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親の介護で「正直、世話より大変だった」のは──娘が気づいた『もう一つの役目』

  • 2026.3.23

筆者の話です。
親の介護が始まり、想像以上に大変だと感じました。
けれど世話とは別に、もうひとつ背負っていた役目があったのです。

画像: 親の介護で「正直、世話より大変だった」のは──娘が気づいた『もう一つの役目』

始まった介護

「病院へ連れていってほしい」
母の介護が、ここから始まりました。
通院の付き添い、薬の管理、役所での手続き。
日々の細かな確認や声かけも欠かせません。
仕事の合間に病院へ向かい、診察室で医師の説明を聞き、帰宅後は薬を仕分ける。
想像はしていましたが、実際に動いてみると、時間も気力も思った以上に削られていくのが分かりました。

積もる役目

診察が終わるたび、私はメモを見返しながらスマートフォンに向かいます。
「今日は血圧が少し高めでした」「薬が一種類増えました」
親族のグループに、できるだけ正確に伝えようと文章を整えていました。

伝えなければ、「聞いていなかった」と言われてしまう。
けれど、どこまで細かく書けばいいのか迷い、何度も書き直します。

病院の待合室で、親の隣に座りながら画面を見つめる時間が増えていきました。
介護のあとに、「報告」というもうひと仕事があるような感覚でした。

決定打の一言

ある日、母の体調が悪くなり、親族に入院したと連絡したときのことです。
しばらくして返ってきたのは「そんなに大変だったとは思わなかった」「もっと早く言ってくれればよかったのに」という言葉でした。

スマートフォンを持つ手が止まりました。
これまで何度も状況を共有してきたつもりでした。
「伝えていた」はずなのに、「伝わっていなかった」。その事実に、そのとき初めて気づいたのです。

介護そのものだけでなく、周囲への「理解を求める責任」までも自分一人で背負っていたのだと、突きつけられた気がしました。

見えない役目

誰かを責めたいわけではありません。
離れて暮らしていれば、実際の様子は見えにくいものです。

ただ、介護は目に見える世話だけではなく、説明や共有といった見えない役割も含まれている。
それを知っているかどうかで、お互いの関わり方は変わるのかもしれません。

完璧に分かり合うことは難しくても、少しでも状況を知ろうとする姿勢があれば、負担は分け合えるはずです。
一人で抱え込みすぎず、どうすれば「伝わる」のか。これからは抱え込む前の一工夫を、模索していこうと思っています。

【体験者:50代・筆者、回答時期:2026年3月】

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

FTNコラムニスト:Kiko.G
嫁姑問題をメインテーマにライター活動をスタート。社宅生活をしていた経験から、ママ友ネットワークが広がり、取材対象に。自らが離婚や病気を経験したことで、様々な悩みを持つ読者を元気づけたいと思い、自身の人脈や読者の声を取材し、記事として執筆。noteでは、糖尿病の体験記についても発信中。

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