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50歳から「35年ローン」で家を買った男性→15年後、65歳で待ち受けていた“残酷な現実”

  • 2026.3.1
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出典:photoAC(※画像はイメージです)

皆さま、こんにちは。不動産ライターとして活動しているS.Kと申します。

賃貸と持ち家のどちらが得かという論争は、昔から多くの人の関心を集めています。特に年齢を重ねると、老後は家を借りづらくなるのではと、不安を抱く方も多いのではないでしょうか。

今回はそんな老後の不安から、50歳にして家を購入した男性のエピソードを紹介します。今の家賃と同じ支払い額だからと、安易にローンを組んだ彼を待ち受けていたのは「65歳で残債2,500万円」という残酷な現実でした。

老後の賃貸不安から50歳で決断した「頭金なしの35年ローン」

ずっと賃貸派だったGさん(50代男性)は、高齢になると部屋を借りづらくなるという報道を見て、将来への焦りを感じていたそうです。老後の住まいを確保するため、彼は4,000万円の新築マンションの購入を決意します。

見学先のモデルルームで資金計画を相談したところ「月々の支払いは今の家賃と同じ11万円ですから大丈夫ですよ」と、販売担当者から説明を受けました。Gさんはその言葉に安心し、思い切って頭金なしの35年ローンを組むことにしたのです。完済予定は85歳という長期契約でしたが、将来の減収をリアルに想像できないまま、新居での生活をスタートさせました。

役職定年で収入減!65歳に迫る「残債2,500万円」の絶望

新居での生活は当初とても快適でしたが、60歳を迎えたGさんに、厳しい現実が突きつけられます。役職定年(一定の年齢に達すると役職を離れる制度)によって給与が大幅に下がり始め、家計のやり繰りが一気に苦しくなったのです。

不安に駆られたGさんが、65歳の定年退職時におけるローン残債をシミュレーションしたところ、なんと約2,500万円も残っている計算になりました。見込みの退職金1,000万円を全額繰り上げ返済に充てたとしても、依然として1,500万円もの借金が重くのしかかります。

年金生活の中で、毎月11万円を85歳まで払い続けるのは物理的に不可能だと気づき、Gさんは激しく青ざめてしまったといいます。

「家賃と同額」の罠。定年時の残債シミュレーションを

「今の家賃と同じ支払い額」という言葉は、給与収入が途絶える定年後のリスクを見落としがちな、注意すべき誘い文句です。40代後半以降で住宅ローンを組む場合は、必ず「65歳定年時の残債」を、入念にシミュレーションしてください。

退職金や手元の貯金を使って、確実に一括完済できる金額までしか借りてはいけないのが、不動産購入における鉄則といえます。

もし完済のめどが立たない場合は、無理なマイホームの購入を避け、老後資金を現金で手元に厚く残しましょう。その資金を活用して高齢者向け賃貸などを利用する選択肢を持つことが、豊かな老後を守るための有効な防衛策となります。



ライター:S.K(宅地建物取引士)
大学卒業後、大手不動産会社に入社。10年以上にわたり都心のタワーマンションから郊外の築古戸建てまで、数多くの現場経験を積む。現在は不動産ライターとして「業界の不都合な真実」や、消費者が陥りやすいマネーの罠について、実体験に基づく記事を執筆している。


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