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かつて一世を風靡したカリスマモデル NHK朝ドラに“異例の抜擢”→狂気の“悪女”まで…唯一無二の女優とは

  • 2026.5.26

画面に映るだけで、その場の空気がぴりりと張り詰める。ある時は冷酷非道な取り立て屋、またある時は妖艶さと哀愁をまとった悪女。その圧倒的な存在感で、観客の視線を奪い去る俳優がいる。

高橋メアリージュン。今や日本の映像界に欠かせない唯一無二の存在だ。トップモデルとしての華やかなキャリアから一転、泥臭くも強烈なキャラクターを怪演し、独自のポジションを築き上げた。

美貌の裏に秘められた、表現への飽くなき執念。そして彼女の役者人生を決定づけた「運命の分岐点」とは。画面を支配する憑依型俳優の、覚悟の軌跡に迫る。

誌面を彩る華やかさの裏で育まれた表現への渇望

彼女の芸能界への第一歩は、16歳の時にまで遡る。2003年に『横浜・湘南オーディション2003』でグランプリを獲得したことをきっかけに、ファッション雑誌『CanCam』の専属モデルとしてデビューを果たした。

小学館が発行する同誌は、当時のトレンドを牽引するカリスマ雑誌であった。彼女は抜群のプロポーションとエキゾチックな美貌を武器に、瞬く間に人気モデルの仲間入りを果たす。

しかし、その華やかな活躍の裏には、決して平坦ではない道のりがあった。ランウェイや誌面で見せる完璧な笑顔。その奥で、彼女は単に綺麗に洋服を着こなすだけではない、人間の内面をさらけ出すような深い表現への渇望を、静かに膨らませていたのである。

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2009年4月、森永製菓「BAKE」CM発表会見で、イメージキャラクター「BAKEガールズ」の一員として登場した高橋メアリージュン(C)SANKEI

映像の世界で見出された、新たな表現への一歩

モデルとしての地位を確立した彼女が、新たな表現の場としてテレビドラマへと臨んだのが25歳を迎える頃であった。2012年放送のNHK連続テレビ小説『純と愛』である。

実は、彼女は同作の主演オーディションに挑むも、結果は落選に終わっている。しかし、オーディションの場で父親の運転する車でやってきた思い出や家族への想いを熱く語ったときに流した彼女の涙が、制作陣の目に留まった。結果、もともとなかった役だったフィリピン人ハーフの女性・マリヤに抜擢されるという異例の展開を迎えた。

演じたのは、ヒロインの兄と結婚する外国籍の女性。慣れない環境での葛藤や芯の強さを持つキャラクターを、彼女は体当たりで瑞々しく表現した。

モデルとしてのキャリアに甘んじることなく、泥臭くチャンスを掴み取りにいったこの経験が、その後の活動に大きな広がりを持たせる重要な一歩となった。

観客を震わせる「怪演」の衝撃

俳優としての才能が完全に覚醒し、世間に強烈な爪痕を残したのが2014年である。彼女のキャリアにおいて、まさに「運命の分岐点」と呼ぶにふさわしい二つの衝撃作が、立て続けに世に放たれた。

まずは、大ヒットドラマの劇場版『闇金ウシジマくん Part2』である。彼女が演じたのは、原作にはない映画オリジナルのキャラクター、犀原茜役であった。

非道な闇金業者を容赦なく追い詰める、狂気に満ちた取り立て屋。大声を張り上げ、暴力を振るい、狂気的な笑みを浮かべるその姿は、それまでのモデルとしての美しきイメージを木端微塵に打ち砕いた。

さらに同年の夏、映画『るろうに剣心 京都大火編/伝説の最期編』が公開される。ここで彼女は、主人公の宿敵を陰で支える愛人・駒形由美役を演じた。

妖艶な花魁姿でありながら、愛する者のために命を賭す一途さと哀愁。前述の狂気的な悪女役とは対極にある、美しくも切ない大人の色気を見事に体現してみせたのである。

同じ年に公開された、全く異なる二つの「悪役」。主役を喰うほどのインパクトを放ったこれらの怪演により、彼女は単なる「モデル出身のタレント」ではなく、画面を支配する本物の実力派俳優として認知されることとなった

主役をも凌駕する唯一無二の存在

2014年の大躍進以降、彼女のもとには一癖も二癖もある難役のオファーが殺到するようになる。しかし、彼女は特定のイメージに定着することを拒み、さらなる進化を求めて泥臭く役と向き合い続けた。

ドラマ『私の家政夫ナギサさん』『アバランチ』『セクシー田中さん』『新空港占拠』『離婚弁護士 スパイダー』など、数多くの話題作に主要キャストとして名を連ねていく。彼女の凄みは、どれほど奇抜な設定や強烈なキャラクターであっても、その人物が実在するかのような説得力を観客に抱かせる点にある。緻密な役作りと、一瞬で役柄に憑依する集中力がそれを可能にしていた。

どんな色にも染まりながら、決して自身の存在感を失わないその佇まいは、日本のエンタメ界において唯一無二のピースとなった。

スクリーンで異彩を放つ、神秘的な表現者が目指す未来

現在もその圧倒的地力は、とどまるところを知らない。近年、彼女が挑んでいるのが、エンターテインメント界を席巻している大型プロジェクトである。映画『ゴールデンカムイ 網走監獄襲撃編』において、連続ドラマから引き続いて物語の鍵を握るアイヌの謎めいた占い師、インカㇻマッ役を演じている。

ミステリアスな雰囲気をまとい、伝統的な衣装に身を包んだその姿は、スクリーンのなかで圧倒的な異彩を放つ。原作ファンからも納得の声が上がるほどの再現度と、内に秘めた情熱の表現は、彼女の真骨頂と言えるだろう。

モデルとしての華やかなスタートから、狂気の悪女を経て、今や作品の質を担保する重厚な表現者へと至った。過去のキャリアすべてを血肉に変え、彼女はこれからも現実的な歩みで、誰も真似できない独自の道を切り拓いていく。


※記事は執筆時点の情報です

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