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短気な人ほど「脳卒中」のリスク増…怒りが血管を傷つける3つの理由とは 専門医が説く脳を守る“心の整え方”

  • 2026.1.30
短気な人が脳卒中になりやすい理由とは?(画像はイメージ)
短気な人が脳卒中になりやすい理由とは?(画像はイメージ)

がんや心疾患などとともに日本人の死因として多いのが「脳卒中」です。冬は暖かい場所から寒い場所への移動などで血圧が急激に変わりやすく、脳卒中になりやすい季節といわれており、注意が必要です。

ところで、ネット上では「短気な人は脳卒中になりやすい」という内容の情報があります。「SOグレイスクリニック」(東京都品川区)院長で脳神経外科専門医、医学博士の近藤惣一郎さんによると、実際に短気な人は、そうでない人に比べて脳卒中(脳梗塞や脳出血)にかかりやすいという研究結果が出ているといいます。

なぜ「怒り」が脳卒中の引き金になるのか、その医学的なメカニズムや、怒りを上手にコントロールする方法(アンガーマネジメント)などについて、近藤さんが解説します。

ストレスホルモンが動脈硬化を早める

怒りの感情は、脳や血管に強烈な負担をかけます。短気な人が脳卒中になりやすい原因として、次の3点が挙げられます。

(1)血圧の急激な乱高下怒ると、脳から「アドレナリン」や「ノルアドレナリン」といった興奮物質が一気に放出されます。これらは血管をギュッと収縮させ、心拍数を上げ、血圧を急上昇させます。

血管がもろくなっている場合、この急激な圧力で血管が破れたり(脳出血)、血栓が飛んで詰まったり(脳梗塞)する「直接的な引き金」になり得ます。

INTERSTROKE研究という世界的な研究では、激しい怒りを感じた直後、具体的には怒りを感じてから1時間以内は、脳卒中の発症リスクが約37%増加すると報告されています。

(2)血管の内側が傷つく(慢性的なダメージ)短気な人は日常的にイライラしている時間が長いため、常にコルチゾールなどのストレスホルモンの分泌量が多い状態にあります。

ストレスホルモンは、血管の内側の壁を覆う内皮細胞を傷つけ、血管を硬く狭くする「動脈硬化」を早めます。これが積み重なると、脳卒中の土台ができてしまいます。

(3)血液が固まりやすくなる強いストレスや怒りは、血小板などの血液を凝固させる成分を活性化させ、血栓(血の塊)を作りやすくします。これが脳に移動すると脳梗塞になります。

「タイプA」の性格は要注意

心臓病や脳卒中になりやすい性格として、医学的に「タイプA行動パターン」と呼ばれるものがあります。次の特徴に当てはまる場合、心臓病や脳卒中の発症リスクが高いといわれています。

・攻撃的で、敵意を持ちやすい・せっかちで、時間に追われている・競争心が強く、負けず嫌い

これらに該当する人は、無意識のうちに交感神経(興奮の神経)が張り詰め続けているため、休息時も血管が休まらず、発症リスクが高まります。

短気な人が脳卒中を予防するには?

短気な人が脳卒中のリスクを下げるためには、「性格を直す」ことよりも、「怒った時に血圧を上げない技術」を身に付ける方が現実的で効果が高いです。

怒りの感情は、脳科学的には「突発的な生理現象」です。工夫次第で、その衝撃から血管を守ることができます。

日常生活で取り入れられる具体的な工夫を、4つのステップでご紹介します。

(1)カッとなった時の「血管防衛術」(アンガーマネジメント)怒りを感じた瞬間、脳内ではアドレナリンが出て血圧が急上昇しようとしています。これを物理的に食い止める技です。

・「6秒ルール」の実践怒りのピークは長くて6秒しか続きません。この6秒間、言葉を発したり行動したりせず、ただやり過ごせば、アドレナリンの放出が収まり血管への衝撃が和らぎます。数を数える、手のひらを見つめるなどして、6秒だけ耐えてください。

・「深呼吸」は「吐く」ことからカッとなったら、まず息を「フーッ」と長く吐き出します。息を吐くと副交感神経(リラックス神経)が働き、心拍数と血圧の上昇を強制的に抑えられます。

・物理的にその場を離れる(タイムアウト)自分が苦手な人やネガティブなニュースなど、イライラする対象が目の前にあると、血圧は上がり続けます。「トイレに行く」「別の部屋」に行くなどして、視界から対象を消してください。

(2)イライラの「地雷」を踏まない工夫短気な人は「自分のペースが乱される」ことや「待たされる」ことに強いストレスを感じます。

・「15分の空白」をスケジュールの間に挟む時間に追われるとイライラは倍増します。予定と予定の間に空白の時間を15分作ることで、前の予定が押してもイライラせずに済みます。

・「ニュース断食」をする時間を設ける正義感が強い短気な人は、不快なニュースやSNSを見るだけで、怒りにより血管を痛めつけています。意識的にスマホやテレビなどを見ない時間を作り、不必要な怒りの情報を遮断してください。

・マルチタスクをやめる「テレビを見ながら食事」「電話しながら作業」など、同時に複数のことをこなすと脳が興奮状態になりやすく、ささいなことで爆発しやすくなります。1つずつ片付ける習慣をつけましょう。

(3)期待値を下げて血管を守る短気な人は「こうあるべき」という理想や責任感が強い傾向にあります。

(効果的な対策)・「合格ライン」を60点に下げる自分にも他人にも100点を求めると、減点法でイライラしてしまいます。「命に関わること以外は60点でOK」とあらかじめ決めておくと、他人のミスも許容しやすくなります。

・「ま、いっか」「しょうがない」と思うようにする口に出すことで、脳が「これは緊急事態ではない」と認識し、血圧の上昇が止まります。心で思っていなくても、とりあえず口に出すのがコツです。

(4)怒っても耐えられる血管をつくる怒ってしまったとしても、血管自体がしなやかであれば破裂するリスクは減ります。

・毎朝の血圧測定を習慣にするこれが最も重要です。自分のベースの血圧を知っておきましょう。もし平常時の血圧が高ければ、怒った時のピーク値は「収縮期血圧200mmHg以上」といった危険な領域に達してしまいます。降圧剤などでベースを下げておくことが命綱になります。

・「GABA(ギャバ)」や「カルシウム」を含む食品を取る発芽玄米やトマト、乳製品、小魚など、神経の興奮を鎮める栄養素を意識的に取ってください。

・カフェインを控えるコーヒーやエナジードリンクのカフェインは交感神経を刺激し、イライラしやすい下地をつくってしまいます。午後はノンカフェインにするなどの調整が有効です。

短気な人が怒りを我慢しようとすると、それがまたストレスになります。重要なのは、「怒るのは仕方ないが、そのせいで自分が脳卒中で倒れるのは損だ」と考えることです。

イライラしたら「今、自分の血管がいじめられている」とイメージしてください。そして「深呼吸して、自分の血管を守ろう」と意識を切り替えましょう。この視点を持つだけで、脳卒中のリスクは大きく下げられます。

オトナンサー編集部

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