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化粧品の広告ルールは国ごとに違うって本当?購入時に気をつけたい5つのチェックポイント

  • 2026.3.6

なんとなく、海外コスメの方が効果が高そう・・・と思っていませんか?
「海外コスメは強い効果をアピールできる」「日本は規制が厳しいから言えない」といった意見を目にしたことがある方もいるのではないでしょうか。

化粧品の広告に関するルールって、国ごとに違うの?

現役化粧品メーカー研究員で特級コスメコンシェルジュでもある船木彩夏さんの解説です。

日本の「化粧品で謳える効能効果」=いわゆる56項目とは?

日本で化粧品として一般に広告できる効能効果は、行政通知の別表で整理されており、いわゆる「56項目」が参照されます。
代表的な例には「皮膚を清浄にする」「肌を整える」「うるおいを与える」などがあり、『肌の状態を健やかに保つ』方向が中心です。
そのため、「シミが消える」「ニキビが治る」など『治療』を断定する表現は、化粧品の範囲を超えて受け取られやすく注意が必要です。
一方で「肌を整える」「つやを与える」「乾燥による小ジワを目立たなくする(※条件あり)」のように、肌状態を健やかに保つ表現は枠内で整理できます。
ここで重要なのは、「謳っていいことが56個しかない=該当しない表現は全て禁止」ではない点です。
実務では、メーキャップ効果(見せ方)や使用感(清涼感、爽快感など)について、事実に反しない限り認められる、となっています。
ただし、海外のサイトのように、境界線を越えると化粧品ではなく、医薬部外品や医薬品の領域(治療・改善の断定、疾病を想起、作用機序の断定など)に触れやすくなるため、購入者の判断が難しくなってしまうのです。

「日本の表現規制は海外より厳しい」は本当?

日本は、化粧品で謳えることが少なく(規制が厳しい)、海外製品はさまざまな効果が謳えるとの意見が上がることも多いですが、これは本当なのでしょうか?
代表的な例を見ていきたいと思います。

日本:効能効果の謳い方を「枠」で管理しやすい
日本は、化粧品の効能表現について通知別表(56項目)が実務上の拠り所になっており、アウト判定がしやすい構造です。
美白やシワ改善など、特定の効果効能を謳うには、医薬部外品として申請し、承認される必要があります。
そのぶん、研究内容があっても広告文言に落とし込むときは慎重さが求められ、「研究しているのに自慢できない」と感じやすい面があります。

EU:謳える幅は広いが「根拠と誤認防止」に厳しい
EUは、化粧品のクレーム(主張)について、誤認させないことや根拠の求め方を『共通基準』として明文化しています(法令とガイダンスがセット)。
「何を言うか」だけでなく「どう裏付けるか」「消費者を誤解させないか」に重心があるイメージです。

米国:事前承認は基本不要だが「薬扱い」になる線引きが強烈
米国は、化粧品の表示が事前に承認される仕組みでは基本ありませんが、病気の治療・予防や身体の構造機能に作用するような主張をすると『薬扱い』になり得る、という線引きが明確です。
つまり「自由に言える」ではなく、「言い方を間違えるとカテゴリが変わる」タイプの厳しさです。

韓国:機能性化粧品という『制度枠』が目立つ
韓国には、しわ改善・美白などの日本の医薬部外品のような「機能性化粧品」の考え方があり、制度上の区分がはっきりしています。
また、表示・広告ガイドラインの見直しや、オンライン広告の摘発など、運用強化の動きも報じられています。
「韓国は広告規制が緩い」と一概にはいえず、少なくとも近年は『医療っぽい表現』の是正に動いている側面があります。

つまり、日本は「言い方(効能効果)」を枠で管理する厳しさ、EUは「根拠と誤認防止」の厳しさ、米国は「薬扱いへの線引き」の厳しさがあり、単純に厳しい・緩いだけでは比較できないのです。

何に気を付けて化粧品広告や販売サイトを見るべき?5つのチェックポイント

韓国をはじめとする海外コスメ人気の背景には、処方設計やトレンド発信の巧さ、マーケティングなど多面的な理由があります。
一方で日本では、化粧品広告の効能表現が『枠』で管理されているため、SNS上で海外由来の強い言い回しが混ざると、国内基準とのズレが一気に可視化され、炎上・混乱につながりやすく、海外発信の化粧品と比較すると、表現が弱く見えてしまうのかもしれません。
海外の化粧品広告を見る場合、以下の5点に気を付けて見てみましょう。
(2以下は日本の広告を見る場合も参考にしてくださいね!)

1)日本語ページ・円決済・日本向け広告があるか
日本の消費者を明確にターゲットにしている(=日本向け勧誘が強い)場合、表示や広告表現が 日本基準に寄せられているべき局面が増えます。
そのため、強い断定表現が残っていたら要注意、といえます。

2)「治る・消える・再生」など治療を想起させる断定がないか
そのコスメの宣伝が化粧品の範囲(肌を清潔に保つ・整える・うるおす等)をあまりにも逸脱するような場合、信頼性に懸念があるサイトである可能性があります。

3)劇的な改善がみられるビフォーアフター画像や医師推奨など『保証っぽさ』が過剰でないか
その情報が「個人の体験」ではなく「誰でも同じ結果になる」ように誤解させるようになっていないか、確認してみましょう。
医師や大学などによる権威付けや劇的な変化を見せることで、冷静な判断を飛ばす作りになっているような場合も、要注意です。

4)お問い合わせ先・返品条件が確認できるか
成分に関する質問や肌トラブル、購入に関する何かが起きた時の責任主体が明確で、トラブル時に回収可能な状態かは確認しておきましょう。
メールアドレスが掲載されている場合が多いですが、初めて利用する場合は、実際に簡単な質問(●●は配合されていますか?とか、どのくらいで届きますか)を送ってみるのもおすすめです。
返信の有無やその内容によって、安心かそうでないかはある程度確認できます。

5)口コミなどがPR案件と思われる場合、PR表記が曖昧でないか
その情報が広告(利害関係あり)か、独立した感想かを判断するのに、広告やPR表記は重要です。
PRなのに隠されている場合、内容が誇張に寄りやすく、情報のバイアス(盛り)が強い可能性があるため、気を付けたいですね。

大切なのは、広告や宣伝の中身だけでなく、
・どこで販売されているか(国内or国外)
・個人輸入か、国内での流通か
・誰が発信しているか(公式、販売業者、インフルエンサー、個人ブログなど)
・表現が『効能の断定』になっていないか
をしっかりと確認すること。
ルールを理解した上で情報を選べば、消費者も発信者も、安心してコスメを楽しめるはずです。
実際問題、表現が行き過ぎた製品は、WEB上には散見されます。
派手な効果や過激な宣伝に惑わされず、表現の正しさや安全性をしっかり確認して、使用するコスメを選びたいですね。

参考文献:
1.厚生労働省. 化粧品の効能の範囲の改正について(平成23年7月21日 薬食発0721第1号)[Internet]. 2011 Jul 21 [cited 2026 Mar 2]. Available from: https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11120000-Iyakushokuhinkyoku/kesyouhin_hanni_20111.pdf
2.European Union. Commission Regulation (EU) No 655/2013 of 10 July 2013 laying down common criteria for the justification of claims used in relation to cosmetic products [Internet]. 2013 Jul 10 [cited 2026 Mar 2]. Available from: https://eur-lex.europa.eu/eli/reg/2013/655/oj/eng
3.U.S. Food and Drug Administration. Cosmetics & U.S. Law [Internet]. [cited 2026 Mar 2]. Available from: https://www.fda.gov/cosmetics/cosmetics-laws-regulations/cosmetics-us-law
4.Ministry of Food and Drug Safety. Cosmetics: Functional Cosmetics [Internet]. [cited 2026 Mar 2]. Available from: https://www.mfds.go.kr/eng/wpge/m_24/de011014l001.do

[執筆者]


船木 彩夏
化粧品メーカー研究員

[出演情報]
2023.12.2 TBSラジオ:井上貴博 土曜日の「あ」

<資格>
・サプリメントアドバイザー
・健康管理士上級指導員
・健康管理能力検定1級
・日本化粧品検定 特級コスメコンシェルジュ

[監修]キレイ研究室編集部

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