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「疲れにいいらしい」毎日“お酢ドリンク”を飲み始めるが…→その後、40代女性を襲った“想定外の変化”【管理栄養士は見た】

  • 2026.5.25
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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

スポーツジムの管理栄養士として、栄養面からダイエットや健康維持のサポートをしている工藤まりえです。

「疲れにいいらしい」「美容にも良いと聞いた」「お酢だから健康そう」。そんなイメージから、“飲むお酢”を習慣にしている人は少なくありません。最近では、果実を発酵させたお酢やフルーツ果汁を合わせた、飲みやすいタイプの商品も人気で、水や炭酸で割るだけで手軽に楽しめることから、健康ドリンク感覚で取り入れやすくなっています

。一方で、こうした飲みやすいお酢ドリンクには糖質が多く含まれていることもあり、「体にいいから大丈夫」という安心感から量が増えてしまうケースもあります。今回は、美容と健康のために始めた“飲むお酢習慣”に、少しずつ違和感を覚えるようになった相談事例をご紹介します。 

「美容にも良いらしいし」そんな軽いきっかけから始まった習慣

47歳女性のSさん(仮名)は、仕事や家事に追われる毎日の中で、「何か手軽に体に良いことを始めたい」と思っていた頃、SNSで“飲むお酢”が美容や健康に良いという情報を目にする機会が増えたそうです。周囲にも愛飲している人がいて、「疲れにもいいらしいよ」「肌の調子のために続けてる」と勧められたこともあり、「それなら試してみようかな」と軽い気持ちで始めたと話してくれました。

選んでいたのは、果実を発酵させたお酢やフルーツ果汁を合わせた、比較的飲みやすいタイプのお酢ドリンク。炭酸水で割るとジュースのような感覚で楽しめ、お酢独特の強い酸味も気になりません。「ざくろ」「りんご」「マスカット」などフレーバーの種類も豊富で、その日の気分で選べるのも魅力だったそうです。「いろいろ試せるから飽きないんです」と楽しそうに話していたのが印象的でした。

朝の目覚めの1杯、お風呂上がりの1杯など、日常のさまざまな場面で気軽に取り入れやすかったこともあり、「これなら無理なく続けられる」と感じるほど気に入っていた様子でした。「お酢だから罪悪感がない」「体に良いものを飲んでいる感じがする」といった安心感や満足感もあったようです。

ただ、続けるうちに、「最近なんとなく甘いものを食べたくなる日がある」「前より空腹を感じるのが少し早い気がする」といった、小さな違和感を覚えるようになったそうです。困るほどではないけれど、ふと「そういえば飲んでいるお酢って結構甘い味がするな…」と思った瞬間があったのだとか。「甘くても、お酢なら健康には問題ないのかな?」そんな何気ない疑問が、今回の相談のきっかけでした。

「お酢=健康」の安心感で見落としやすいこと

食事内容や生活習慣を一緒に振り返っていく中で、まず気になったのは、Sさんが飲んでいた“飲むお酢”の内容でした。

成分表示を確認すると、果実発酵のお酢に加えて果汁や糖類が使われた、比較的飲みやすいタイプのもの。こうした商品自体が悪いわけではありません。むしろ、お酢の強い酸味をやわらげる工夫がされているからこそ、人気があるのだと思います。

そもそも、お酢には健康面で期待されている働きがあります。お酢は、食後の血糖値上昇を緩やかにする効果や、食欲増進や疲労回復の働きが研究されていたりと、日々の食生活の中で役立つ可能性がある食品です。ただし、“お酢そのもの”の働きと、“飲みやすく加工された飲料”は、得られる効果を別で考えることです。「お酢だから健康に良い」とひとまとめにすると、本来見るべき部分を見落としてしまうことがあります。

特にフルーツ系の飲むお酢は、なぜ甘いのかを知っておくことも大切です。お酢はそのままだと酸味がかなり強いため、果汁や糖類が加えられてジュース感覚で飲みやすくなっている商品が多いのです。

Sさんも、「ジュースより健康的だと思っていました」と話していました。そして、「甘いものは控えているつもりだったのに、意外なところにあったんですね」と驚いた様子でした。今回見えてきたのは、お酢が悪いのではなく、“健康そう”という安心感が、知らないうちに量や選び方への意識をゆるめていたことでした。

「やめる」ではなく、「取り入れ方」を整えてみる

今回見えてきたのは、“健康に良さそうだから大丈夫”という安心感から、お酢の量や取り入れ方が少し曖昧になっていたことだったからです。

そこでまずSさんにお伝えしたのは、飲むお酢の量を少し見直してみること。何となく増えていた習慣を整理し、「飲むなら1日1杯まで」に。また、水分補給には無糖のお茶や水を基本にすることをご提案。喉が渇いた時にジュース感覚で飲んでいると、知らないうちに回数や量が増えやすくなるためです。

そして、お酢の健康効果を期待するなら、フルーツ系の飲むお酢ではなく、穀物酢やりんご酢などの調理用のお酢を、食事と一緒に取り入れる方法をおすすめしました。サラダのドレッシングやマリネなどに使えば、食事の一部として無理なく取り入れられます。食後の血糖値対策としても活用しやすく、飲む量を気にしすぎなくていいのも利点です。

またSさん自身、飲むお酢を続けるうちに、気づけば酸っぱい味が好きになっていたそうで、料理として取り入れる方法は自然と合っていたようでした。数週間後には、「最近はドレッシングを手作りしたり、お酢を使ったレパートリーが増えました」と教えてくれました。

これからの暑い時期は、食欲が落ちたり、疲れを感じやすくなったりする人も増えます。そんな時期こそ、お酢のさっぱりした酸味は食事にも取り入れやすく、食欲を後押ししてくれる存在になります。疲労回復効果も期待できるので、うまく付き合えば夏の食生活を支える味方になってくれるかもしれません。


執筆・監修:工藤まりえ
大学にて栄養学と分析化学を専門とし、管理栄養士免許を取得。卒業後は都内飲食系会社にてフードコーディネーターとして勤務。また、管理栄養士としてはスポーツジムに通う方を対象に、体質改善・ダイエットのための栄養指導を実施。短期的な痩身だけではなく、健康的で太りにくい体質への改善を目指した、専門的かつ行動に移しやすいアドバイスを毎月100名程に対して行っている。

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