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「クソガキは人のものを使うな」壮絶な過去を乗り越えてたどり着いた今…モノがあるという“幸せ”【作者と祖母に聞く】

  • 2026.3.23
石鹸すら使わせてもらえず、形見の狭い苦しい生活を強いられていた。
石鹸すら使わせてもらえず、形見の狭い苦しい生活を強いられていた。

ライブドアブログ「ゆっぺのゆる漫画ブログ」やInstagram(@yuppe2)でエッセイ漫画を発信しているゆっぺさんが描く「親に捨てられた私が日本一幸せなおばあちゃんになった話」は、読む人の心を強く揺さぶる作品である。2021年12月からの連載を経て完結し、電子書籍化もされた本作には、「人生で一番大切なことが描いてある」といった声が数多く寄せられている。

幼いキヨさんを襲った過酷な日々

家のなかの誰も養母には逆らえず、傍若無人ぶりは日増しにひどくなっていき…
家のなかの誰も養母には逆らえず、傍若無人ぶりは日増しにひどくなっていき…
「お前のものじゃない」家のなかにあるものは、どれも使わせてもらえない!?
「お前のものじゃない」家のなかにあるものは、どれも使わせてもらえない!?
時に、水をかけられるなど言葉以上の仕打ちも…
時に、水をかけられるなど言葉以上の仕打ちも…

物語の主人公は、現在92歳のキヨさん。幼少期、父の突然の死をきっかけに養女として叔父の家に引き取られるが、そこで待っていたのは想像を絶する日々だった。「このクソガキは人のものを平気で使いやがる」。そんな言葉を浴びせられ、ハサミも洗面器も自由に使わせてもらえない。家事を押し付けられ、食事も満足に与えられない環境のなかで、幼いキヨさんは必死に耐え続けていた。

コメント欄を開放したら…読者の心に届いた“生きる力”の物語

連載当時、ゆっぺさんはコメント欄を封鎖していたが、最終回のみ開放したという。「最後の回だけ、コメント欄を開放したんです」。そこには、「家族を大事にしようと思えた」といった感想が多数寄せられた。「特に印象的だったのが、ご病気の方から『この作品の結末を読みたいと思ったことが、生きる励みになった』というコメントをいただいたことです」と振り返る。「この作品を通して、私が伝えたいと思っていたことが伝わっていると感じられてとてもうれしかったです」と語る言葉からは、作品への強い思いがにじむ。

92歳が語る“健康”と“当たり前の暮らし”

現在92歳のキヨさんに健康の秘訣を尋ねると、「秘訣は、何にもないですよ」と穏やかに答える。「よく『あれを食べたらいい、これを食べたらいい』と言われますが、私はそんな余分なものを食べなくても…うちにあるものだけを食べて暮らしています」。特別なことをしなくても、日々を積み重ねてきた結果が今につながっているという。

“モノがある時代”は幸せなのか

さらに、激動の時代を生きてきたキヨさんは、現代についてこう語る。「今の時代はモノがあり過ぎて…。それが幸せなのか、不幸なのか、わかりません」。戦時中、店には何も並んでいなかったという記憶を振り返りながら、「今はモノがあり過ぎて、幸せ過ぎて」と続ける。「服も昔はすぐ破れていましたが、今の服はぜんぜん破れませんね。それが幸せだか、不幸だか…何とも申せませんね」と静かに語る姿が印象的である。

過酷な過去を乗り越えたキヨさんは、「食べたいものは自分で作って、休みたいときに休んで、仕事したいときに外へ行って…好きに過ごせる今が、一番気楽で幸せ」と語る。その言葉は、今を生きる私たちにとって“本当の幸せとは何か”を問いかけてくる。

取材協力:ゆっぺ(@yuppe2)、キヨ

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