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放送から27年 “視聴困難”な名作ドラマに→「NHK様どうかどうか…」「勿体なさすぎる」止まない“切望の声”

  • 2026.2.23

テレビドラマの歴史には、高い評価を受けながらもDVD化や配信がされていない作品があります。時代が変わり、視聴環境が整備された今だからこそ、再び光を当てるべき名作が数多く眠っているのです。まさにそんな一作といえるのが、1999年にNHK総合で放送されたドラマ『玩具の神様』です。今回はDVD化・配信がされていない名作ドラマPart2シリーズ第1弾としてこちらの作品をご紹介していきます。テレビドラマの本質とは何か、創作とは何かを問いかける本作の魅力に迫ります。

※本記事は、筆者個人の感想をもとに作品選定・制作された記事です
※一部、ストーリーや役柄に関するネタバレを含みます

DVD化・配信がされていない名作ドラマ『玩具の神様』

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「日本中小企業大賞2023」の授賞式にプレゼンターとして参加した永作博美(C)SANKEI
  • 作品名(放送局): ドラマ『玩具の神様』(NHK総合) 
  • 放送期間: 1999年11月11日〜11月25日(全3回) 
  • 主な出演者: 舘ひろし(二谷勉 役)、中井貴一(ニタニ 役)、永作博美(オモチャ 役)

高視聴率を誇るテレビドラマの脚本を手がける人気脚本家・二谷勉(舘ひろし)は、視聴率に振り回され本当に書きたいことが書けない日々に悩んでいました。そんな折、青森県警の刑事が訪れ、二谷の名を騙って詐欺を働く偽者がいることを告げます。その一方で、偽のニタニ(中井貴一)は旅先の宿で、脚本家志望のイメクラ嬢・オモチャこと宮下あゆみ(永作博美)と知り合い、打ち解けていました。オモチャはニタニを本物の脚本家・二谷勉だと信じ、弟子入りを志願します。二人は一緒に旅を続けながら、オモチャの書いた脚本を磨いていくのです。

本物の二谷は妻の不倫疑惑に悩まされ、ますます筆が進まなくなっていました。そして師である黒岩(坂本長利)が倒れ、テレビドラマへの遺言を残して亡くなるという出来事に直面します。そんなある日、二谷のもとにニタニから原稿が届きますが、それはオモチャが書いた脚本でした。やがてオモチャはニタニの正体を知り、ニタニもまたオモチャを本気で愛してしまったことで、全てが崩れ始めます。最終話で、ニタニはオモチャが手がけた「玩具の神様」という脚本に目を通して――。

視聴困難な名作

本作の最大の特徴は、高い評価を受けながらもDVD化も配信もされていないという点です。実際に横浜市の放送ライブラリーに足を運ばなければ視聴できない状況が20年以上続いています。視聴困難な状況にSNSでは「ぜひ再放送をお願いしたい」「NHK様どうかどうか…」「観れないなんて勿体なさすぎる」というような切実な声が寄せられています。倉本聰さんの作品は『北の国から』をはじめ多くがDVD化されている中、本作はされていないのです。

他にも「ぜひ映像として残してほしい」「強く願っています」というような声や「多くの人に見てほしい素晴らしいドラマ」「ぜひ配信してほしい」というような配信を求める声が上がっています。第37回ギャラクシー賞奨励賞に輝き、テレビドラマへの深い敬意と情熱を込めて制作された本作が、十分に視聴される機会を得られていない現状は、日本のドラマの歩みにとっても見過ごせない痛手だと言えるのではないでしょうか。

永作博美が魅せた渾身のオモチャ役

本作において特筆すべきは、永作博美さんが演じたオモチャこと宮下あゆみという役柄の深みです。オモチャは日中イメクラ風俗嬢として働きながら、夜は脚本家を目指してシナリオを書き続ける女性として描かれています。一見、社会の周縁に生きる存在として描かれがちな設定ですが、永作さんはこの役を単なる記号としてではなく、強い意志と純粋な創作への情熱を持った一人の人間として演じ切りました。倉本聰さんの脚本が持つリアリティと、永作さんの確かな演技力が重なることで、オモチャというキャラクターは視聴者の心に深く刻まれたのです。

夢を追いかける純粋さと、現実の厳しさの中で生きる強さを同時に表現する難しい役柄を、永作さんは見事に体現しました。特に最終回でニタニが読むオモチャの脚本“玩具の神様”というシナリオは、彼女の創作に対する真摯な姿勢を象徴する重要な要素です。永作さん自身が持つ透明感と芯の強さが、オモチャという複雑なキャラクターに命を吹き込みました。倉本聰さんが実体験をもとに描いたテレビ業界の裏側とそこで懸命に生きる人々の姿を、永作さんは演じ切ったのです。

ドラマ『玩具の神様』は、倉本聰さんの卓越した脚本と豪華キャストの演技が融合した、まさに観られないのがもったいない名作ドラマです。放送から20年以上が経過した今もなお、視聴した人々の記憶に深く刻まれ、再放送や配信を望む声が絶えません。テレビドラマの本質を問い、創作への純粋な情熱を描いた本作は、時代を超えて多くの人々に届けられるべき作品です。いつの日か、多くの人がこの傑作に触れられる日が来ることを願ってやみません。


※記事は執筆時点の情報です