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「高速道路がビルの中を貫通」「神社が1階に」一見マイナスに見える物件こそ…宅建士が教える"意外なメリット"

  • 2026.3.30
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出典元:PIXTA(画像はイメージです)

皆さま、こんにちは。大学卒業後に大手不動産会社に入社し、長年現場経験を積んできた宅地建物取引士のライターT.Sです。街を歩いていると「なぜこんな場所にこんな建物が」と不思議に思うような不動産を見かけることがあります。

今回は一見すると変わった立地に見えるものの、実はプロの知恵と計算が生み出した物件について解説します。表面的な情報だけでは分からない、不動産の奥深い魅力と合理的な判断に迫ってみましょう。

制度の活用や配棟の工夫が生み出す合理的な形

不動産業界で話題になる建物といえば、大阪にあるビルの中を高速道路が貫通している物件です。これは地権者と道路公団が長年の交渉を重ねた末、立体道路制度という仕組みを適用して生まれた珍しい構造のビルといえます。

また、一般的な分譲マンションでも、敷地内や隣接地に巨大な高圧鉄塔が鎮座している光景を見かけることがあります。これは電力会社の地役権(自分の土地の利便性を高めるために他人の土地を利用する権利)により、上空に建築制限がかかる土地をデベロッパーが相場より手頃な価格で仕入れた事例です。

鉄塔を避けるように建物の配置を工夫し、居住空間を確保することで、相場よりも価格が抑えられた合理的な選択肢となっています。

神社との一体化や永久眺望という客観的な視点

都心の一等地では、近代的な高級マンションの1階部分に神社の鳥居や本殿が組み込まれている事例も存在します。これは老朽化した神社の建て替え費用を捻出したい宗教法人と、一等地の土地を取得したいデベロッパーの利害が完全に一致した等価交換(土地を提供して同価値の建物を取得する手法)の象徴的な光景です。

また、窓の目の前が巨大な墓地ということを気にする方もいるでしょう。一方で、将来高いビルが建って日照が遮られる可能性が低いという要素もあります。将来にわたって良好な日当たりと静かな環境が確保できることに魅力を感じ、あえてこうした物件を選ぶ方も実際のところ多くいらっしゃるのです。

現地確認の徹底と特性を活かした物件選び

こうしたイレギュラーな物件は、鉄塔のスケール感や周辺の雰囲気など、現地でしか分からない独特の空気感を持っています。未完成の状態で販売される物件の場合、図面や綺麗な完成予想図だけでリアルな環境を把握するのは困難といえるでしょう。

事前に現地へ足を運んで特有の環境を確認し、自身のライフスタイルにおいて許容できるのであれば、周辺相場よりも価格を抑えて購入できるというメリットがあります。売却時にも独自の環境に納得してくれる買い手は一定数おり、適切な価格設定を行えば十分に取引は成立します。

資産価値の特性を冷静に理解して賢く選ぶことが、不動産探しの醍醐味といえるのではないでしょうか。



ライター:T.S(宅地建物取引士)
大学卒業後、大手不動産会社に入社。10年以上にわたり、都心のタワーマンションから郊外の築古戸建てまで、数多くの現場経験を積む。現在は不動産ライターとして、消費者に役立つ実体験に基づく記事を執筆している。


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