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フランス文化省で働く、アーカイブの「番人」の使命とは?

  • 2026.1.6
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アールドゥヴィーヴルへの招待 vol.82025年、創刊35周年を迎えたフィガロジャポン。モード、カルチャー、ライフスタイルを軸に、豊かに自由に人生を謳歌するパリジェンヌたちの知恵と工夫を伝え続けてきました。その結晶ともいえるフランスの美学を、さまざまな視点からお届けします。

時間の流れが加速するいま、現代社会を読み解く鍵として「過去」がこれまで以上に重要になっている。過去を振り返り、新たなクリエイションへと繋げるのはモードやアートはもちろん、ビューティやメディアも同様だ。フランスの優れた文化遺産を守る手段、アーカイブ(記録の保管)に携わる女性たちに話を聞いた。

Camille Duclert/カミーユ・デュクレール文化省文化財チーフキュレーター

AIでデータ収集が容易に、ユーザーの利便性も向上。

19世紀のフランスの建築家、ウジェーヌ・エマニュエル・ヴィオレ=ル=デュクの全アーカイブが保管されているのが、文化省管轄の文化財写真メディアテーク。彼が手がけた1844年のノートルダム大聖堂修復工事の設計図や資料ももちろんある。2019年の大聖堂火災で救出された宝物の確認に活用したのもここに保管されている目録だった。前身はフランス歴史的記念物行政局アーカイブ部門で、建築物保護のための文化財アーカイブや、国がフォトスタジオのアルクールや写真家のナダールなどから購入した写真コレクション、さらにウィリー・ロニスやレイモン・ドゥパルドンといった有名写真家からの寄贈作品を所蔵している。

「私たちの使命は4つのCに集約されます。収集(Collecter)、保存(Conserver)、分類(Classer)、広報(Communiquer)です。現在約150万件となったデジタルデータベースが強みです」とカミーユ・デュクレールは語る。フランスの国立古文書学校と国立文化遺産学院の卒業生であるカミーユは古文書のスペシャリストだが、自らを"ギーク"と名乗り、デジタル化によっていかに自分の仕事が変わるのかを熱く語ってくれた。

「AIのおかげでデータ収集がさらに効率化し、完全なデータを守りながら閲覧が容易になるでしょう。やがてはアーカイブ化する際の詳細記述作業も楽になり、ユーザーの利便性も向上するはずです」

Médiathèque du Patrimoine et de la Photographie11, rue du Séminaire de Conflans 94220 Charenton-le-Ponthttps://mediatheque-patrimoine.culture.gouv.fr/

*「フィガロジャポン」2026年1月号より抜粋

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