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【豊臣兄弟!】戦国×青春!? 豊臣秀長(仲野太賀)・秀吉(池松壮亮)兄弟の絆、そして二人の恋の行方は?

  • 2026.1.30

【豊臣兄弟!】戦国×青春!? 豊臣秀長(仲野太賀)・秀吉(池松壮亮)兄弟の絆、そして二人の恋の行方は?

2026年のNHK大河ドラマ「豊臣兄弟!」の放送がスタートしました。今まであまりスポットライトの当たることのなかった豊臣秀長を主人公に、戦国時代がどう描かれるのか? ここでは、ストーリー展開が楽しみな本ドラマのレビューを隔週でお届けします。今回は、第3回「決戦前夜」と第4回「桶狭間!」です。

第3回「決戦前夜」

第2回で百姓を捨て、故郷の尾張の国・中村を出た藤吉郎(池松壮亮)と弟の小一郎(仲野太賀)、そして二人の幼なじみで小一郎と恋仲である直(白石聖)の3人は、ともに清須にやってくる。

兄弟の母(坂井真紀)、姉(宮澤エマ)、妹(倉沢杏菜)が高らかに鳴らすお寺の鐘の音に見送られて、青空の下の一本道を転げまわるようにじゃれ合って歩き出す3人の姿は、これが戦国の世の物語でありながら、これまでとは一味違う、「青春譚」であることを思わせて、なんだか清々しい気持ちにさせられた。さて、その第一歩はどのようになるのだろうか、というのが第3回「決戦前夜」である。

藤吉郎は、かねてから目をかけられている織田信長(小栗旬)の家臣・浅野長勝(ながかつ/宮川一朗太)の屋敷を訪れる。藤吉郎は直を、長勝の娘・寧々(ねね/浜辺美波)のおつきとして屋敷においてもらえないかと提案する。「直は、実家が野盗に襲われ、天涯孤独の身となってしまったのです」という藤吉郎の口から出まかせの嘘に同情した長勝らは、快く直を迎え入れることとなった。

藤吉郎は、小一郎を清須に伴ったもう一つの理由を打ち明ける。それは彼らの父の仇を討つことだった。兄弟の父、弥右衛門(小林顕作)は、15年前の戦で命を落としたのだが、自分が倒した敵将の首を味方の侍に横取りされ、無念のうちに死んだのだという。それが織田信長の家臣で、信長も一目置く槍の名人、城戸小左衛門(加治将樹)なのだと藤吉郎は小一郎に告げる。その証拠に、城戸の腰には、幼い日に藤吉郎が父へ送った「戦守り」が提げられていたのだ。藤吉郎は、戦のどさくさに乗じて城戸を討とうと、その機をうかがうことにした。

この兄弟と父とのエピソードのとき、たびたび幼い兄弟が登場する回想シーンが挟まれるのだが、この愛らしい兄弟、どこかで見たことがあるはず。そう、前回の連続テレビ小説「あんぱん」で、柳井嵩(たかし)と弟の千尋の幼少期を演じていた、木村優来(9歳)と平山正剛(7歳)のコンビが、そのまま、再び兄弟を演じているのだ。ともに幼いながら、「悲しみ」「寂しさ」を繊細に演じていた彼ら。今回も強い印象を残してくれた。

その頃、信長は今川義元(大鶴義丹)と、両者の国境(くにざかい)にあった尾張・鳴海(なるみ)の地を巡って対立。永禄三(1560)年5月、今川が尾張を目指しているとの報が入る。清須城では軍議が開かれ、さまざまな戦い方が議論される。しかし、重臣らが、先手を打つか籠城かと激論を交わすのを黙って見ていた信長は、「奴(今川)の思うつぼじゃ」と言い放って、「疲れたから休む」と立ち去ってしまう。

一方、浅野の屋敷で直が小耳に挟んできた「そろそろ戦が始まるかもしれない」という噂に、藤吉郎、小一郎兄弟は色めき立つ。兄弟は、出陣を信長本人に掛け合おうと清須城主殿に出向き、「信長に会わせてほしい」と柴田勝家(山口馬木也)に頼み込むが一蹴されてしまう。

そのとき、土間に脱いである草履に目が留まる。それは城戸が履いていた草履であった。藤吉郎は城戸への嫌がらせでそれを盗もうとするが、小一郎は止める。もみ合っているところへ信長が現れ、「ここにあったわしの草履を知らぬか」と尋ねる。一瞬凍りつくも、とっさに懐から草履を出すと、藤吉郎はこう告げる。「こちらに温めておきました」

「そうであったか。なかなか殊勝な心掛けじゃ。この陽気に温めて何とする」。言葉に詰まる藤吉郎の隣から、小一郎がさっと次の言葉を継ぐ。「間もなく雨が降ります。濡れてはいけないと思いまして。手前どもは長いこと百姓をしていたゆえ、わかるのです。トンビがいつもより低いところを飛んでおりました。この後、一刻のうちに雨が降って参ります」

「もし降らなかったらどうする」「そのときは、手前の読みが甘かっただけのこと」「もうよい。次はもう少しましな言い逃れを考えよ」、そう言い捨てて立ち去ろうとする信長の背中に、藤吉郎は「ご出陣は」と言葉を投げかけてしまう。

「調子に乗るな、猿! そちにどうか言われることではない!」と信長に声を荒げられても藤吉郎はひるむことなく、「はっ。しかし、殿様ならきっと勝てまする」と畳みかける。「ほう、どう勝つのじゃ、申してみよ」「それは……小一郎、どう勝つのじゃ。申してみよ」。

えっ!? ここまで威勢のいい啖呵を切ったくせに。なんだ、その逃げ方は、ずるい。「兄者(あにじゃ)、それはずるい」と小一郎でなくとも思うが、こういう兄弟の描き分けが、このドラマの非常に巧みなところで、見どころでもある。

藤吉郎は直情径行で、迷いなく要領よくその場を切り抜ける。だから時に浅はかな言動で窮地に追い込まれるが、小一郎は藤吉郎ほど欲がない分、ものごとが俯瞰で眺められ、恐れもない。その答えも、気負いのない変化球で投げ返してくるのだ。まさに二人で一つの答えを得ていく様が、随所できちんと描かれているところが、これからの兄弟の生き様を予感させ、ワクワクしてくる。

「勝つ術などないかと。しかし、負けぬことならできるやもしれません。和睦(わぼく)なさいませ」という小一郎に、信長は「たわけが!」と激昂。「たとえ負けるとわかっていても、命をかけて戦わねばならないこともある。それが侍じゃ。志のない者は失せよ」

そう言われた小一郎が、「侍なぞこっちから願い下げじゃ」と立ち去ってしまうと、ほどなく雨が降ってくる。「みごと当ておった」とつぶやく信長。帰宅し、「中村へ帰ろう」と言う小一郎に、直は必死で引き止めて諭す。「あんたは下剋上に魅せられたんじゃ。それなら今闘わなくて、いつ闘うんじゃ。あんたが侍になったのは、あんた自身のためでしょ」

その夜、寝ている信長のもとへ知らせが飛び込んでくる。松平元康(松下洸平)が今川義元の命により、大高城へ兵糧(ひょうろう)を運び込んだというのだ。続いて丸根砦(まるねとりで)、鷲津砦(わしづとりで)へも攻めかかったという。飛び起きた信長はついに口にした。「出陣じゃ」

一旦は去る決意をした小一郎も、戦の支度をした藤吉郎のもとに合流する。いよいよ桶狭間への出陣である。

第4回「桶狭間!」

そして第4回のタイトルは、ズバリそのもの「桶狭間!」である。信長が天下統一への足掛かりを固めることになった、歴史的な転換点となった戦いだ。

永禄三(1560)年5月19日未明、信長はついに出陣する。義元の首を狙うためにはその居所を正確に突き止める必要があり、難航した。信長は、丸根砦を任せている佐久間盛重(金井浩人)に賭けてみようと重臣らに告げる。しかし、その後、佐久間盛重が丸根砦で討ち死にしたことが知らされる。どよめく一同に、信長はこう続ける。「案ずるな。盛重の首が、われらにまことに義元の居場所を教えてくれたのじゃ。今、義元を守る兵はたった5000の兵じゃ。われら一丸となり一気に奇襲をかける」。空にはトンビが低く飛んでいるのが見えた。「天運はわれにあり。目指すは今川義元の首ただ一つ。桶狭間じゃ!」

間もなく雨が降り始めた。激しい雨の中、織田の軍勢は桶狭間へ進軍する。そして、激しい戦闘が始まった。どんどん人が槍で突き殺される様に、動けなくなる初陣の小一郎。その中、一瞬、敵と戦う城戸の背中が見えた。「千載一遇じゃ」と藤吉郎は弓を手にするが、小一郎は体当たりで制する。城戸を失うのは、味方にとって痛手が大きいと判断したのだ。

そのとき、二人の背後にいた今川の兵が、槍に突かれて倒れる。槍を投げたのは城戸で、実は藤吉郎たち兄弟を狙ったのだが外れたというのだ。驚きと怒りが込みあげてくる二人だが、次の瞬間、城戸は背後から襲われて、あっけなく命を落としてしまう。と同時に、織田の軍勢から喜びの声が上がる。「今川義元の首を討ち取ったのじゃぁ!」。織田勢は勝利したのだった。

帰り道、小一郎は呆然としながらつぶやく。「ぎりぎりまで戦支度をせずに、敵を領内におびき寄せたこと、佐久間盛重様の首が運ばれるのを見越して、義元の居所を突き止めたこと、そして敵を油断させ、大軍勢を二つに分かれるように仕向けたこと。すべては殿様の計略じゃ。大したお方じゃ」

翌日、首実検(誰の首であるか確かめること)が行われた。藤吉郎と小一郎も、今川の侍大将の首を討ち取ったとして信長より名を呼ばれる。藤吉郎は、実はそれは自分たちではなく、城戸の手柄であると正直に告白するが、信長は藤吉郎に足軽組頭(あしがるくみがしら)を命じ、「木下藤吉郎秀吉」という名も与える。そして小一郎についても、「こたびの戦、お主の助言なくして勝つことはなかったかもしれぬ」と、自身の近習(きんじゅう)として仕えよと命じるが、小一郎はそれを固辞する。

「わしは兄に従い、兄とともに殿にお仕えしとうございます! その代わりと申しては何ですが、銭をいただきとうございます」。承知した信長は、銭とくだんの草履を差し出した。「草履は片方だけでは何の役にも立たん。互いに大事にいたせ」

初陣を経て、侍の洗礼を受けた小一郎が、独自の視点で兄の陰となり日向となり支えていく様子が描かれ始めたこの2回。世に知られた草履のエピソードも、ひねりが加えられて、新たな気持ちで眺められたのも嬉しい。いわゆる「戦国もの」とは一味違う、人間ドラマをこれからも楽しみにしたい。

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