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【79歳・中尾ミエさん×43歳・村上信五さん】芸能界の上下関係から、ハラスメント認定されやすいご時世まで赤裸々トーク!

  • 2026.1.7

【79歳・中尾ミエさん×43歳・村上信五さん】芸能界の上下関係から、ハラスメント認定されやすいご時世まで赤裸々トーク!

人気グループSUPER EIGHTのメンバーであり、バラエティ番組のMCなどソロとしても活躍中の村上信五さん。「大先輩に聞きたいことがたくさんある!」と意気込む村上さんが、中尾ミエさんの生き方から人生を楽しむヒントを探ります。

中尾ミエさん
なかお・みえ●1946年、福岡県生まれ。
62年「可愛いベイビー」でデビュー。
歌手だけでなく俳優としても映画や舞台などに多数出演し、バラエティ番組でも幅広く活躍。
著書に『60代から女は好き勝手くらいがちょうどいい』(和田秀樹さんとの共著/宝島社)など。

村上信五さん
むらかみ・しんご●1982年、大阪府生まれ。
SUPER EIGHTのメンバーで、バンドでは主にキーボード、ピアノを担当。
2004年、シングル「浪花いろは節」でCDデビュー。
グループとしての活動の他、番組MCやキャスター、俳優などソロでも幅広く活躍。
現在はバラエティ番組「月曜から夜ふかし」、音楽バラエティ「EIGHT-JAM」などに出演中。

今年80歳になるけれど自分の年齢が信じられない

村上 ミエさんとは今日が「はじめまして」。芸能界の大先輩なのでちょっと緊張していました。それなのに僕より先にミエさんが撮影スタンバイされていたから、「しまった」と思ったんです。「ほんまは俺が先にやらなあかんのに」って。でも、ミエさんがスタジオの空気を柔らかくしてくださっていた。今日は安心してミエさんの包容力に身を委ねようと思っています。

ミエ 始まるまでは「どうなるんでしょう?」と思っていたけれど、初対面とは思えないくらい楽しい撮影だったわね。私、若い子にはけっこう慣れているの。

村上 僕、もう43歳ですよ。

ミエ 私からしたら50歳でも若い。私は79歳だから、一般的には 50代でも私世代の子どもの年でしょう? 私はずっとそういう意識でいたんだけど、最近は「うちのおばあちゃんがミエさんと同世代で」って言われるようになってきたのよ。「お母さんを超えておばあちゃん」という年になったんだなと思っています。

村上 年齢のとらえ方って人それぞれですよね。ミエさんはご自身の年齢をどうとらえていらっしゃるんですか?

ミエ 私はそもそも自分の年齢が信じられない。「うーん、80歳ねえ……」って。改めて考えるとそうなんだけど、毎日楽しいし、年齢関係なしにいろんな人とつき合えるし。だから、いくつだからどういうふうにつき合おうとか、どうやって接したらいいんだろうとか、あまり考えないわね。実は今日、村上さんにお会いするまではちょっと考えたりもしたんだけど、杞憂(きゆう)に終わりました。あなたは私と会う前、どう思ってた?

村上 僕は基本的に、この業界の先輩はみんな「面倒くさいな」と思ってます。会う人会う人、キャラが濃いですから。でも、ミエさんみたいに大きな器で受け止めてくださる先輩なら年下も飛び込みやすいですから、そういうときは僕も年齢は気にしません。

礼儀作法も着物の着方もすべて先輩から教わった

ミエ あなたの事務所って、みんな上下関係に慣れているよね。

村上 慣れてます。

ミエ ちゃんと礼儀正しくて、いい子ばかり。

村上 それはめっちゃ怒られましたからね。先輩への礼儀は欠かしてはならないって。

ミエ アイドルだけど、しっかり教育されているなと思いました。

村上 挨拶はいちばん大事やと思うんです、年齢問わず。ミエさんは僕くらいの年の頃、先輩に対してどういう感じだったんですか?

ミエ 私は年上の人が好きだったから、みんなが怖いと言っていた淡谷のり子さんや越路吹雪さん、男性だと森繁久彌さんや先代の尾上松綠さんなど、大先輩たちにかわいがられたのよ。

村上 年上の方といるほうが楽しかったんですか?

ミエ そうね。それに、一緒に舞台をやっていると勉強になることが多かった。森繁さんからは礼儀作法などをきちっと教わりました。昔は時代劇の舞台だと「着物は自分で着ろ」だったから芸者のお引きずりなんかも自分で着たし、着物のたたみ方も学んだし。化粧も芸のうちで「自分でやれ」だったから、役に合わせて自分で顔作りができるようになったしね。

村上 ええ~。そういうのって僕ら世代はないですもん。

ミエ 昔はヘアメイクさんなんていなかったから、自分でやらざるを得なかったのよ。でも、それも今になればいい経験をさせてもらったなと思います。こうやって次の世代に伝えていけるから。

村上 僕はまだ20歳そこそこのとき、「はぐれ刑事純情派」というドラマで藤田まことさんと共演させていただきました。監督は「新人やから元気よく」と言うけれど、藤田さんから「村上くん、このセリフはそんな大きな声で言うたらあかん。聞かれちゃいけない話だから」とアドバイスをいただいたりして。口やかましく「ああしろ、こうしろ」と言うわけではなく、さらっと言っていただいたことがいまだに記憶に残っています。

ミエ そういうのってちゃんと腑に落ちて、自分の中に残るよね。

村上 はい。先輩が言葉で伝えてくれたことは意識として残りますし、身につきますね。

「今の若い子は」と嘆く前に私たち先輩が伝えていかなきゃ

ミエ 本来は先輩が伝えていかなきゃいけないのよ。それは芸能界に限ったことじゃない。よく「今の若い子は」って言うけれど、若い子の言動が目に余るのは先輩がちゃんと伝えていないからよね。若い子が知らないのはしょうがない、経験していないんだから。それを我々がちゃんと教えていかなきゃ。「嫌われたくない」とか言って、ちゃんと伝えていないんだから、我々の責任だと思う。

村上 それ、大納得です。伝え方も大事ですよね。ハラスメント認定されがちな時代を鑑みて、経験値のある大人がどう伝えるか。

ミエ ハラスメントだの何だのって冗談じゃないよね。言うべきことは言わないと。だから私は最近、「これハラスメントかしら?」って言っているわよ。

村上 わかります! 僕も後輩に注意したりするときは先に言いますよ、「俺は今からハラスメントするぞ」って。

ミエ あまりに気を使った会話だと相手に響かないし、向こうも聞き流しちゃう。そもそも根底に愛情があればわかると思うのよ。

村上 状況と言葉とトーンでわかりますよね。

ミエ そうそう。だから多少嫌がられても伝えていかなきゃね。

失敗を学びに変えれば成長できるチャンスに

村上 逆に、ミエさんが若い世代に期待することって何ですか?

ミエ 「苦労しろ」だよ。経験して、苦労して、つらい思いをしたほうが、それを乗り越えたら自信になるし、知恵になるし。私がよく言うのは「汗かけ、恥かけ、金かけて」。恥をかくことがいちばんの勉強だから、それを怖がっちゃダメ。

村上 1回しっかり恥をかいたほうがいいってことですね。

ミエ 若いうちはいくらでも取り返せるから、恥かけ、失敗しろ!

村上 でも、ミエさんはそんなに恥をかいたり失敗したりしてきたようには思えないんですけど……。

ミエ そんなことないよ。恥をかいても「あ、すいませ~ん」ってやってきました。先輩だって若者に完璧なんて望んでいないんだから、「失敗しました」と素直に言ったほうが、「しょうがねえな」って逆に目をかけてくれるわよ。

村上 たしかに。僕たちは楽器も演奏しますけど、一回たりとも「完璧にできた」なんて思ったことはないですから。「しまった、ミスした。次はやらんように気をつけよう」、その繰り返しです。

ミエ それでいいのよ。失敗して学んだことは自分の中に残るし、成長できるチャンスだから。

【後編に続く】

撮影/山田崇博
スタイリング/松田綾子(オフィス・ドゥーエ 中尾ミエさん分)、袴田能生(村上信五さん分)
ヘア&メイク/杉村 修(中尾ミエさん分)、中嶋竜司(村上信五さん分)
取材・文/本木頼子

※この記事は「ゆうゆう」2026年2月号(主婦の友社)の記事を、WEB掲載のために再編集したものです。

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