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侍女を務める直(白石聖)。侍女は花嫁修業だけでなく、武器を持って戦うこともあった。戦国女性たちの力強い生き方とは【NHK大河『豊臣兄弟!』9話】

  • 2026.3.11

*TOP画像/直(白石聖) 喜左衛門(大倉孝二) 大河ドラマ『豊臣兄弟』9話(3月8日放送)より(C)NHK

 

『豊臣兄弟!』(NHK総合ほか)ファンのみなさんが本作をより深く理解し、楽しめるように、40代50代働く女性の目線で毎話、作品の背景を深掘り解説していきます。今回は戦国時代における「侍女」について見ていきましょう。

 

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侍女は家族の一員のような存在

『豊臣兄弟!』の8話では、直(白石聖)と小一郎(仲野太賀)がようやく一緒に住めるようになったのも束の間、直は争いに巻き込まれ、この世を突然にして去ってしまいました。9話では、直の死を嘆く遺族の苦しみ、直が小一郎に託した夢が描かれていました。

 

本作の3話では、清須到着後、藤吉郎(池松壮亮)、小一郎、直は住まいを巡って頭を悩ませていました。結局、小一郎は藤吉郎の粗末な家で暮らし、直は寧々(浜辺美波)の侍女として浅野家においてもらうことで落ち着きました。

 

直は中村一の権力者である坂井喜左衛門(大倉孝二)の愛娘であり、育ちのよいお嬢様。直は寧々に侍女として異例の状況の中で仕えることになりましたが、家政婦やメイドのような扱いを受けていたわけではないはずです。直が寧々と姉妹のように行動をともにするシーン、直が寧々に助言を送るシーン、寧々が直を心から心配するシーンがいくつも挿入されています。

 

戦国時代には、家臣の娘が大名家の正室や側室、姫君に仕え、花嫁修業を行うことも珍しくありませんでした。当時は、良妻賢母を育てる学校はありませんので、若い女性は大名家に仕え、妻としての振る舞いを学ぶこともあったのです。さらに、侍女には大名に気に入ってもらい、側室になるチャンスもありました。

(※江戸時代になると、大奥が花嫁修業の場となり、側室への出世チャンスもある玉の輿ルートになります。)

 

侍女の仕事の中には料理や洗濯といった雑用も含まれますが、正室や側室、姫君の身のまわりの世話が主な仕事です。正室や側室の髪を結ったり、着替えを手伝ったりしたほか、着物や装飾品の管理を任されることもありました。

 

そのほか、侍女の重要な役割として、お仕えする家の子どものお世話があります。侍女は子どもに乳を与える役割もあったため、出産直後で母乳の出る女性が家臣の中から選ばれることもありました。

 

ちなみに、侍女の実子と主君の子どもは同じ女性の乳を飲みながら、きょうだいのように育ちます。

 

人間は自分を幼い頃からかわいがり、世話をしてくれた人に対して深い愛情を抱くものです。自分が育てた子どもが成長して家督を継ぎ、権力を握った際には、高い地位や扶持を与えられた侍女も多くいたと伝わっています。

 

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侍女は鉄砲を持ち、敵に挑むことも!?

戦国時代といえば、鎧を着て、鉄砲や槍を持った男性が敵に挑む姿をイメージする人も多いと思います。

 

しかし、いざ戦争が始まれば、“私は女だから後方支援しかできない” “女性は戦場には行かないし、武器を持たないものでしょ”などと言っていられないのが世の常です。女性も戦闘員として参戦することもありました。

 

お仕えする家によっては侍女も戦闘部隊の一員としてみなされます。例えば、立花誾千代(たちばなぎんちよ)は夫・宗茂が不在のときに立花城を守るため、侍女と武装し、敵の攻撃に備えていました。

 

また、池田輝政の娘の一人は鉄砲部隊を侍女たちで組織しました。侍女に鉄砲の訓練を日々させていたといわれています。

 

さらに、三村高徳の妻・鶴姫は侍女30人ほどで女性部隊を編成し、毛利軍に落城寸前に挑んでいます。鶴姫が率いる部隊は全員残らず命を落としました。

 

戦国時代において戦場で戦った女性や武器を持って訓練した女性は少数派であったものの、当時の女性は全体的にしたたかだったといわれています。女性は“血を見慣れているから強い”という見方もされることもあり、か弱い存在として必ずしも扱われていたわけではありませんでした。

 

近年、女性を徴兵の対象にする国は男女平等の観点から増えてきています。女性の徴兵にとまどいやおどろきの声が上がっていますが、日本においても女性が勇ましく敵と戦っていた時代もあったことは心に留めておいてもよいかもしれません。

 

 

<参考資料>

小和田哲男『戦国 忠義と裏切りの作法』ジー・ビー、2019年

歴史の細道チャン『知らない日本史 戦国~江戸時代編』 マイナビ出版、2023年

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