小麦の芳醇な香りが鼻を抜ける。力強い生地に合わせたハムと枝豆のコンビネーションが唯一無二。

おすすめ2 もちっと「クランベリーみるく」¥405(中)

ホワイトチョコレートがクランベリーの甘酸っぱさを引き立てる人気商品。「もちっと」生地のベースとなるのは、丁寧にかけ継がれた自家製酵母。なめらかでかむほどに小麦のやさしい甘みを感じるはず。「ふかっと」の「クランベリーみるく」もあるので、食べ比べてみて。

おすすめ3 ふかっと「いちご有機あんこホイップ」¥475(下)

いちごの果汁を練り込んだ歯切れのよいふかっと生地の中に、甘さ控えめに炊いた粒あんとホイップクリームをイン。生地に対して具の量が多めでスイーツのような満足感が得られるはず。

TERUAKI KAWAKAMI

「香りの抜け方や、トッピングの歯触りまで計算して生地を作っています。例えば『赤みそ大葉チーズ』には、味噌のコクに負けないかみ応えのあるぎゅっとの生地を。一方、柔らかなクリームチーズ系には、アールグレイが香るソフトなふかっと生地など。生地、具材、トッピングを全体とする考え方は、パティシエ時代に培った、ひとつのケーキを作る感覚に似ているかもしれません」

小林さんのモットーはベーグルを日本の日常食にすること。その願いは「テコナ」時代から変わらない。「目指すは街に根差した普通の店。ベーグルが特別な食べ物ではなく、あるとちょっと日常が楽しくなる。そんな気軽さでうちのベーグルを食べてもらえたらうれしいです」。一口かじれば、緻密に計算された味の重なりに、きっと笑みがこぼれるはずだ。

おすすめ4「きんぴら&クリームチーズサンド」(ハーフ)¥385

「何に出合えるかはその日のお楽しみ」という日替わりサンドイッチ。この日は、ふかっと生地の「くるみプレーン」にきんぴらとクリームチーズをたっぷりサンド。シャキシャキとしたきんぴらの甘じょっぱさに、クリームチーズの爽やかな酸味が相性抜群。

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チクパルベーグル

住所/東京都新宿区西新宿4-41-10
電話番号/03-3377-9941
営業時間/10:00~売り切れ次第終了
不定休
インスタグラム/@chikupal_cobayashichie

TERUAKI KAWAKAMI

【参宮橋】グリズベーグル

現役パティシエが手掛けるサプライズのあるベーグル

参宮橋「グリズベーグル」の店主、中島理恵さんも製菓にルーツを持つ人物。幡ヶ谷のパティスリー「CONCENT」でケーキを作りながらベーグルを不定期で販売したところ予想以上に反響が大きく、2024年に同店を立ち上げた。

素材への柔軟なアプローチと目を引くルックスは現役パティシエならでは。ベーグルに切れ込みを入れ、間にたっぷりとピーナツバターを塗り込んだ「自家製ピーナツバター」は、はちみつの入ったスポイトがぶすっと刺さったインパクトのある一品。最近パティスリーで見かけることが多い、ソースやリキュールを食べる直前にかけるアイデアを採用している。

生地に使う小麦粉は北海道美瑛産の「ゆめちから」が中心。そこに少量のライ麦を加え、低温で長時間発酵させることで奥行きと力強いうま味を引き出している。はちみつを加えたお湯でゆでること1分間。中島さんが理想とする、もっちりと引きの強い食感が生まれる。

ラインナップは、シンプル系から食事系、おやつ系まで幅広い。特に「ごちそうベーグル」と位置づけるメニューには、専用のディップソースを添えるなど、ベーグルひとつで完結する“一皿の料理”のような満足感にこだわっている。

おすすめ1「タンドリーチキン」¥740(上)

店で人気の「ごちそうベーグル」のひとつ。自家製のギリシャヨーグルトとスパイスに1日漬け込んで作った、しっとりやわらかなタンドリーチキンを巻き込んでいる。ディップのマンゴーチャツネソースももちろん手作り。

おすすめ2「自家製ピーナツバター」¥550(下)

もちっとした食感の生地にたっぷりと塗られたピーナツバターの香ばしさとザクザク食感に魅了される一品。国産の落花生をオーブンで焼き、油分を見ながらグラインダーでていねいに挽いている。はちみつをたっぷりかけて召し上がれ。

TERUAKI KAWAKAMI

中島さんが思うベーグルの魅力とは?「特に日本のベーグルならではと思うのは、巻き込みや練り込みで味を表現できるところ。具材をあとから足すだけではなく、生地そのものに味を抱かせるような作り方ができるので、表現の幅がとても広い。見た目だけでなく、一口目から最後まで一体感のある味にできるところが面白いと思っています」

マカダミアの食感とプレッツェルベーグルの食感、ディルの風味がほかにない「マカダミアディル塩バター」や、水分をコーンに置き換えた「ほぼコーン」も人気。ふらりと立ち寄ってみて。

おすすめ3「ローストニンジンサンド」¥600

「自分が好きだったにんじんの食べ方をサンドに」という思いから生まれた、中島さんのセンスが光る一品。にんじんをガーリックオイルとクミンで香ばしくローストし、にんじん本来の甘みを引き出している。コク深い味噌マヨネーズと大葉、スパイス塩で、ガツンと印象に残る味わいに。

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Gris Bagel

住所/東京都渋谷区代々木3-39-15 101
電話番号/03-5990-6365
営業時間/10:00~18:00(土・日曜~17:00)
定休日/月・金曜
インスタグラム/@gris_bagel

TERUAKI KAWAKAMI

【新馬場】ボブベーグル

確かな味に表れるベーグルへの深いリスペクト

コアなパン好きからも支持の厚い新馬場の人気店「ボブベーグル」。店主の目黒裕規さん(通称ボブさん)が目指すのは、かつてアメリカのホテルの朝食で自身が衝撃を受けた本場のベーグルの味。アパレル業界から一転、「ディーン&デルーカ」で味付けのセンスを磨き、沖縄の名店「宗像堂」で発酵の真髄を学んだ。その経験が、風味豊かなベーグルを生み出している。

使うのは手間暇かけてかけ継ぐ自家培養発酵種。国産小麦ににんじん、長いも、さらにごはんなどを加えてかけ継ぐパン種が、生地のうま味を力強く底上げしている。また生地に湯ゲルを加えるのも甘みともっちり感をアップさせる秘訣だ。

製法もNYの伝統に忠実。ゆでた生地をまずは「すのこ」にのせて焼き、表面の水分を飛ばす。生地をひっくり返し、炉床に直に置き再び焼き上げる。この手間によって、外はパリッと、中は密度の高い絶妙な食感に。温度や時間はボブさんの勘だけが頼り。まさに職人技だ。

おすすめ1「61 SIXTY-ONE」¥390(上)
埼玉県小川町産の無農薬小麦「SIXTY ONE」を贅沢に使用した、お店を象徴する一品。粉本来の豊かな香りと力強い味わいをシンプルに堪能できる。不定期販売のため、出合えたら迷わず入手を。

おすすめ2「シナモンレーズン」¥370(下)
超強力粉「ゆめちから」と愛知産石臼挽き粉をブレンドし、印象的なもちもち食感&ミルキーな口どけに。黒糖とラム酒にじっくり漬け込んだレーズンが、シナモンと共に深い余韻を残す。

TERUAKI KAWAKAMI

常時9種類ほどのベーグルサンドは、食べたときの食感や具材との相性をイメージして10種類ほどの粉を使い分ける。看板商品の「マグロベーグル」を始め、沖縄のシャルキュトリー「TESIO」のホワイトハムを使ったサンドイッチや、旬の果物を使ったフルーツサンドも目移り必至だ。

サンドイッチに限らず、ボブさんのベーグルは見た目のキャッチーさやインパクトよりも、ひとつひとつが胸を張り、静かに立っているようなイメージ。

「自分はNYでベーグルが一般的に食べられるようになった歴史やカルチャーが好きで、そこを尊重しながら、自分なりの表現の仕方でベーグルショップをやっています。ベーグルに対する想いやマインドは 、誰にも負けない自負をもって、暑苦しい気持ちでベーグルを焼かせてもらっています」。熱意が確かな味に表れている。

おすすめ3「マグロのサンドイッチ」ハーフ¥720 ホール¥1,400

サーモンとアボカド、クリームチーズを使った NY生まれの定番ベーグルサンド、ロックスのオマージュとして誕生。主役は店の沿線にある三崎漁港で水揚げされた新鮮なまぐろ。その刺し身を塩、粗糖、ディル、米油で一晩マリネし、ごま、ポピーシード、ガーリック、オニオン、塩を振りかけた「エブリシング」でサンド。青ねぎを混ぜ合わせたたっぷりのクリームチーズも後引く味わい。

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bob bagel

住所/東京都品川区2-9-22 染谷ビル1F
電話番号/03-6260-0125
営業時間/11:00〜17:30
定休日/火・水曜ほか不定休あり
インスタグラム/@bob__bage

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