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MotoGPクラスで才能が開花し、印象に残る走りを見せたドビツィオーゾ【熱狂バイククロニクル】

  • 2026.1.13

松屋正蔵

1961年・神奈川生まれ。1980年に『釣りキチ三平』の作者・矢口高雄先生の矢口プロに入社。1989年にチーフアシスタントを務めた後退社、独立。バイク雑誌、ロードレース専門誌、F1専門誌を中心に活動。現在、Xアカウントの@MATSUYA58102306にてオリジナルイラストなどを受注する

今回はアンドレア・ドビツィオーゾさんを考察していきます。
と、申しましたが、正直彼については、ほとんど研究の対象にはしていませんでしたから、ミーハーな指摘しか出来ないと思います……すみません。

ドビツィオーゾさんはMotoGPクラスでドゥカティに乗ってから、その存在感が顕著になった印象ですが、僕はGP250時代の黄色いマシンの頃から彼を気にしていました。マシンの扱いにセンスを感じて、カッコ良い乗り方のライダーだなぁと思っていたんです。

MotoGPクラスに上がったドビツィオーゾさんは、そのライディングが大排気量クラスに合っていたようで、活躍が際立つ場面が多く見られるようになりました。そしてマルク・マルケス選手との激しいバトルは記憶に残りました。中でも’19年のオーストリアGPでの最終ラップ、最終コーナーでの競り合いは凄かったです。2人はインの取り合いを繰り返しており、はたして最終コーナーを最初に立ち上がって来るのはどちらなのか! という、ハラハラドキドキのレースを見せてくれました。そしてドビツィオーゾさんが先に立ち上がり、競り勝って見せたのです。

録画をしたブルーレイディスクでこのレースを見返していたのですが、「あれっ? ドゥカティのカラーリングが違うぞ」と気付きました。そしてよくよく見直してみましたら、なんと’17年の最終コーナーのバトルシーンが混ざった映像だったのです。つまり、同じ展開のバトルが2年前の同じオーストリアGPでも行われていたのです。どちらも勝者はドビツィオーゾさんでした。バトルでの強さを示したわけです。

そんな競り合いに強いドビツィオーゾさんは、’01〜’04年のGP125から世界GPフル参戦のキャリアが始まりました。’04年には見事にチャンピオンに輝いています。

’05〜’07年の3年間はホンダのマシンでGP250を走りました。僕がドビツィオーゾさんの存在に気付いたのは、’07年くらいからだと思います。カッコ良いライダーだな! と思ったのです。そして’08年からはとうとうMotoGPにまで上り詰めました。マシンはホンダのRC212Vでした。

’09年からワークスのレプソル・ホンダに加入。’11年にはホンダが変則的な体制を組み、ペドロサさん、ストーナーさんとの3人体制となりました。そしてこの年からレプソル・ホンダ入りしたストーナーさんが、2度目のチャンピオンとなりました。

’12年にドビツィオーゾさんのシートはホンダから無くなり、なんとヤマハのテック3チームに移籍。YZR-M1を走らせています。ですが、なぜだか僕にはドビツィオーゾさんがヤマハに乗った記憶がほとんど無く、今回あらためてキャリアを調べてみて驚きました。

そんなドビツィオーゾさんの転機となったのが翌’13年、ドゥカティへの移籍だったかと思います。’13〜’20年まで在籍しましたが、度々、目立った活躍を見せてくれていました。先述しましたが、その中でも’17年と’19年のオーストリアGPでの、マルケス選手とのバトルは印象的でした。この2レースは今見ても、非常に楽しめると思います。

ドビツィオーゾさんは’21〜’22年に再びヤマハに移籍し、その後引退となりました。現在はヤマハの開発ライダーとなり、V型エンジンの開発に携わっているようです。

ドビツィオーゾさんのライディングは、実にナチュラルで身体に無理なチカラが入るような部分は感じられません。外足もヒザが開かず、綺麗にマシンに沿っていて、リア乗りになっています。背筋も自然に伸びています。後期になると、少し頭がインに入り始めましたが、現在のように激しく身体が入るような場面は見られませんでした。職人的な存在感のライダーでした。

さて、今回も僕の「ライディングの見方」をご紹介します。外足の使い方のパターンをイラストを交えご説明します。外足ステップの使い方の話題は、カカトをどう使うのかとか、カカトのヒールは無い方が良いと言うライダーもいるなど、昔から重要なテーマでもありました。

しかし現在のMotoGPのトップライダー達が見せる、激しくイン側に上半身が入るフォームが主流になってくると、以前の考え方は通用しなくなっていると感じています。ただ、僕らのような街乗りライダーではやらないライディングですから、やはり、外足の使い方の話は必要ではないかと思ってもいるのです。

そんなわけで、GP500時代のライダーのテクニックをご説明したいと思います。

イラストにしましたが、シュワンツさんのコーナー立ち上がり時のシーンです。元々リーンアウトスタイルのシュワンツさんは、スロットルオンでリアタイヤが外側に流れるのをコントロールするために、上半身をマシンのアウト側に被せ、外足に体重が掛かるようにリーンアウトで乗っていました。これは外足の脚力だけでステップに荷重するよりも、ライダーの全体重を外足に載せる方が、身体的にも楽に乗れるからだったのでしょう。

この場合のステップへの足の載せ方を、3パターンに分けて描きました。基本的にはブーツの土踏まずをステップに載せるのが一般的です。ブーツのカカトをステップに引っ掛けるイメージです。他にもつま先立ちでステップを踏む場合もあります。これだと、足首とつま先が使えるので動きやすい効果があります。

そして、土踏まず部をステップに載せますが、カカト(ヒール)を押し込んでステップに荷重する方法があります。このステップの使い方が、シュワンツさんらのリーンアウトのライダーの使い方です。ブーツのカカトでステップを前に押すように、下に押し込む事で足首がカチッと固定できますから、自らの体重がしっかりステップに載ります。結果的にはカカトに荷重する事で、足のつま先が外側に開く(ガニ股)のが特徴です。当時のビデオでご確認下さい。そのライダーの特徴を読み取るコツにもなります。

面白いのが、最近になってコーナーへの進入時に、外足をステップから外すライディングが全日本で見られるようになり、さらにSBKやMoto2でも見られるようになって来ました。アウト側ステップから足を外し、荷重を抜く事で一気にリアを振り出して向き変えしてしまうテクニックなのでしょう。

さらに凄いのは、外足をステップから外しながら、イン側の足も外すライダーが出てきているのです。両足外しというテクニックが見られるようになり、この先どこまでライディングが変化していくのか、まったく目が離せない状況となっています。実に面白い!

つま先立ちは足首が自由に動かしやすいので、S字などの切り返しでは最初から両ステップにつま先を載せておくと、踏み変えをせずに済みますから便利ではあります。しかしその一方で、足首が使えるという事は、いざステップに荷重したい場合には、足首が動く事で荷重が逃げて(抜けて)しまう場合もあります。

要は足首を積極的に使うのか、使わないのかということで、どちらがやりやすいのかで外足ステップの使い方が分かれるのだと思います。色々と試して、バイクライフをお楽しみください。

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