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ピリングス、リアルとファンタジーのあいだで紡がれる“日常のドレスアップ”【2026-27年秋冬 東京コレクション】

  • 2026.2.18

ピリングスPILLINGS)は2月12日、有楽町の東京交通会館にて2026-27年秋冬コレクションを発表した。低い天井、くすんだグレーストライプのカーペット、客席に聳え立つ太い柱──。会場となった12階のダイヤモンドホールは、会議室のような閉鎖的な空間でありながら、窓からは夕暮れの光が差し込み、ひらけた空と街並みが広がっており、そのコントラストが際立っていた。

13シーズン目となる今季は“ランドスケープ(Landscapes)”をタイトルに掲げ、昨シーズンと同じく“日本の日常服”にフォーカス。前回は、いわゆるファッション文脈で語られがちなアヴァンギャルドな“日本らしさ”ではなく、まだ名前の付いていないありふれた日常のスタイルをコレクションへと落とし込んだのだった。

出発点は同じながらも、今回はひとりひとりの女性像にミクロに向き合うのではなく、俯瞰して自然と目に入る人々に視点を移したという。そして、街と人を見下ろせるこのロケーションは、そうした視座と重なり合う。

ショーはフロントがくしゃりと歪んだジャケットスカートのルックで幕を開ける。ボタンを掛け違えたかのようにアシンメトリーなカーディガンやコート、ウエストがめくれ裏地がのぞくスカート、意図的にシワを施したスーツ、フードが横にずれて取り付けられたフーディなど、“不恰好”と捉えられかねないディテールは、このブランドらしい愛嬌あるデザインに転化される。

さらには、ボンディング技術を用いたフレアスカートや、ニットで構築された下半身がドーム型になったドレスも登場し、ランウェイならではのダイナミズムを加えた。

デザイナーの村上亮太は「正しさや答えが好まれる時代だからこそ、そのあいだにあるグレーゾーンを広げ、そこから新しいことを見つけ、創作することに意味があるのではないかと考えています」と語った。あえて端的に語らず、見る人に解釈を委ねる余白を残すピリングス。リアルとファンタジーの間にある曖昧な世界を想像しながらも、そこにはブランド固有の魅力が明確に立ち現れていた。

Photos: Courtesy of PILLINGS

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