1. トップ
  2. 恋愛
  3. 障がいか、人種差別か 英国アカデミー賞授賞式でトゥレット症候群のゲストの“ヤジ”が物議を醸す

障がいか、人種差別か 英国アカデミー賞授賞式でトゥレット症候群のゲストの“ヤジ”が物議を醸す

  • 2026.2.24
マイケル・B・ジョーダン(Michael B. Jordan)、デルロイ・リンドー(Delroy Lindo) Stuart Wilson/BAFTA / Getty Images

現地時間2月22日(日)に英国アカデミー賞授賞式が開催された。ゲストの発言が物議を醸している。

事件が起きたのは視覚効果賞が発表されたとき。マイケル・B・ジョーダンとデルロイ・リンドーがプレゼンターとして登場すると観客の中から、アフリカ系の2人に対して放送禁止用語であるNワードを使ったヤジが飛んだ。発言の主はトゥレット症候群の活動家ジョン・デヴィッドソン。彼をモデルに、トゥレット症候群を患った男性を描いた作品『I Swear(原題。「私は罵る」の意味)』が英国作品賞などにノミネートされていたことから、会場に招待されていた。ジョーダンとリンドーは気まずい雰囲気の中、発表を終えた。

ジョン・デヴィッドソン(John Davidson) Jeff Spicer / Getty Images

このあと、司会のアラン・カミングがフォローした。「背景に強い言葉が流れたことにお気づきかもしれません。この映画ではトゥレット症候群の症状が描かれていますが、一部の人にこの症状が現れることがあります。ご理解とすべての人がリスペクトされる空間を作ることへの協力に、感謝します」とコメント。「トゥレット症候群は障がいで、今耳にしたチックは不随意のものです。つまりトゥレット症候群の患者は言葉をコントロールできないのです」と続けた。カミングが言っているように、トゥレット症候群を患う人には汚言症という、卑猥だったり侮辱的だったりする言葉を発する症状が出ることがある。ヤジでも侮辱でもないと説明した。

デヴィッドソンは授賞式の冒頭でも放送禁止用語を発言。BAFTAの会長のスピーチ中に「黙れ!」というFワードが、また最優秀子ども映画&家族映画が発表時にも「Fuck You」という声が聞こえた。デヴィッドソンは授賞式の後半で自ら退席し、会場を去ったと雑誌『バラエティ』は伝えている。

彼の発言、およびその後のカミングのフォローに対して一部のアフリカ系俳優やジャーナリストから批判の声が上がっている。このシーンがSNSで拡散すると、俳優のジェイミー・フォックスは「受け入れられないことだ。彼はそういう意味で言った」とコメント、デヴィッドソンがアフリカ系を侮辱する意図を持っていたという見方を示した。またジャーナリストのジャメル・ヒルは「黒人は他の人が気分を害さないためになら、軽蔑され人間性を奪われても我慢すべきだと思われている」とSNSに投稿。カミングが最初にデヴィッドソンを擁護したことを指摘した。俳優のウェンデル・ピアースも同様。「最初の反応がリンドーとジョーダンへの全面的な謝罪でなかったことが腹立たしい。彼らへの侮辱を優先するべきだ。人種差別的な言葉がどのような理由で発せられたかは関係ない」とコメントしている。新聞「ガーディアン」が報じている。

ジョン・デヴィッドソン(John Davidson)、ロバート・アラマヨ(Robert Aramayo) Karwai Tang / Getty Images

これに対してこの作品で主人公を演じ、主演男優賞を獲得した俳優のロバート・アラマヨはデヴィッドソンを擁護する立場をとった。「まず、これはチックだ。それを私たちは理解しなくてはならない」とコメントしたと新聞「デイリーメール」が伝えている。「トゥレット症候群をどう捉えるかは、私たち全員の責任だ。卑猥な言葉を叫んでいるわけではない」「口汚いわけではない。トゥレット症候群の症状だ。もしこの作品がトゥレット症候群への理解を深めることにつながり、この症候群に関する対話に役立つならそれは素晴らしいことだ」と作品の持つ意味をアピールした。

ちなみにこの問題のシーンは当初そのまま配信され、その後削除された。ジョーダンとリンドー、デヴィッドソンの反応に注目が集まっている。

元記事で読む
の記事をもっとみる