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実写『ワンピ』巨大セットはすぐ撤去 サンジ&ナミ&ウソップ俳優が明かす“驚きの撮影裏”

  • 2026.3.13
(左から)タズ・スカイラー、エミリー・ラッド、ジェイコブ・ロメロ クランクイン! 写真:上野留加 width=
(左から)タズ・スカイラー、エミリー・ラッド、ジェイコブ・ロメロ クランクイン! 写真:上野留加

ついに“麦わらの一味”が、常識を超えた海“偉大なる航路(グランドライン)”へ出航した。南アフリカのケープタウンで、2024年7月に撮影が始まり、翌年2月に撮影終了が正式発表されたNetflixシリーズ実写版『ONE PIECE』シーズン2。原作者の尾田栄一郎も撮影現場に足を踏み入れ、直筆のメッセージで「この人達で大正解だった〜〜〜!!!」と実際に会ったキャストたちを絶賛していた。そして今回クランクイン!は、サンジ役のタズ・スカイラー、ナミ役のエミリー・ラッド、ウソップ役のジェイコブ・ロメロの三人にインタビューを実施。南アフリカならではの過酷さも感じたという撮影の裏側を聞いた。

【写真】でかすぎ!w 屋外に設置されたゴーイング・メリー号のセット

■強風・雨に振り回され…過酷な撮影裏

実写版『ONE PIECE』の撮影は初日からフルスロットルで臨まなければいけない。エミリーいわく、シーズン1のクランクインは、海軍基地の磔場でのモーガンとのバトルシーンの撮影だったそうで、スタント・シークエンスに4日間も費やされた。初日からハードなのはシーズン2も同様で、今回は海賊たちの半分が散るといわれる難所リバース・マウンテンのシーンから挑むことになる。

「この作品は、いきなり一番クレイジーなシーンから撮影を始める癖があるんです(笑)。シーズン2の最初の2〜3日は船のシーンから始まりました」とエミリー。ゴーイング・メリー号を含む船のセットは、屋外に組まれるほど巨大で、ジェイコブは「撮影したケープタウン・フィルムスタジオに向かう途中の高速道路からセットが見えるんです。みんなで車に乗りながら、傾いたセットが見えた時は『いよいよだ』という気分になりました」と冒険の始まりかのような撮影初日を振り返る。

海流が山をかけ登るリバース・マウンテンは、“偉大なる航路(グランドライン)”の第一関門。第2話では、サンジがすべり落ち、全員が振り落とされそうになるほど激しい流れの中を進む様子が描かれたが、セットはびしょ濡れで、キャストたちは足をすべらせながら同シーンに挑んだ。

「リバース・マウンテンの撮影は、上り下りが激しくて、衝突するかと思うようなクレイジーな出来事だらけ。最初の数日は本当にハードだった。でもすごく楽しかったです」とエミリーは笑う。

過酷なのはストーリーだけではない。ケープタウンには強い風が吹く日もある。「船に張った大きな帆が強風を受けてしまうと、みんなにとって安全かどうかを判断しながら撮影を進めなければいけないんです。かつらや髪の毛があちこちに吹き飛ばされるシーンも多くて、強風はいつも撮影の妨げになりました」とジェイコブが説明する。

強風のせいで撮影スケジュールを変更することもあったそうで、エミリーは「そういう時は撮影日を入れ替えて、先にスタジオで撮れるシーンを撮影して、風が弱まるまで待つんです」と補足。

加えて、タズも「冬は雨の問題もありました」と切り出し、「冬の雨は本当に撮影スケジュールを狂わせるんです。ラブーンの体内のセットは天井や屋根がなくて、体の下半分しかなかった。だから雨が降ると撮影ができなくなるんですけど、ほとんどが雨でした。なので、雨が降っても一応待機しておいて、止んだ瞬間に急いで撮影して、また隠れる…という日もありました」と吐露。天候に関しては三人とも苦労したようで次々とエピソードが飛び出した。

実写化不可能と思われた『ONE PIECE』だが、本シーズンのRotten Tomatoesの評価は、批評家スコアが100%、観客スコアが95%と抜群に高い(3月13日時点)。VFXに頼り切るのではなく、セットやプロップス、衣装など隅々までこだわったリアルな撮影によって、作品の世界観を忠実に再現していったことが功を奏したのだろう。体が伸びたり、バラバラになったり…と非現実的なキャラクターがわんさかいるからこそ、地に足のついた世界観の構築が求められる。

シーズン1では、海上レストランのバラティエ、バギーのテント、カヤの屋敷などが登場したが、本シーズンも目を見張るような撮影セットの連続。

三人に最も感動したセットを聞くと、ジェイコブが「選ぶのが本当に難しい」と考え込んだ。というのも、実際に建てられたセットに触れながら、芝居ができる作品は、決して多くはないそうで、たくさんの職人たちが関わっているセットをピックアップするのは簡単ではなかったようだ。そんな中でジェイコブが挙げてくれたのが、ウイスキーピークのシーンだった。

■息抜きはどうしてる? 新田真剣佑と過ごした人も

「すごく美しい景色の真ん中に、ウイスキーピークのセットが建てられていたんです。しかも、撮影していた頃が野花のシーズンで、セットの周りにはたくさんの花が咲いていました。カメラを置いている場所から少し歩けば、野生の馬にも会えるんですけど、地元の男性グループが裸馬のまま、ひょいっと乗って、そのままどこかに走り去って行ったんです。もう本当に魔法みたいで神秘的な光景でした。『ONE PIECE』のようなファンタジーの世界にいる気分でした」


また、エミリーは「やっぱりラブーンはすごかったと思う」とかみ締める。巨大なだけでなく、胃液や腐乱死体が散らばっており、細部にまでこだわられたセットだった。

「ただでさえ大きいゴーイング・メリー号を入れなければいけないので、ラブーンの体内のセットはスタジアム級の大きさでした。しかも、われわれの船だけでなく、難破船もあったんです。加えて、泡立つ水を胃液に見立てたり、胃の内側の壁を濡らしたりして、本当に胃の中にいるように見せていました。とにかくものすごく手間がかかっていたんです」と驚きの裏側を明かす。

来日記者会見でゾロ役の新田真剣佑は、ラブーンのセットは1周すると5分はかかると言っていたが、エミリーは「わたしの感覚では10分くらいかかっていた気がします」とより巨大に感じたという。

そんな豪華なセットは、さみしいことに、撮影が終わるとすぐに撤去されていくのだとか。「わたしたちがラブーンの体内で撮影したのは1エピソードだけだったので、撮影が終われば、セットはなくなってしまいました。すごく美しいセットなのに、そこがさみしいところなんですよね。『ONE PIECE』は島から島へと旅する物語なので、セットに愛着が湧いた頃には、『はい、次の島ですよ』という感じで別れることになるんです」とエミリー。「『ONE PIECE』のテーマパークができるくらい、たくさんのセットがありました」とジェイコブは笑う。

思い出話に花を咲かせる中で、タズが「誰か恐竜を見た?」と二人に訪ねた。第4話で、ゾロとサンジがT-レックスと対峙(たいじ)する場面があるが、同シーンにナミはいないので、エミリーは一部のセットしか見ていなかったらしい。ところが、恐竜が大好きだというジェイコブは、こっそりと見に行ったと言い、「本当に恐竜が大好きで『どこにいるんだ!?』って探しに行ったよ」とうれしそうに話す。

T-レックスが登場するのは、ほぼ1シーン。タズは、短いシーンのために、実物大のプロップが用意されていたことが印象的だったようで「恐竜の隣で芝居ができたのは本当に驚きでした。動きや仕掛けも含めて本当にすごかった。これまであまりインタビューで答えてこなかったんですけど、あの恐竜はとにかく信じられないくらい大きかったんです」と興奮気味に語る。

尾田が納得する世界に仕上げるため、キャストとスタッフが一丸となって作り上げてきた実写版『ONE PIECE』。長期にわたる撮影の息抜きは、三者三様だったようで、タズはアクセサリー作り、エミリーは陶芸や編み物、ジェイコブは作曲に没頭した。

三人とも別々の方法で趣味を楽しんだようだが、何かを生み出すという点では共通している。さらに、出来上がったものを贈り合うこともあるそうで、ジェイコブは「僕が持っているお気に入りの帽子の一つはエミリーが編んでくれたんです」とうれしそうに明かす。

するとエミリーも「ジェイコブは、いつもアパートで音楽を作っているの。本当にすごいアーティストです」と言い、タズも「素晴らしいシンガーでもあるんです。本人は自分から言わないけれど、彼の曲が僕のプレイリストに入っていて、すごく耳に残るんだ」と絶賛する。

またタズは、作ったアクセサリーを撮影で使うこともあるそう。「シーズン2でサンジがつけている指輪のうち2つは僕が作りました。南アフリカでシルバーをたくさん買ったんです」と明かす。

するとジェイコブは「タズがアクセサリー作りに夢中になり始めた時は、本当に思いやりがあって、僕たち全員に、ドクロとクロスボーンの指輪を作ってプレゼントしてくれたんだ」と仲良しエピソードを披露。

新田とタズは、シーズン1の撮影時から共にアクセサリー作りをする仲になったようで、「撮影が終わった後や週末にうちに来て、一日中、磨いたり、穴を開けたり、いろいろ作業をして過ごしました。真剣佑には、自分で作れるようにシルバーをたくさんあげたんです。あ、すごく大きい電伝虫も作りました(笑)」と思い出をシェアしてくれた。

来日時は朝の4時台に空港に、ホテルに6時頃着くスケジュールだったというが、ジェイコブは「今から焼き肉を食べに行こう!」となんとかタズを説得し、朝8時までやっている焼肉店に行ったのだとか。

タズは「焼き肉を食べ終わった後にジェイコブが『最高だった。もう満足だ。じゃあ魚市場行こう』って言ってきて、僕は『いやいや…』って感じだったんですけど、結局市場に行って、ジェイコブはいきなり巨大なカニの脚にかぶりついていました(笑)」と言い、ジェイコブも「タズが『ウニ食べてみたい』って言うから、一番大きいウニ丼を頼んだんだ。しかも卵乗せで。本当にクレイジーでした。しかもこれ全部、朝9時前の出来事なんですよ」と笑う。

タイトなスケジュールの日本滞在の中で、イベントではファンとの交流も楽しみ、「ファンたちのエネルギーが大きくて2日酔いになった気分だった」と語る三人。『ONE PIECE』が生まれた日本で作品がファンに認められたことにも喜んでいた。

シーズン2が配信されたばかりではあるが、本作のシーズン3の撮影は、すでに昨年の11月から始まっており、まだまだ“偉大なる航路(グランドライン)”の冒険は続いていく。この先、どんな風にわれわれの度肝を抜いてくれるのか。撮影外でも“麦わらの一味”のような絆を見せるキャスト陣ならば、期待を遥かに越える旅路を見せてくれることだろう。(取材・文:阿部桜子 写真:上野留加)

Netflixシリーズ『ONE PIECE』シーズン1~2は、世界独占配信中。

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