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【発言で振り返る】ノルウェー王室マリウス事件。ロイヤルファミリーたちはどう語った?

  • 2026.3.19
Julian Parker / Getty Images

ノルウェーの次の王妃、メッテ=マリット王太子妃の連れ子として王太子一家の一員になったマリウス・ボルグ・ホイビー。2025年に強姦罪を含む38件の容疑で起訴され、現在その裁判が進められている。この裁判はノルウェー王室を揺るがす大事件とまでいわれ、ホイビーとロイヤルファミリーの関係にも注目が集まっている。そこで今回は義父のホーコン王太子と母のメッテ=マリット王太子妃をはじめとするロイヤルファミリーがホイビーをどう語ってきたのか、そしてホイビーが両親をどう見ていたのか、その発言をプレイバック。彼らの関係性を探ってみる。

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ソニア王妃は「世界で一番かわいらしい子」

メッテ=マリット王太子妃がホーコン王太子と交際を始めたとき、マスコミはすぐに彼女がシングルマザーであることを大々的に報道。マリウスを「リトル・マリウス」と呼び、彼について報じた。王太子の母ソニア王妃もこのニックネームでマリウスを読んでいた。ソニア王妃はマリウスのことを「世界で一番かわいらしくて、明るくて元気な男の子。本当に魅力的で素晴らしい子」と語っていた。世間ではメッテ=マリット王太子妃が子持ちであることにネガティブな意見も多かったけれど、ロイヤルファミリーはマリウスを冷遇していたわけではなさそう。

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叔母の王女は「マリウスの存在感はなくなるだろう」

しかしメッテ=マリット王太子妃がホーコン王太子との間の第一子、イングリッド・アレクサンドラ王女をみごもったことで、ロイヤルファミリー内の空気感が変わった可能性も。そのことを匂わせたのが王太子の父ハーラル5世国王の姉、つまり王太子の叔母にあたるラグンヒル王女。テレビのドキュメンタリー番組の中で「彼女の息子が本当に気の毒。子どもが生まれたらかわいそうなマリウスの存在感はなくなるだろう。まだ6歳だけれど、彼にもその変化がわかるはず。それが王太子夫妻の間に問題を引き起こすでしょう。2人がそのことをよく考えていることを願うわね」。

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ロイヤルファミリーが口に出して「王女が生まれて、マリウスの存在が薄れた」などと言うわけもないので、このラグンヒル王女のコメントが正しかったかどうかはわからない。しかし王女をはじめ、こう考えている人がいたことは確か。その雰囲気をマリウスも察していたのかも。

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母方の祖父は「称号を与えるべき」

マリウスは王太子の継子として王太子の家族に迎え入れられたが王位継承権はもちろん、称号も持っていない。メッテ・マリット王太子妃の父、つまりマリウスの祖父にあたるスヴェン・ホイビーは「マリウスが自分を二流だと思ったり、いじめの標的になったりしないよう、王子の称号を与えるべきだ」と話していた。

Nigel Waldron / Getty Images

薬物所持事件に王太子妃はノーコメント

とはいえマリウスに王子の称号が与えられることはなく、「未来の王妃の連れ子」「未来の女王の兄」という肩書きで呼ばれ続けることになる。マリウスは2017年、薬物所持で捕まり4,000ノルウェークローネ(約10万円)の罰金を課された。このとき、メッテ=マリット王太子妃は沈黙を守り、コメントすることはなかった。

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ホーコン王太子は、妻の王太子妃を心配

しかし2024年、マリウスが強姦容疑で逮捕されたときには両親も沈黙を続けるわけにはいかなかった。ホーコン王太子はインタビューでマリウスの逮捕について言及。「マリウスは重大な告発に直面している」とコメント。「家族として親として、マリウスが適切なサポートを得られるよう、私たちは心配してきた」と語りつつ、メッテ=マリット王太子妃のそばにいてあげたいと妻への気遣いをアピールした。王太子妃はこのとき何もコメントしなかった。

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母は「親としての私たちの対応を批判されると動揺する」

しかし2025年、マリウスが強姦容疑などで起訴されたときにはメッテ=マリット王太子妃もコメントしなくてはいけない状況に。王太子と王太子妃は法的手続きが進行中であることを考慮してコメントを控えていたのだが、一部の国民やマスコミからはその態度を「事態を真剣に受け止めていない」と非難した。王太子妃はこの年の12月、王室の1年を振り返るドキュメンタリー番組の中で「母親としてストレスを感じている」とコメント。「一番動揺するのは、親としての私たちの対応を批判されることです」と述べた。また世論の非難を「理解し難いものだ」とも。ちなみに収録時には、王太子妃が性犯罪者のジェフリー・エプスタインに送った親しげなメールは公開されていなかった。そのせいか、王太子妃の発言はまだまだ強気。

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王太子妃は自分も一家もプロの助けを求めたとコメント、カウンセラーなどの専門家と話をしたことを匂わせていた。また「自分の子どもが深刻な告発を受けることは親にとって耐え難いもの。当然のことだけれど自分に対する疑いや自責の念が伴う。でも同時に自分がやってもいないことの責任を負わされるのはとてもつらい」。

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イングリッド・アレクサンドラ王女もコメント

このドキュメンタリー番組に先駆け、王太子夫妻の長女でノルウェーの未来の女王であるイングリッド・アレクサンドラ王女も異父兄のマリウスについてインタビューで尋ねられている。王女は兄の人となりについては語らず「私たち家族にとって裁判はもちろんつらい。妹である私にとっても、両親にとっても。そして事件の影響を受けたすべての人にとっても」。マリウスの暴力の被害を受けた人に対する思いやりを示した。

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王太子は「ホイビーは王室の一員ではない」

この王女の発言は、義理父にあたるホーコン王太子の姿勢をお手本にした可能性が大。王太子は2026年初めに声明を発表。マリウスの暴力の被害を受けた人たちのことを「思っている」と強調した。続けて王太子は「マリウス・ボルグ・ホイビーはノルウェー王室の一員ではない。したがって独立した存在だ」「しかし私たちは彼を愛している。もちろん彼は私たちにとって大切な家族だ」。家族としての絆はあるけれど、王室とのつながりはないという姿勢を貫いた。君主であるハーラル5世国王がマリウスの件について触れないのも同様の理由だと見られている。つまりマリウスのことは王太子一家の問題、というのが国王の見解だということ。

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「法廷には行かない」

ノルウェーマスコミは、王太子の発言を王室を守ろうとする姿勢の現れと解釈している。また王太子は「裁判が終わるまで王室はこの件についてコメントしない」と明言。自分もメッテ=マリット王太子妃も「法廷に行く予定はない」とコメントした。司法が王室の影響を受けることはない、ということをアピールしたと見られているが、一部のマスコミやロイヤルウォッチャーはこれらの発言を「マリウスを切り捨てるようだ」と評していた。

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ホイビーは法廷で両親を擁護

その法廷では王太子や王太子妃の話が出ることも。ホイビーの元恋人の女性ノラ・ハウクランドが出廷、「ホーコン王太子とメッテ=マリット王太子妃に『ホイビーには専門家の助けが必要』と言った」と証言した。これを聞いたホイビーは感情をたかぶらせ「彼女は私の両親まで巻き込もうとしている」と涙ながらに反論した。

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「両親以上に尽くしてくれた人はいない」

「母とホーコン以上に私のために力を尽くしてくれた人はほかにいません。2人はノラにも私にも世界で一番親切な人でした」と証言。「2人がここで言われているように描写されるのは本当に腹が立つ」と語り、母と継父は親としての責任を果たしてくれたと主張した。「彼らはただ私に親切にして助けようとしてくれた。ノラは自分に注目を集めるため2人をスケープゴートにしようとしている」。

Julian Parker / Getty Images

「私はママの息子だった」

しかしその王太子妃の存在がプレッシャーになったとも。「3歳の頃からずっとマスコミに囲まれてきた。それ以来ずっと、嫌がらせを受けてきた」と証言。「私はママの息子として知られてきた。つまり私は承認欲求が非常に強かった。たくさんのセックス、たくさんの酒がそれを満たしてくれた」。どこに行っても「王太子妃の息子」として扱われたことでアイデンティティの危機に襲われていたこと、それゆえにパーティーやセックス、酒、そしてドラッグに走ったと釈明していた。

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判決後の動きは?

判決が出るのは3月中旬から下旬。司法の手続きに影響を及ぼさなくなった時点で王室はホイビーや裁判についてコメントすると見られている。メッテ=マリット王太子妃と性犯罪者のジェフリー・エプスタインとの関係でも揺れているノルウェー王室。王太子一家がホイビーとこれからどう向き合っていくのか、注目が集まっている。

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