1. トップ
  2. 「逃げないんですよね、千鶴は」声優・雨宮天がアニメ『彼女、お借りします』とともに歩んで見えてきたこと

「逃げないんですよね、千鶴は」声優・雨宮天がアニメ『彼女、お借りします』とともに歩んで見えてきたこと

  • 2026.4.9
【写真・画像】「逃げないんですよね、千鶴は」声優・雨宮天がアニメ『彼女、お借りします』とともに歩んで見えてきたこと 1枚目
ABEMA TIMES

『東京喰種トーキョーグール』霧島董香役、『この素晴らしい世界に祝福を!』アクア役などを代表作に持つ声優・雨宮天。彼女から受ける印象として強く感じる点は、演じるキャラクターへ寄り添う姿勢だ。出演アニメのイベントや配信番組に出演する際、担当キャラをイメージした装いを披露してくれることは、多くのファンに認知されているところだろう。

【映像】アニメ『彼女、お借りします』

アーティスト活動などにおいて“雨宮天”個人としての露出の際に見せてくれる、清廉さや壮麗さを感じさせるブルーの衣装がイメージとして強いだけに、各キャラに寄せている時の雨宮の姿には“変身”とも言える作品・キャラへの没入感を強く覚える。

そんな雨宮のライフワークとも言うべき役どころの1つが、アニメ『彼女、お借りします』の水原千鶴だ。4月より5期が放送されるという長期シリーズにおいて、雨宮が千鶴へ寄り添う姿勢、千鶴をはじめとした登場キャラへの視点などをインタビューで伺った。

——雨宮さんは、イベントご登壇や取材の時によく千鶴のイメージに寄せた衣装で臨まれていると思います。先日のAnimeJapan 2026の時も、そのように選ばれたお洋服だったかと。

雨宮:AnimeJapanの時は、(4期作中で訪れた)スパリゾート ハワイアンズのイメージに寄せていました。服装はハワイアンズの館内着っぽく、髪型は水着の時のものに近づけました。

——本日もやはり、千鶴のイメージで?

雨宮:はい、今日は彼女モードに戻りまして(笑)、普段の千鶴の髪型と、デートの時のようなワンピースにしてみました。花柄の入ったものを選んで、ちょっとハワイアンズな感じも出してみたというところですね。

——すごく考えていらっしゃるのですね!

雨宮:ありがとうございます。毎回(千鶴のイメージである)赤い衣装なんですけど、ちょっとずつ変化を出しているので、過去の服装とも見比べてもらえると嬉しいなと思います。

——衣装はスタイリストさんが手配していると思うのですが、具体的なイメージを伝えてオーダーするといったやり取りをされているのでしょうか?

雨宮:スタイリストさんたちがいつもお馴染みの方々で、私がすごくキャラクターに寄せたいタイプということを把握してくださっているので、もう確認するまでもなく、それ前提で準備してきてくださっていて。しかも衣装を何着か持ってきてくださるんですけど、例えば、よりハワイアンズに近いものや、彼女モードの千鶴だったり、部屋着の千鶴に寄せたものなど、複数のバリエーションを出してくださるんです。

——素晴らしい連携ですね!

雨宮:毎回衣装はすごく気合を入れているポイントなので、こうやって聞いていただけて非常に嬉しいです!

——多くのファンも関心を寄せていたポイントだと思います。そのようにキャラクターへ寄り添う思いが強い雨宮さんですが、5期という長い期間を共にしてきた千鶴について、改めてどういう女の子だと感じているかお聞かせいただけますか?

雨宮:そうですね、真面目でストイック、そして……これは語弊があるかもしれませんが、すごく合理的。

——確かに、理性的であると感じます。

雨宮:冷静でロジカルな子だな、という側面は感じつつ、千鶴って、守ってくれる存在みたいな人がいないじゃないですか。家族はおばあちゃんしかいなくて、でもそのおばあちゃんももう亡くなってしまって……。なので、自分を守るための部分でもあるのかなと感じます。合理的に動いていれば、こう、間違えることがないというか。感情に振り回される余裕がない、という側面もあるのかもしれませんが。

——環境のハードさに対して、千鶴が選択した生きる術……という感じですね。

雨宮:だけど、それでいてなんと言うか……そのロジックの中には、他者の気持ちを慮る部分も含まれていて。自身の気持ちにはあまり敏感なほうではないのかなという感じはするのですが、他人に対する思いやりはものすごくある子だなと思いますね。あと、責任感もすごく強いなと。

——元々ハワイアンズはレンタル彼女の仕事で来ていたわけですが、騒動に巻き込まれても投げ出さない部分には、仕事への責任感を感じますね。

雨宮:もちろんその通りなのですが、仕事だからというだけではないというか……すごくひどい言い方をしてしまうと、すべてを和也のせいにしてしまうこともできるわけじゃないですか。

——千鶴が彼女だと周囲に嘘をついていることや、それゆえに起きているさまざまな問題に対して……ですね。

雨宮:実際、ことの発端だったり、さまざまなトラブルの原因となったのはそもそも和也だし、というところに突き詰めていけばなるわけですから。けれど、「自分もあの時ああ言ってしまったし」というように、ちゃんと自分ごとにして責任を感じていて。

あと、今回のハワイアンズでは、和也のご家族も一緒にいるじゃないですか。そこで和也のお母さんに指輪の話を聞いたりして……あそこまでの状況になったら、もうその時点で(本当の彼女ではないと)言ってしまったほうが楽というか、言ってしまいそうなのに、やっぱりそれを選ばない。逃げないんですよね、千鶴は。だから責任感の強さというものはすごくあるんじゃないでしょうか。

——仕事だけでなく、人と人の関係においても責任感があるということが、改めて理解できました。ところで、『かのかり』という作品を長くやっていて……というところでの質問になるのですが、これまで関わってきた中での印象として、千鶴以外で演じてみたいと思うキャラはいますか?

雨宮:そうですね……正直、瑠夏ちゃんや麻美さんは、すごく演じてみたいですね。

——両極端とも言える2人ですね(笑)。

雨宮:千鶴がとにかく理性的なのに対して、瑠夏ちゃんってものすごく感情的じゃないですか。なので、これだけ千鶴を演じてきた身としては、瑠夏ちゃんをやったらすごく楽しそうだなというか。思ったことをわーって言えるし、泣いたりしていいし、いっぱい笑えるし。

——確かに、対極と言ってもいいレベルの差がありますね。

雨宮:ハワイアンズがあんな状況で、和也と千鶴に対して「むっ」って思う気持ちがあるにもかかわらず、めちゃくちゃプール楽しんでますから。瑠夏ちゃんはすごいです(笑)。そういうとても真っすぐな子だから、演じるのが楽しそうだなと思いますね。

——非常に納得できる理由でした。

雨宮:麻美さんは……麻美さんを演じている時のあおさん(悠木碧)がとても楽しそうなので(笑)。ああやって他人を動揺させて楽しむみたいな、いわゆる悪役っぽいキャラをそんなに演じる機会がないのもあって、絶対に楽しいんだろうなあと思うのですが……でも麻美さんは、ちょっと私にはまだ経験値不足で演じられる気がしないというところもありますね。

——雨宮さんであればこなせるのではとも思うのですが、確かに悠木さんの演技には感銘を覚えています。原作を読んで想像していた演技を、さらに超越してくるというか。

雨宮:私は1人のキャラクターを演じるにあたって、声のトーンの共通性などを結構気にしてしまうのですが、あおさんが演じる麻美さんって、すごくいろんなトーンを使うじゃないですか。

私が原作を読んでいた段階では、あんなにいろんなトーンで喋るようには聞こえてきてなかったのですが、その自由度の高さをもって、ひたすら怖い、嫌な女をやるっていうところが、アニメの麻美さんの“強さ”に繋がっているのかなと。私はまだちょっと、そこまで振り切って演じられる経験値も度胸もないので、あおさんのお芝居からいつも学ばせていただいています。

——すごく刺激のある現場なのですね。

雨宮:はい、間違いなく!

【写真・画像】「逃げないんですよね、千鶴は」声優・雨宮天がアニメ『彼女、お借りします』とともに歩んで見えてきたこと 2枚目
ABEMA TIMES

雨宮が提示してくれた“合理的”“責任感”という千鶴を表すワードが、『かのかり』5期で描かれるエピソードでは特に強く感じられる。長年にわたり演じてきた円熟さを持ちつつも、今なお共演者から吸収できるものを探そうとする雨宮の演技を、ぜひ『かのかり』の千鶴で感じてほしい。

テキスト/桜森柚木
(C) 宮島礼吏・講談社/「彼女、お借りします」製作委員会2026

元記事で読む
の記事をもっとみる