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海外コスメと広告表現の関係とは?情報発信の仕組みについて特級コスメコンシェルジュが解説

  • 2026.3.5

最近、韓国コスメをはじめ、さまざまな国のコスメが大人気です。
「日本製は効果がない」「海外製品の方が効く!」といった声も聞かれますが、これって本当?
現役化粧品メーカー研究員で特級コスメコンシェルジュでもある船木彩夏さんの解説です。

海外コスメの真実・・・基本は日本のコスメと同じルール!

「海外コスメは効果が強い・攻めのコスメ」「日本の化粧品はやさしい作用・守りのコスメ」
これらは、SNSでよく見る表現ですが、果たして真実なのでしょうか。
実は、日本で化粧品を販売・広告する以上、どこの国の製品であったとしても、原則として日本のルール(薬機法=医薬品医療機器等法の広告規制)に沿う必要があります。
海外製の化粧品ボトルや箱に、日本語表記での全成分や問い合わせ先などが印刷されたラベルシールが貼られているのを目にしたことがある方も多いのではないでしょうか。
このラベルシールは、日本の法律に合わせて作成されたものです。
表記はもちろん、広告宣伝も同じ。
しかし、ネット上(SNSや販売サイト)などでは、通常の日本製品では見られていないような「一瞬で毛穴が消失!」「シミどこ行った?」「女優級美肌爆誕」などの過激な文言もよく目にしますよね。
海外サイト・個人輸入・インフルエンサーの発信が絡むと、誰がどのルールの対象なのかが見えにくくなり、炎上が起きやすいのです。
今回は、購入先と情報の発信についてまとめます。

薬機法の広告規制は「メーカーだけ」の話ではなく「インフルエンサー」も該当する?!

薬機法の広告規制で有名なのが「誇大広告等の禁止」です。
ポイントは、対象が企業だけでなく『何人も』(だれでも)になり得ること。
つまり、販売元だけでなく、状況によっては広告に関わる人(媒体、広告代理、発信者)も視野に入ります。
基本的に、日本の化粧品メーカーには薬事担当者や部署があり、広告媒体等に違反がないか、厳しくチェックされています。
そのため、公式サイトや国内の販売サイトにおいて、薬機法違反となる事例はそんなに多くはありません。
行政の監視指導は、広告依頼者だけでなく広告代理業者・媒体関係者・インターネット事業者等も対象にし得る、という運用も示されていますが、日々更新・発信されるインターネットやSNSの世界に対し、現実問題として対応が追い付いていない、という事態があります。
※厚生労働省も、医薬品医療機器等法違反の疑いがあるインターネットサイトの情報を募集しています。
このような状態のため、「企業が守っていても、周辺の発信がゆるい(規則を守る必然性を知らずに発信してしまっている)」状態が起こり得るのです。

「国内で売ってないから日本の規制に当てはまらない?」は半分正しくて半分誤解

以下、ネット上で混ざってしまいがちな、海外製品の購入経路や情報の入手先4パターンについてまとめてみます。

A.日本国内で正規流通(輸入品含む)しているケース
日本で販売するなら、ラベル表示や広告表現は日本ルールの影響を受けます。
広告については薬機法の枠組みで「虚偽・誇大」や「保証と誤解される表現」などが問題になり得ます。
このケースで「海外では謳える」表現を、そのまま日本向け販促に持ち込むのはリスクが高いため、日本の製品と同様の基準で運用されていることが多いといえます。

B.海外の販売サイト(越境EC)で買えるケース
「海外サイトだから日本の法律は無関係」と言い切るのは雑で、ここが最も誤解の温床です。
実務的には、日本の消費者に向けた広告・勧誘に当たるか(日本語で効能を断定、円建て、発送明示、SNSで日本の購入導線を強く促す等)でグレーが増えます。
例えば、表示言語が外国語(英語や韓国語)のみで、日本語ページがなく、決済もドルやウォンのみ、海外発送は可能だが、特に日本への発送を想定していないような通販サイト。
このような場合、海外の表現がそのままなので日本の薬機法の基準に合わせたチェックが入っていないことが多いため、誤認を招きやすいといえます。
反対に、海外のサイトっぽくても、日本語専用ページがあったり、円表記や円決済が前提だったりと、日本の消費者を狙っているような場合は、越境ECであっても日本の広告ルールを守る必要があると考えられます。
越境ECだからといって、必ずしも日本の薬機法に縛られていない・縛られる必要がないというわけではないのです。

C.個人輸入(消費者が自分で買う)ケース
個人輸入そのものは「消費者の自己責任の購買」として語られがちで、国内規制の外っぽく見えます。
個人輸入で海外サイトや販売ページから購入する場合、そのサイトは基本的に日本の広告チェックが入っていないと考えられます。
「化粧品」扱いのはずが、表現や期待される用途が 治療・改善寄りに見えるものも混ざりやすいため、購入者は、宣伝文句を日本基準でそのまま信じないなど、注意が必要です。
もちろん、個人輸入は違法ではないですし、海外製品=危険でもありません。
情報の見極めが、買う側の責任によりやすい点は注意が必要です。

D.SNS発信(インフルエンサー投稿/口コミ投稿)によるケース
販売や宣伝サイトが海外のものであっても、日本の発信者が日本語で「治る・消える・再生する」など治療を想起させる表現で購入を強く誘導すると、発信それ自体が広告表現として問題視されることがあります。
とくにビフォーアフター画像、医師推奨ニュアンス、PR表記の曖昧さは誤認を招きやすいため注意が必要です。

話題の海外コスメ。
インフルエンサーなどの紹介や、動画広告ですごい効果を示されると、とても魅力的に見えることもありますよね。
その情報がどこからきているのか、正しいのか・・・きちんと自身で整理して、判断することが大切ですね。

参考文献:
1.厚生労働省. 医薬品等の広告規制について [Internet]. [cited 2026 Mar 2]. Available from: https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iyakuhin/koukokukisei/index.html
2.PMDA. 「薬事監視指導要領」等の改正について(薬食発1217第3号)[Internet]. 2014 Dec 17 [cited 2026 Mar 2]. Available from: https://www.pmda.go.jp/files/000266183.pdf
3.日本化粧品工業連合会. 化粧品等の適正広告ガイドライン 2020年版 [Internet]. 2020 Jun 15 [cited 2026 Mar 2]. Available from: https://www.jcia.org/user/common/download/business/advertising/JCIA20200615_ADguide.pdf

[執筆者]


船木 彩夏
化粧品メーカー研究員

[出演情報]
2023.12.2 TBSラジオ:井上貴博 土曜日の「あ」

<資格>
・サプリメントアドバイザー
・健康管理士上級指導員
・健康管理能力検定1級
・日本化粧品検定 特級コスメコンシェルジュ

[監修]キレイ研究室編集部

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