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50代からの趣味:体力ゼロの占い師が登山を始めたら…目指すは60歳までに日本百名山制覇!

  • 2026.4.19

50代から新しい一歩を踏み出して、第二の人生を歩み始めた人たちを追う「わたしリスタート」。50歳で登山にハマり、日本百名山制覇を目指し奮闘中の中丸洋美さん。3000m級の山に次々と挑み続ける中丸さんが実践する夢とカラダの育み方とは?

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あなたの“リスタートのヒント”が、きっと見つかるはず。
 → 他のエピソードも読む!(毎月更新)

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中丸洋美さんのリスタート・ストーリー

セミナー会社でのインタビュアーからスタートし、のちに独立。現在は東京・神楽坂でタロット占い師としても活動している中丸洋美さん。

年間のべ2000人以上もの悩みを受け止めるには気分転換が欠かせず、ウォーキングで心身を整えるのをモーニングルーティンにしていたそう。

ちょうど50才の時に、コロナ禍が到来。時間と体力ができたので、気分転換にと出掛けた高尾山ハイキングをきっかけに、登山の楽しさに目覚めた。

登山仲間との出会いで「60歳で日本百名山制覇」を目標に掲げ、開始5年で3000m級の山を次々と踏破。

50代からの新たな夢に向かって、コツコツ進み続けている。

コロナ禍の不安を解消した山との出合い

コロナ禍の不安を解消した山との出合い

――登山を始めたきっかけは?

新型コロナの蔓延で、仕事のスケジュールが変わり、時間ができたこと。密を回避して出掛けた高尾山のハイキングがきっかけです。

当時、神楽坂にある個人サロンで週4日、飯田橋の占いブースで週2日の活動をしていたのですが、コロナ禍で占いブースが入っていた商業ビル全館閉鎖されてしまい、個人サロンのみになったんです。

そこで、時間が少しできたので、朝夕と毎日ウォーキングをすることに。おかげで体力がつきました。不安やストレスもたまっていたので「少しでも発散したい!」と。

世の中が不安と閉塞感でいっぱいな時期だったから、山頂のすがすがしさに感激しました。マスクを外して深呼吸したときの、何とも言えない幸福感といったら……。

また登りたい。もう一度あの感動を経験したい。

力がみなぎってくるのを感じました。

――本格的に登山を始めたのはいつからですか?

最初の高尾山が楽しくて、一緒に行った友人も一緒にハマったんです。それで「また行こう!」と。

共通の友人も混ざってときどき近くの山に行くように。さらに偶然、友人のお父様が登山愛好家でいろいろ教えてもらうようになり、自然と深みにハマっていきました。

――登山を始めて、仕事や生活は変わった?

占い師をしていると、お客様のお悩みをお聞きしている中で、負のエネルギーを一身に受けてしまうこともあります。

それをリセットする意味でも、毎朝のウォーキングを日課にしています。心と体はつながっていて、体を動かすと、気分が晴れたり解決策が浮かんだりしますよね。

今は登山に向けての体力づくりの意味もあるのでより前向きに取り組むようになりました。

40代は占い師としての仕事を確立するために奮闘していましたが、50代からは体を動かすことが増え、心身のバランスがとれて、より充実した生活になったような気がします。

慎重派の私にできた、50代からの「仲間」

慎重派の私にできた、50代からの「仲間」

――「チャレンジするなら今だ」と思ったタイミングは?

60代、70代の先輩と出会い、お話するうちに。

もともと足首が硬かったり、心肺機能も強くなかったりと登山向きの体ではないので、すぐに本格的な登山をしようとは思っていませんでした。

でも「雲取山(標高2017m)に登れるなら大天井岳(おてんしょうだけ、長野県、標高2922m)も登れる、一緒に行こう」「60代から本格的に百名山を目指して制覇し、70代はネパールなどの山を登ってるよ」と、先輩方からポジティブなアドバイスをたくさんもらって、慎重派の私でも自然とそう思えるようになりました。

――チャレンジをして得られたものは?

まずは体力。

体を鍛えなければいけない、という義務感ではなく、「あの山を登りたい。そのための筋力、体力をつけたい」という目標に向かってする運動は楽しいもの。毎日が元気であふれるようになりました。

そして、新たな出会いです。

昔からの友人って、結婚や子育てなどそれぞれの生活を経て集まっても、だんだん話が合わなくなることがありませんか?思い出話はできるけれど、今を楽しもうとするとはなんとなくかみ合わない、みたいな。

でも、登山を通して、あの景色最高だったね、次どこの山に行く?など共通の話題が生まれたことで、新たな絆が深まったような気がしています。

ほかにも、友人のお父さん、陣馬山に一人で登ったとき出会った登山愛好家の60代女性など、新しい趣味を通して年代も性別も超えた「山友」がたくさんできました。好きなことをめいっぱい話せる先輩、仲間がいるって本当に楽しいし、心強い。

私の登山歴でも大丈夫と、彼女が言ってくれなかったら、北アルプスに挑むなんてずっと先になっていたと思います。

慎重派の私にできた、50代からの「仲間」

――日本百名山を制覇するためのステップはどう進めましたか?

東京唯一の日本百名山、雲取山を目指したのは登山を始めて1年後。

ウォーキングを毎日12㎞、週1で高尾山周辺の山などに登って備えました。当日は天候が悪く、山頂からの景色も霧で見えなかったのですが、今まで味わったことのない達成感を得られました。

3年目には北アルプスに挑戦。前述の60代の山友に誘われて、山岳ガイドさん付きの2泊3日で大天井岳などに登りました。

4年目に入ってからは南アルプスにも登るようになり、現在、50座を踏破しています。

3000m級の山、槍ヶ岳(長野県・岐阜県、標高3180m)を制覇したときは遂に登れた~!!と本当にうれしくて、景色も圧巻でした。

今後は年に10座くらいを目指しています。北海道や九州など遠征が必要な山を残しているのでペースは落ちてくると思いますが、あと5年、60歳で制覇したいですね。

「百名山のれん」って知ってます?日本百名山が描かれていて、制覇した山のピンバッジを刺していくというもので、登山愛好家に人気なんです。楽しいし、モチベーションを上げてくれます。

体がもたない…「自己流」の限界を感じて

体がもたない…「自己流」の限界を感じて

――もともと体力に自信はありましたか?

全然ありませんでした。

40代は仕事に夢中で忙しくしていたので、1日ずっと座りっぱなしでした。個人サロンで営業する日は通勤もないので、ほぼ歩きません。

せめてもと毎朝のウォーキングだけは気分転換になんとか続けていましたが、登山を始める50歳までの10年は運動不足。特に下半身を使っていなかったので、久しぶりのハイキングでは筋肉痛の前に「足がかゆい!」って大騒ぎ。

運動が足りなくて老廃物が溜まっていると、血流がよくなったとき、身体が炎症を起こしたと勘違いしてかゆくなることがあるらしいです。

このままでは登山どころではなくマズイ、と実感しましたね(笑)

――トレーニングはどのように続けているのですか?

最初の3年は登山家さんのYouTubeを見たりしながら、自己流でやっていました。

ですが、3年目、直線的な急坂が続く男体山(栃木県、標高2486m)に登っていたとき、暑さもあって9合目付近で苦しくなってしまったんです。

筋力だけでなく、肺活量が少ないなど実力不足を感じ、日本百名山を制覇するには自己流のトレーニングだけでは無理かもしれない、と感じました。

そこで頼ったのが、インスタグラムで見つけた65歳の登山トレーナーのはこさん(@haco_climber)。週3日、5㎞を走るパーソナルメニューには坂道ダッシュやインターバル走などが組み込まれていて、心肺機能や脚力を強化しました。

3か月の指導期間で明らかな成果が出て、南アルプスにも登れるようになりました。

――登山アイテムなどはどうやって揃えましたか?

私が何より重要視しているのは登山靴と登山リュックの二つ。自分の足型に合っていて、山登りに適した靴でないと、途中で痛くなってしまいます。登山用リュックは軽くて背負いやすいものでないと、疲れてしまいます。この二つだけは自分の体にフィットするものを選ばないと登山を楽しめないので、はずせません。

登山アイテムは機能やデザイン、価格帯も豊富なので、自分の予算や好みにいくらでもアレンジできます。高尾山くらいならスニーカーでも歩けますし、まず登ってみて必要だと思ってから買い足していくと無駄な出費を抑えられると思います。

――時間やお金のやりくりは?

最近、5年目にしてようやくわかってきたのですが(笑)、山は全国各地にあるので、日本百名山の完全制覇には計画性が不可欠です。特に私はリスクの高い冬山には登らないようにしているので登山シーズンは短い。

効率よく回らないと元気なうちに制覇は難しいので、登山のない冬に年間スケジュールを組んでいます。

こうしておけば仕事との調整もしやすいし、1年でかかる予算の見通しもつくのでオンシーズンは安心して楽しめます。逆に冬は節約の日々です。

――憧れの女性はいますか?

登山家の渡邊直子さん(編注:1981年生まれ)。

世界には8000mを超える山が14座あるんですが、2024年10月に渡邊さんは日本女性で初めてそのすべての登頂に成功したんです。

よくインスタグラムで彼女の活動を見ているのですが、40代の女性で、長い間看護師として働きながら、多額な遠征費用も捻出されていて。また、ヒマラヤトレッキングを企画されて、多くの人に壮大な世界を見る機会も提供されている。行動力、スケールの大きさ、憧れますね。

夢を追い続ける秘訣は、ちゃんと休むこと

夢を追い続ける秘訣は、ちゃんと休むこと

――これまでの経験で役に立ったことは?

占いの世界に飛び込んだこと。

フリーランスの占い師になったときは大きなチャレンジでした。

それまでの相談業務の個人事業にタロットを導入するために習えるところを探したのですが、タロットの講座は修了までに1年かかるし費用も高額。それで、個人でタロット占いを教えてくれる人を探して、ルノアールで待ち合わせて習ったんですよ(笑)

その後、独立して占いブースに出ましたが、完全歩合制で、生活の保障もない。不安も大きかったけれど、やりたい! という気持ちを優先しようと心に決めました。

以前よりもお客様の幅がグッと広がり、幅広い知識を身に付けるために毎日かなり勉強しました。努力したからこそ、お客様に来てよかったって満足してもらえたときはうれしくて。

チャレンジすること、努力することの素晴らしさを知ったことは、今の登山への姿勢にもつながっていると思います。

逆に、占い師は雑談力も必要なので、登山という趣味が増えたことは仕事にも役立ってます。

夢を追い続ける秘訣は、ちゃんと休むこと

――あなたの人生の「座右の銘」は?

「ネバー ギブアップ!」

私は何かにチャレンジしたときに、すぐに成果を出せなくてもいいと思うんです。

占いのお客様にもよくお伝えするんですが、つらくなったときは休めばいい。

今、順調でなくても、自分が諦めることさえしなければ終わりじゃない、夢は続いていますよね?私も自分のペースでいいから地道に諦めないで進んでいく、を大切にしています。

――不安を感じたり、自信をなくしたときの特効薬は?

「寝ること」。でも、不安が強くて眠れないときは無理に寝床に入らず、「不安を感じることは普通」だと思って、リラックスするようにしています。

多くの方を占ってきましたが、社会的に成功している方であっても、過去に一度も不安になったことがない方には会ったことがない。人間なんですから不安になったり、自信がなくなったりすることは当たり前。そう気付いてから、楽になりました。

夢を追い続ける秘訣は、ちゃんと休むこと

――リスタートをして得た最大の教訓はありますか?

雲の上には太陽がある

山梨の雪頭ヶ岳と鬼ヶ岳に登っているとき、辺り一面が真っ白で、一切眺望もなく、今日は、天気が悪いのだと思っていました。ところが、足元の道だけを見てようやく山頂付近に辿りついたら、眼下に素晴らしい雲海が広がっていました。

「雲は不安の考えと同じ。視界をさえぎるけれど突き抜ければ、その上にはいつも太陽の光が届いている」って、遠い昔に教えてもらった言葉が、見事に腹落ちしてうれしかったです。

50代のリスタートに必要な3つの備え

小学生のときに一時、不登校になったこともあるほど、実は器用でもないし慎重派。だから自分なりの前向きになれる心構えを用意して、実践しています。

1.優先順位の考え直し

50歳は人生の折り返し地点。健康寿命を考えたり、残りの時間を意識すれば、後悔のないようにチャレンジしたくなります。私も仕事や趣味、お金など、人生後半の優先順位やバランスを考え直し、登山の時間をとっています。

2.気力と体力をつける

リスタートに欠かせないのが気力と体力。こればかりは他人からもらうことはできないし、自分次第。年齢は関係ないと思います。大病をした友人が前向きにリハビリに取り組む姿を見て、いつからでも強化できる、本人のやる気なんだと勇気づけられたことも影響しています。

3.仲間を見つける

仲間がいると準備も分担できるし、踏破したときの感動も共有できるから喜びも大きい。日本百名山の制覇に必要なチップスも教えてもらえるから、チャンスも増えます。推し活とも一緒だと思うのですが、好きが一緒だと仲間をつくりやすいです。
 
取材・文:時津木春 写真:菅井淳子企画・構成=長倉志乃(HALMEK up編集部)

※HALMEK upの人気記事を再編集したものです。
※インタビューは2025年に行いました。

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