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「飛行機は電化できない」SAFは難しい空の脱炭素化の試金石 国内生産を始めたコスモ石油

  • 2026.2.25

元経済産業省官僚でエネルギー事情に詳しい政策アナリストの石川和男が2月26日、ニッポン放送Podcast番組「石川和男の徹底解説1から学ぶSAF知識」に出演。昨年、国内でSAF=持続可能な航空燃料の製造を始めたコスモ石油の担当者に現状と今後の課題について話を聞いた。

(左から)佐々木真奈美、ゲストの岸和田宏一氏、石川和男
(左から)佐々木真奈美、ゲストの岸和田宏一氏、石川和男

SAF(サフ)は「Sustainable Aviation Fuel」の略で、「持続可能な航空燃料」と訳される。既存の航空燃料は原油から作られており、化石燃料を燃やすため大量の二酸化炭素を排出する。一方のSAFは、食用油や植物油、廃食油などのほかコーンやサトウキビ、藻などを原料にして作られる。これら原料である植物は、光合成を行い大気中の二酸化炭素を吸収するため、燃焼によって二酸化炭素を排出しても、植物の光合成で吸収することで、大気中の二酸化炭素をほとんど増やすことなく航空燃料を使用することができる。二酸化炭素は地球温暖化の主な原因とされる温室効果ガスの最たるもので、排出量の削減が急がれている。

番組に出演したコスモ石油次世代プロジェクト推進部プロジェクト推進グループの岸和田宏一氏によると、コスモ石油では大阪・堺製油所にて、2025年4月から年間約3万キロリットルの廃食用油(使用済みの食用油)を原料とするSAFの製造を始めており、すでに国内外の航空会社に燃料を供給しているという。原料となる廃食用油は、街中にあるガソリンスタンドの一部店舗で家庭から出た使用済みの天ぷら油などをペットボトルに入れてもらい回収しているほか、揚げ物を取り扱う飲食店や大量の油を使う食品工場などから回収している。

岸和田氏はSAF普及に重要性について「航空会社の脱炭素はかなり難しい。例えば電化ができない。飛行機の電動化となると、すべての客席に蓄電池を積む…みたいなことになるため、どうしても(現時点では)液体燃料でのエネルギーを使わなければいけない。その中で、液体燃料として脱炭素できる方法がまずSAF」と述べた。

そのうえで、喫緊の課題としてコスト面の問題を挙げ「原料の需要が高まっており、原料を安価に調達することが難しくなってきている」と指摘。ほかにも「廃食油は、もともと多くが家畜飼料のカロリーアップ材=飼料に少し混ぜてカロリーを高める用途として使われていた。すべてではないが、その残りの一部が輸出されていて、輸出先でバイオ燃料に変わり、それを日本が買っているという状況もある。我々としては、輸出して海外へ持っていくのではなく、そのまま堺製油所へ持ってきて欲しいという発想で、国内資源をそのまま使って自分たちの国内資源でジェット燃料を作る」とのビジョンを語った。

岸和田氏は「SAFは現在もっとも社会実装が近いカーボンニュートラル事業だと思っている。日本の脱炭素を左右する重要なアイテムで、我々が今試されているのは、技術革新や原料の安定調達、コスト負担のあり方など、いろんな脱炭素案件共通の課題。これらをブレイクスルーしていくことで、やっとカーボンニュートラル社会の実現があると思っている。まさにSAFが空の脱炭素の試金石だ」と述べた。

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