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「やっぱり最低な人間だった……」病気になった元夫に料理を作ったら。「ありえない一言」にイラッ

  • 2026.2.21
夫の嫌みに10年耐え続け、やっと離婚できたという44歳女性。ところが、彼女は病気になり連絡してきた元夫を見捨てることができず、また嫌な思いをさせられる。自分を傷つける相手とは縁を切ることも大事なのではないだろうか。※サムネイル画像:PIXTA
夫の嫌みに10年耐え続け、やっと離婚できたという44歳女性。ところが、彼女は病気になり連絡してきた元夫を見捨てることができず、また嫌な思いをさせられる。自分を傷つける相手とは縁を切ることも大事なのではないだろうか。※サムネイル画像:PIXTA

嫌な思いをさせられても我慢し続け、ようやく離婚できたと思ったら、元夫が「病気になった」とSOSを送ってきた。もちろん、無視することもできるのだが、そこは元夫婦の「情」のなせる業だろうか。よりを戻すつもりはないが、結局また「嫌な思い」をしてしまっている「優しい女性」の行き着く先とは。

夫の嫌みにずっと耐えてきた

「デキ婚して10年、夫の嫌みにずっと耐えたんです。全て娘のためでした。私も産休もろくにとらずに仕事復帰、夫はそれなりに稼いでいたから、家計を切り詰めてお金を貯めました」

ヒサエさん(44歳)は淡々とそう語った。夫とは仕事仲間の紹介で出会い、グループづきあいをしていたのだが、ひょんなことから関係をもって妊娠、そのまま結婚という形になった。結婚したのだから、いい家庭を作りたかったが、夫は仕事が多忙で家庭を顧みない。それどころか共働きなのに家事はいっさいしなかったし、帰宅するや「汚れた場所」を探して文句を言うのが日常だった。

娘が小学校5年生になったとき、チャンスが訪れた。夫はそれまで身体的暴力はふるわなかったのだが、些細なきっかけで爆発、彼女に花瓶を投げつけたのだ。ひどい打撲と、破片に触れてしまったことによる切り傷などで診断書を書いてもらい、それを夫の上司に送りつけた。

同時に、すでに用意しておいたマンションへと夜逃げ同然で駆け込んだ。そのマンションには友人夫婦が住んでおり、彼女を守ってくれることになっていた。

我慢し続けて、ようやく離婚できた

「私は有利に離婚できればいいだけだったので、夫の上司と弁護士立ち会いのもと、慰謝料をもらって別れることになりました。夫は特に不平をぶちまけるわけでもなく、『僕のストレスを彼女は受け止めてくれていると思った。それが愛情だと信じていた』などと言ってましたね。精神的に痛めつけ続け、最後には体も傷つけた妻に、よくそんなことを言えるなと思いましたね」

離婚後は娘と二人で暮らしていたが、娘が中学校に上がるのを機に、一人暮らしの母と同居することに。実家を売って頭金にし、彼女はローンを組んだ。それが昨年春のことだ。

「ようやく落ち着いて生活できるようになりました。娘は私より母に懐いていたし、母が優しいママで、私は怖いパパみたいな立場。でも反抗することもなく、真っすぐに育ってくれました」

娘が父親を恋しがることはまったくなかった。

いきなり連絡してきた夫

4カ月ほど前、夫からいきなり電話がかかってきた。

「病気で入院してるんだ。もうだめかもしれない、一目会いたいって。なんだか急に心配になって病院に駆けつけたら、心臓の病気で倒れて救急車で運ばれたそうです。これから手術するかどうするか決めるけど、もしかしたら死ぬかもしれない。最後に一目会いたかったと」

元夫の両親はすでに亡くなり、きょうだいもいない。つきあいのある親戚もいないと聞いていた。強気でバリバリ仕事をしていた元夫が見せたことのない弱さに、ヒサエさんは同情してしまった。

「1日おきに病院に行って、必要なものを買ったり話し相手になったり。元夫も以前とは比べようがないほど気弱になっていて……。なんとか元気を出してもらおうと、彼の家に行って好きな写真集や本を持って来たり。気づけば元の自宅にたびたび行っていました」

懐かしさはあった。あの頃の傷を思い出すこともあった。今は緊急事態だから助けているだけと自分に言い聞かせた。どこか釈然としないのに見捨てることもできなかった。

恋愛感情なんてないけれど

「元夫は検査を続けながら様子を見ることになり、とりあえず退院しました。それが昨年の暮れ。お正月は娘に会いたいと言っていたんですが、娘に話したら会いたくないと。仕方がないので1月2日は、友達に会うと言って元夫のところへおせちを少し持っていきました。それに気づいた母が『何やってるの、あなたは。よりを戻す気じゃないでしょうね』って。

そんなつもりはなかったけど、弱っている人を見捨てて、何かあったら寝覚めが悪いからと言うと、『そういうことだからバカにされるのよ』と言われました」

実際、元の自宅で元夫にお雑煮を作ったら、「相変わらず料理下手だね」と笑われたそうだ。そこで怒って家を出てくればいいのに、「ごめん」と笑ってしまうのが自分のいけないところだとヒサエさんは言う。

「結局、つけこまれているだけなんだとは思うんですが、自分の人生に関わった人が弱っているのをそのままにはできない。いい人ぶってると母には批判されました。確かにそうなんだけど……」

お雑煮の一件で、もう行くまいとは思ったが元夫から連絡が来ると、つい優しい言葉をかけてしまう自分に、彼女自身、うんざりしてきたと苦笑する。

「彼に恋愛感情なんてないけど、彼と結婚していた自分を否定したくはない。それが彼に冷たくできない理由かもしれません。いい人ぶっているという母の指摘は当たっているんでしょう」

それが彼女のよさなのだろうが、自分を傷つける相手には、踏ん切りをつけて縁を切ることも大事だ。そうしないと、なかなか新しいスタートを切ることはできないのではないだろうか。
文:亀山 早苗(フリーライター)

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