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かっこいい大人が夢中になっているもの。〈C.E〉ディレクター、トビー・フェルトウェル

  • 2026.1.22
〈C.E〉ディレクターのトビー・フェルトウェル

反抗期気分のまま、新しいことを求め続ける

世界中にファンを持つ、東京を代表するブランド〈C.E〉。そのディレクターを務めるのが英国出身のトビー・フェルトウェルさんだ。幼少期からスケートボードや音楽に傾倒し、大学卒業後に音楽レーベル〈Mo'Wax〉で仕事を始め、活動の中で出会ったNIGO®をきっかけに日本に移ったのが2005年のこと。

その後、〈A BATHING APE®〉を運営する〈NOWHERE CO., LTD.〉と、NIGO®とファレル・ウィリアムスによるブランド〈BILLIONAIRE BOYS CLUB(以下BBC)〉に関わるようになるのだが、経営や企画、デザインに加え、法律周りの仕事まで担当していた。というのも、実はトビーさんは弁護士資格を持つ、異色のディレクターなのだ。

「〈Mo'Wax〉で働いていた頃に夜間の法律学校に4年通い、2年間の法律事務所での勤務を経て資格を取りました。学生時代に毎日通っていたスケートショップ〈SLAM CITY SKATES〉での出会いから〈Mo'Wax〉で働くことになって、最初はすごく楽しかったのですが、何年か経つと“慣れ”を感じてしまって。

何か新しいことをしたい、と思っていた時に、家の近所に法律学校があるのを知り、通うことにしたんです。新しい趣味みたいなものですね(笑)。資格を取ったものの、法律の仕事を続けていくか悩んでいて。そんな時にNIGO®さんが声をかけてくれて日本に移ることにしました」

〈C.E〉ディレクターのトビー・フェルトウェル
秋冬に重宝している〈C.E〉のムートンコート。
カセットテープ
年に3~4本リリースするブランドオリジナルのカセットテープ。店舗限定販売。

ディレクターという立場で新しいものを生み出す手腕

日本でも今までの経験を生かし、ブランドの立ち上げや経営戦略、海外展開のサポートなどを務めたトビーさん。服作りのノウハウや知識はNIGO®から学んだという。そして2011年、〈BBC〉で一緒に仕事をしていたスケートシング、菱山豊と共に〈C.E〉をスタートさせる。3人でのもの作りはどのような役割分担なのか。

「役割は明確で、シンちゃん(スケートシング)がグラフィックを、菱山さんが生産を、僕は全体の方向性などを決めるディレクションを担当しています。それぞれに専門分野があって、バラバラでは成り立たない。だから僕としては、自分で服を作っているという感覚はないんです。こんな感じがいいんじゃないかと構想し伝え、みんなで形にしていく。だから思ってもみなかったものに仕上がることがあって、それがとても面白い。ファーストサンプルが上がってきた瞬間が一番楽しいですね」

〈TANI〉カシミヤ混のシャツ、ノイズアーティストのオフィシャルTシャツ、ガンジーセーター
トビーさんの秋冬の定番品たち。〈TANI〉でオーダーしたカシミヤ混のシャツに、アメリカのノイズアーティストのオフィシャルTシャツ。ガンジーセーターは父親のクローゼットから掘り起こしたもの。

トビーさんは自身の仕事を「編集作業に近い」と語る。そのクリエイションの根源には、若い頃に抱いた“アンチファッション”的なマインドがあるという。

「ティーンエイジャーの頃の反抗期気分のまま。親が聴いていた音楽とは違う音楽が聴きたいだとか、みんなと違う服を着たいだとか、メジャーやポピュラーなものが今も苦手なんです。常にファッション以外のことに興味が向いていて、アウトプットが洋服なだけ。それはシンちゃんも菱山さんも同じで、3人で集まると色々な情報交換をしますが、ファッションの話は全然しない(笑)。だからこそ変わったものが作れているのかもしれないですね」

気の合う3人で常に楽しみながら続けてきたブランドも2026年で15周年を迎える。「全然意識していなかった、早いですね(笑)」と笑うトビーさんだが、実は2025年の春に新しいブランドを立ち上げた。

〈C.E〉のトビーさんと菱山に加え、ロンドンで活躍するスタイリストのサイモン・フォックストンとクリエイティブコンサルタントのニック・グリフィス、インテリアデザイナーのアダム・ブレイというジャンルを横断した異色の5人が手がけるロンドン発、メイド・イン・ジャパンの〈OFFERING〉だ。

/〈OFFERING〉のジャケットとカーディガン
〈OFFERING〉のジャケットとカーディガン。アダムが所有するファブリックやテキスタイルをベースに、グラフィックを知り合いのアーティストに手描きしてもらい、それを生地に落とし込むという手の込み具合がさすが。

「旧知の仲のサイモンとニックからブランドをやりたいと持ちかけられたのが2020年頃。そこに、僕の友人で最もセンスがいいアダムを加え、5人でスタートしました。僕は編集者のような立ち位置で、彼らのやりたいことやビジョンを形にする役割。日本生産の味のある生地に、アダムが持っているヴィンテージのファブリックやテキスタイル、陶器から着想を得たオリジナルのグラフィックを乗せています。〈C.E〉とは違ったクリエイションになっていて、個人的にとても楽しんで作っています」

新しいことを探し求め、自分がワクワクする方へ進み続けるトビーさんの活動に今後も注目だ。

〈C.E〉ディレクターのトビー・フェルトウェル
〈C.E〉のアトリエにて。eBayで購入したという〈ヨウジヤマモト〉のアーカイブのジャケットに〈C.E〉のシャツとパンツを合わせた、トビーさんの秋冬の着こなし。〈ジョルジオ アルマーニ〉のジャケットも好きだという。

profile

Toby Feltwell(〈C.E〉ディレクター)

トビー・フェルトウェル/イギリス・ベッドフォード生まれ。1996年よりロンドンのレーベル〈Mo’Wax〉にてA&Rを担当し、2005年に日本に移住。11年にスケートシング、菱山豊と共に〈C.E〉を始動。英国事務弁護士の資格も持つ。

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