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「妙に生々しい」「刺激的すぎる」“濃密シーン”に騒然…「もう最高」“圧巻の完成度”に称賛集まる名映画

  • 2026.2.15

観終わった後も心に残り続ける――人と人との関係性や、内面に渦巻く感情が、時間を超えて心を揺さぶる映画があります。そこで今回は、〝過激な描写が話題になった作品”5選をセレクトしました。

本記事では第5弾として、映画『真夏の果実』(ムービー・アクト・プロジェクト)をご紹介します。

抑えてきた感情が、季節の熱とともに静かに揺らぎ始める――。人間関係の機微を描いたヒューマンドラマです。

※本記事は、筆者個人の感想をもとに作品選定・制作された記事です
※一部、ストーリーや演出に関する言及を含みます

あらすじ

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「サンスポーツレースクイーンAWARD2022」受賞者お披露目 あべみほ(C)SANKEI
  • 作品名(配給):映画『真夏の果実』(ムービー・アクト・プロジェクト)
  • 公開日:2025年5月17日
  • 出演:あべみほ、奥野瑛太、佐野岳、小原徳子、東ちづる、仁科亜季子 ほか

設楽龍馬(奥野瑛太)あゆみ(あべみほ)は結婚10年目の夫婦で、二人でぶどう農家を営んでいます。毎年冬になると、龍馬は家と畑をあゆみに任せて東京へ出稼ぎに出るのが恒例でした。龍馬が不在の間、あゆみは義母と二人で農園を切り盛りし、たまに龍馬へ電話をしても素っ気ない対応が返ってくるだけで、距離を感じてしまう日々を過ごしていました。

そんなある時、あゆみの前に年下の男性・草壁(佐野岳)が現れます。草壁はあゆみの働く園芸センターに肥料を販売する営業マンであり、二人は急接近。やがて関係は一線を越えてしまいます。龍馬が地元に戻ると、あゆみの不貞はすぐに発覚。過ちを認めて謝罪するあゆみに対し、龍馬は許すことができず、ついにあゆみは家を出て行くことになります。

その後、あゆみの出て行った設楽家の郵便受けに離婚届と結婚指輪が届けられ、それを手にした龍馬は、あゆみの行方を探し始めます。結婚10年目の夫婦が、それぞれの選択を経てどんな答えを出すのか――揺れ動く想いと再生の可能性が描かれる物語となっています。

いまおかしんじ監督が描く人間模様

本作はぶどう農家を営む夫婦の日常を軸に、感情の揺れや関係性の変化を赤裸々に描いたラブストーリーです。監督は『れいこいるか』『天国か、ここ?』のいまおかしんじさんが務めており、夫婦間で巻き起こる大騒動を温かな目線とユーモアに満ちた演出で描いています。登場人物を大きく誇張するのではなく、生活の延長線上にある感情をすくい取る姿勢が示されています。

また、いまおかしんじ監督自身も本作について、映画情報サイト“Cinema Factory"のインタビューにて、以下のように語っており、あらかじめ作り込んだ演出よりも、その場で生まれる空気や感情を大切にしていたことがうかがえます。

気がついたら引き込まれて見ていた。あべみほは実に楽しそうにのびのびやってるし、奥野瑛太は全力でいろいろぶっ込んでくる。みんな好き放題やっていて、でも全然そんなことでは壊れなくて、全部が躍動しまくっていた。「奇跡や!奇跡!」オレもアホみたいに一緒に踊りながら撮りました。皆さんよろしくお願いします。
出典:『『真夏の果実』5月17日より新宿K’s cinemaほか公開決定!メインビジュアル&場面写真、予告編が解禁』Cinema Factory 2025年3月7日配信

こうした監督の発言から、映画『真夏の果実』では、派手な演出に頼ることなく、登場人物たちの何気ない会話や佇まいの中に、心情の変化をにじませる演出が意識されていることが読み取れます。

日常の積み重ねの中で少しずつ変化していく人間関係を描く点は、いまおかしんじ監督作品に通底する特徴の一つであり、本作でもその手法が丁寧に貫かれています。

あべみほが見せた、表現の幅を感じさせる演技

本作で存在感を放っているのが、あべみほさんの演技です。『真夏の果実』は映画初主演作となります。あべみほさんの演技からは、役の内面を丁寧に積み重ねることを重視していた姿勢が読み取れます。

日常の中に溶け込むような振る舞いによって人物像を立ち上げており、表現者としての引き出しの広さを印象づける一作となっています。

また、本作はR15+指定とされており、鑑賞年齢への配慮が求められています。これは、題材や描写の受け止め方に一定の成熟が必要と判断されたためです。「妙に生々しい」「刺激的すぎる」という声が見られる濃密シーンには役者陣の覚悟が感じられます。

そのような刺激的な表現だけではなく、人間関係の複雑さや感情の揺らぎに焦点を当てた構成となっています。

静かな余韻を残す一本

SNSで、その高い完成度に「もう最高」「本当に素敵な作品」という声が見られた映画『真夏の果実』は、観終わった後に登場人物たちの選択を振り返りたくなる作品です。派手さはありませんが、感情の積み重ねが確かな印象を残します。


※記事は執筆時点の情報です