1. トップ
  2. 恋愛
  3. 子どもがケガをした直後に家庭内ですべきこと。応急処置についてクリニック理事長の林裕章先生にお伺いしました

子どもがケガをした直後に家庭内ですべきこと。応急処置についてクリニック理事長の林裕章先生にお伺いしました

  • 2026.1.3

子どもが遊んでいてケガをした!どんな対応をすればいい?お医者さんにいくなら、どこを選べばいいの?そんな悩みについて、林外科・内科クリニック理事長の林裕章先生にお伺いしました。

ママ広場

お子さまの元気な成長は嬉しいものですが、それと隣り合わせなのが「ケガ」ですよね。公園で転んで擦りむいたり、家の中でぶつけたり・・・。そのたび、保護者の方は「消毒したほうがいい?」「病院へ行くべき?」と不安になることもあるでしょう。
今回は、まだ湿潤療法を実践している医師が少なかった20年前から、すべての傷に湿潤療法を取り込んでいる外科専門医として、お子さまのケガに対する最新の正しい知識と、後悔しない病院選びのポイントを詳しく解説します。

ケガをした直後、家庭でまずすべきこと

お子さまが擦り傷や切り傷を作ったとき、まず最初に行ってほしいのは「水道水でしっかりと洗うこと」です。
昔は「傷口は消毒して乾かす」のが一般的でしたが、現在の医療の主流は「湿潤療法(モイストケア)」です。消毒液は細菌だけでなく、傷を治そうとする細胞までダメージを与えてしまうため、基本的には不要です。

家庭での応急処置ステップ

出血を止める:
止血の基本は圧迫です。清潔なガーゼやタオルで傷口を数分間、圧迫します。止まらない・脈打つように出血するなら受診レベルです。
流水で洗う
傷口の泥や砂を、痛がらない程度の水圧でしっかり洗い流します。目標は「菌を殺す」より、泥・砂・異物を物理的に減らすことです。
保護:
砂などの汚れが完全に取れていれば、市販の湿潤療法用パッド(キズパワーパッドなど)を貼るか、ワセリン+非固着性ガーゼで覆うのが良いでしょう。
※いわゆる「グラベルラッシュ(道路での擦過傷)」は、表面を流すだけでは残りやすく、麻酔をしてブラシでこすり落とすことが推奨される場面があります。洗浄を中途半端にすると、感染リスクだけでなく『外傷性刺青(黒い点が残る)』の原因にもなり得ます。
※また、咬み傷・刺し傷・明らかな感染・深い創などは別で、密閉が裏目になることもあるため医療機関の受診が必要です。

「何科に行くか」よりも大切な「治療法」の確認

お子さまのケガで受診を迷ったとき、「外科?整形外科?それとも形成外科?」と悩む方は多いはずです。擦り傷も捻挫も、同じ施設で診られることは多いのですが、実は、「外傷」に関しては、診療科の名前よりも「その医師がどのような治療方針を持っているか」が重要です。

湿潤療法を行っている医師を探す

きれいに、かつ早く治すためには、前述した「湿潤療法」を積極的に行っている医療機関を受診することをお勧めします。
選び方のコツ:
看板の診療科だけで判断せず、医療機関のホームページを確認しましょう。「湿潤療法(モイストケア)対応」と明記されているかチェックしてください。
電話での確認が確実
「擦り傷なのですが、必要があれば麻酔してブラッシングや異物除去まで対応できますか?湿潤療法(乾かさない治療)は行っていますか?」と受付で直接聞いてみるのも、実は有効で推奨される方法です。

ママ広場

なぜ「軽微な傷」でも受診が必要なのか?(異物のリスク)

「ただの擦り傷だから、お家で絆創膏を貼っておけば大丈夫」と思われがちですが、ここに大きな落とし穴があります。
【砂や泥は「感染」と「傷跡」の元
傷口に砂、泥、アスファルトの粉などの異物が少しでも残っていると、以下のようなリスクが高まります。
感染症:
異物は細菌の温床となります。
肥厚性瘢痕(ひこうせいはんこん):
傷跡が赤く盛り上がり、ミミズ腫れのようになってしまうことがあります。
外傷性刺青(がいしょうせいしせい):
砂などの色が皮膚の中に残り、刺青のように一生消えないアザになってしまうことがあります。
【専門的な「ブラッシング」と「麻酔」】
これらのトラブルを防ぐには、傷口に入り込んだ異物を完全に除去しなければなりません。しかし、傷口に深く入り込んだ砂は、軽く洗っただけでは落ちません。
医療機関では、専用のブラシやガーゼを使って傷口をこすり洗いする「ブラッシング」という処置を行うことがあります。当然痛みを感じるため、適切な局所麻酔が必要です。
「たかが擦り傷で麻酔?」と思われるかもしれませんが、一生残る傷跡を防ぐためには、最初にしっかりと汚れを落としきることが、医学的に極めて重要なのです。

打撲や捻挫、どう判断する?

擦り傷だけでなく、ぶつけたり(打撲)ひねったり(捻挫)した時の判断基準も知っておきましょう。
受診すべきサイン
○痛みが強く、患部が明らかに不自然な形に曲がっている、または腫れている。
○時間が経っても痛みが強くなる、または引かない。
○関節を動かせない、または体重をかけられない。
家庭での対応
お子さまの場合は骨折の判断が難しいため、「歩き方がおかしい」「ずっと泣き止まない」といった場合は、迷わず整形外科を受診してください。

医師への相談のタイミングと有益な情報

いつ相談すべき?
●傷が深く、出血が止まらない・脂肪層が見えている。(縫合が必要な可能性)
●泥・砂が入り込み、異物が取れない。(ブラッシングが必要)
●動物に噛まれた(感染リスクが非常に高い)。
●数日経って、傷の周りが赤く腫れて熱を持っている。
●頭を打った後、様子がおかしい。嘔吐を繰り返す。

予防:ケガをゼロにできないから、ダメージを減らす

子どもは動くのが仕事なので、ケガ自体をゼロにはできません。代わりに、
・外遊びの日は「長ズボン」「手袋」「肘膝のガード」などで擦過傷を軽くする
・靴のサイズ、かかとのホールド(転倒予防)
・自転車・キックバイクはヘルメット(頭部外傷の重症化を避ける)
のように、『起こり得る事故の重さ』を下げる発想が現実的です。

まとめ:後悔しないために

お子さまのケガは、その時の処置ひとつで、将来残る傷跡の大きさが変わります。
まずは水道水でしっかり洗う。
「湿潤療法」をしている医療機関をHPや電話で探す。
小さな傷でも「汚れが残っているかも」と思ったら、麻酔・ブラッシング処置ができる専門医に任せる。
この3点を心がけるだけで、お子さまの健やかな肌を守ることができます。お守り代わりに、近所で湿潤療法を行っているクリニックを今のうちに調べておくと安心ですね。
エビデンスに基づいた安心を
日本形成外科学会のガイドラインなどでも、創傷(キズ)の管理において「異物の完全な除去」と「湿潤環境の維持」が推奨されています。

※本記事の作成にあたり、文章表現の確認や校閲の一部に生成AIを使用しております。

執筆者

プロフィールイメージ
林裕章
林裕章

林外科・内科クリニック理事長。国立佐賀医科大学を卒業後、大学病院や急性期病院で救急や外科医としての診療経験を積んだのち2007年に父の経営する有床診療所を継ぐ。

現在、外科医の父と放射線科医の妻と、その人その人に合った「人」を診るクリニックとして有床診療所および老人ホームを運営しており、医療・介護の両面から地域のかかりつけ医として総合診療を行っている。科学的根拠だけでは語れない、人間の心理に寄り添う医療を実践している。また、福岡県保険医協会会長として、国民が安心して医療を受けられるよう、医療者・国民ともにより良い社会の実現を目指し、情報収集・発信に努めている。

林外科・内科クリニック

元記事で読む
の記事をもっとみる