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「夫が退職金を投資で失敗…」老後資金を守るための家計見直しのポイントと解決策

  • 2026.2.1

「夫が退職金を投資で失敗…」老後資金を守るための家計見直しのポイントと解決策

退職金が入ると、金融機関からすすめられるなどして投資に大金をつぎ込む人も多いよう。今回の相談は、夫が退職金投資の大失敗を長年隠していたという最悪のパターン。その問題点と解決策をファイナンシャルプランナーの畠中雅子さんが解説します。

「高齢期のお金を考える会」主宰
ファイナンシャルプランナー
畠中雅子さん

はたなか・まさこ●雑誌、新聞、ウェブなどに多数の連載をもち、全国で講演を行う。「高齢期のお金を考える会」「働けない子どものお金を考える会」を主宰。
高齢者施設への住み替え資金プラン、働けない子どもへの親亡きあとのアドバイスなどに定評がある。著書多数。

夫が退職金の運用に失敗。老後資金が聞かされていた額の半分以下しかありません……

由美さん(仮名・67歳)
● 埼玉県在住
● 夫と2人暮らし
● 持ち家
● 専業主婦

夫は退職金3200万円のうち、3000万円を投資に。現在、1100万円まで評価額が減り、手元にある現金は600万円のみ。資産があると信じていた由美さんは、「リッチなランチを楽しむなど、赤字は気にしていなかったのに……」。

【アドバイス】老後の生活設計がないまま、退職金投資は危険! 家計を見直し、今ある資金で暮らすプランを立てて

「夫から老後資金が6000万円あると聞いていたのに、実は1700万円だと最近知らされて……」と、嘆く由美さん。大手企業勤務だった夫は、退職金をFX(外国為替証拠金取引)など高リスク商品に投資して失敗、大きく減らしていたことをずっと隠していたという。

「腹が立って離婚も考えましたが、経済的に余計苦しくなるだけ。今後を考えて途方に暮れています」と話す。

退職金は、長い老後を支える大事な資金。「無計画な投資は絶対にNG! 退職金をもらったらひとまず普通預金へ。1年暮らして、生活費がいくらかかり、赤字の補てんにいくら必要かを先に見積もるべきでしたね。仮に年間50万円の赤字なら、補てん用に『50万円×(95歳-今の年齢)』を確実に手元に置き、投資していいのはその残りだけです」と、畠中さん。

今となっては、手元のお金で老後を乗り切るために生活設計を立て直すことが急務。

「投資運用商品は、利益が確定しているものから現金化してこれ以上減らさないこと。同時に、生活費を見直して赤字を減らせば、乗り切れるはずです」

生涯安心して生活できる家計のコツを伝授!

年金赤字家計なら、小遣いや交際費などの見直しはマスト

現役時代の気分のまま、夫はゴルフや飲み会、妻は友人と有名店ランチ巡りなどで散財。

「小遣いの他に、交際費や趣味費が合計7万円もあっては赤字になるのも当然です。年金生活へとシフトチェンジして、交際費と趣味費をなくし、その分小遣いを夫婦それぞれ1万円ずつ増やして、夫は3万円、妻は2万円でやりくりしましょう」

5万円出費が減ることになり、赤字は5000円程度に縮小する。

【ポイント】
交際費や趣味費は、夫婦それぞれの小遣いの範囲で

「今後かかる老後資金」を計算し、夫婦で共通認識をもちましょう

年間の赤字から、今後必要な老後資金を割り出しておくと安心。

「交際費などの見直しで、月の赤字を5000円(年間6万円)に。車の維持費などの特別支出は、近い将来に車を手放すことも視野に入れつつ、年間30万円に収めましょう。すると、今後必要な老後資金は、(生活費の赤字6万円+特別支出30万円)×(95歳-妻の年齢67歳※)=1008万円。予算を守れば、資産1700万円で暮らしていける計算に」

※妻のほうが長生きすると仮定。

【ポイント】
夫婦で予算を共有して協力し、今の資産で老後を乗り切る

認知症などで投資運用商品は現金化しづらくなるリスクが

運用中の資産は、うまくいっているものから現金化して利益の確定を。

「損失があるからといって欲張って利益が出るまで運用を続けると、損失をさらに増やすリスクが。しかも、今後認知症になれば、現金化しづらくなるリスクも見過ごせません。損失が出ているものも少しずつ解約して、利益が出ているものと合算して清算しましょう。利益は減ってもその分、課税額を軽減できます」

【ポイント】
投資運用商品は、利益と損失を合算しながら早めに売却を

イラスト/タナカユリ
※この記事は「ゆうゆう」2026年3月号(主婦の友社)の記事を、WEB掲載のために再編集したものです。

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