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適応障害を乗り越え、今日もメスを握る! 外科医×3児の母×オタク――驚異の「三刀流」で駆け抜ける、パワフル女医の日常【書評】

  • 2026.2.25

【漫画】本編を読む

「お医者さんって、どんな日常を送っているんだろう?」という疑問を持ったことがある人は少なくないだろう。『腐女医の医者道! 外科医のプライド編』(さーたり/KADOKAWA)は、現役外科医であり、3児の母であり、オタクでもある著者のリアルな日常を、本音まじりに描いた人気コミックエッセイの最新刊だ。

本シリーズはこれまでにも、医療の現場で起きる出来事や、育児、そしてオタ活事情まで赤裸々に描いてきたが、このたびの「外科医のプライド編」では、著者が適応障害を経験しながらも、外科医として本格的に復帰した後の奮闘がテーマとなっている。

本作の魅力は、決して“医療あるある”的な職場ネタだけにとどまらないところ。特に、今回は重く緊張感のある出来事が次々と起こる医療の現場の話に加え、適応障害から復帰した後、仕事中に襲ってくるフラッシュバックへの苦悩や、それでもなぜ仕事を続けるのかという部分にも焦点が当てられる。さらに、忙しい仕事の合間を縫って3人の子どもたちの学校行事に参加する様子や、子どもそっちのけで推し活に没頭する姿など、笑いあり涙ありのエピソードがページを彩る。「医者としての顔」と「ひとりの人間としての顔」を行き来する著者に親近感を覚えると同時に、彼女のバイタリティに絶句するはずだ。

それにしても意外なのは、医療現場で働く人々とオタク気質の親和性だ。子どもの頃からマンガやゲームに没頭し「腐女医」を自認する著者が少女マンガに再びハマった時の熱の入りようと、患者とのやりとりや手術のシーンでの術式や使用する器具への深い造詣とこだわりには、共通する「驚異的な集中力」「知への飽くなき渇望」のようなものが感じられる。

別世界にいると思いがちな「先生」と呼ばれる人たちも、やはり同じ世界に住む人間なのだ。そう思わせてくれるバランスこそが本作最大の魅力であり、真面目な話題にもかかわらず肩肘張らずに楽しめる理由となっている。

文=練馬麟

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