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嫁の出産にあわせて「2週間の育休」取得→給与明細を確認してみると…30代男性が絶句した“想定外の大誤算”【社労士は見た】

  • 2026.3.23
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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

こんにちは!社会労務士の加藤あゆみです。

最近では、育休を取ることに前向きな男性が増えてきた実感があります。

相談の場でも「妻に頼まれたので2週間取ろうと思っています」という声をよく聞くようになりました。ただ、その後に「思ったより給付金が少なくて」と肩を落とす方が少なくないのも現実です。

制度を正しく理解していないと、タイミング次第で受け取れる金額に大きな差が出てしまうからです。賢く制度を活用するためのポイントを整理しましょう。

給付額を左右する「直近6ヶ月」の落とし穴

ある30代男性の営業職の方のケースが印象に残っています。月収は手取りで30万円ほど。

子どもの誕生に合わせて2週間の育休を取り、給付金を楽しみにしていたそうです。

ところが実際に支給されたのは想定の半分以下。「制度を使ったのにこれだけ?」と、驚きを隠せない様子でした。

育児休業給付金は、育休開始前6ヶ月間の賃金をもとに計算されます。具体的には、その期間の総賃金を180で割って1日あたりの賃金日額を出し、そこに支給日数と給付率(最初の180日間は67%)をかけた金額が支払われます。問題は、この「直前6ヶ月」に何が入るかです。残業が少なかった月、欠勤があった月、入社直後で賃金が低かった月が含まれると、実態の月収より大幅に低い額がベースになります。

この方の場合、育休開始の半年前にちょうど部署異動があり、残業が激減していた時期が計算期間に重なっていました。普段の月収の感覚より2割以上低い数字が基準になってしまったのです。「残業代が多い月を計算期間に含めるように、育休の開始タイミングを少しずらす」という選択肢があることを、後から知ったと話していました。

社会保険料免除と「産後パパ育休」の活用

もう一つ、誤解されがちな点があります。育休中は社会保険料の支払いが免除されるため、手取りベースで見ると給付率67%でも実際の受取額は休業前の約8割になることが多いのです。「大幅に収入が下がる」と思って踏み出せずにいる男性には、ぜひ知っておいてほしい数字です。

また、取得時期によって適用される制度が異なります。出生直後に取る場合は「産後パパ育休(出生時育児休業)」が対象になることがありますが、要件や手続きが通常の育休と異なるため、事前に会社の担当者やハローワークに確認しておくことが大切です。

育休を取る前に、直近6ヶ月の給与明細を手元に並べてみてください。どの月が計算対象になるかを意識するだけで、受け取れる給付金が変わることがあります。制度は知っている人が得をする、そういう面があることを覚えておいてほしいと思います。

事前シミュレーションが家計を守る

給付金は「知っている人だけが得をする」側面があります。

育休に入る前に直近6ヶ月の給与明細を確認し、支給額の目安を把握しておきましょう。状況によっては開始時期を微調整するだけで、家計への負担を最小限に抑えることが可能です。


監修者:あゆ実社労士事務所
人材育成・キャリア支援を軸に約10年の実務経験を持つ、社会保険労務士/国家資格キャリアコンサルタント。 IT企業の人事として、新卒・若手育成、研修設計、評価・キャリア支援の仕組みづくりに携わる一方、個人では企業や個人に向けたキャリア相談・人事支援を行っている。 これまでに累計100名以上のキャリア面談を実施し、1on1制度設計や面談シートの設計、育成施策の言語化を支援。 近年は生成AIを活用した業務設計・人事業務の効率化にも注力し、「現場で使えること」を前提にしたAI活用の伴走支援を行っている。