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「嘘でしょ?」「凄い衝撃」約40年の歳月を経て“まさかのアニメ化”を遂げた伝説的一作

  • 2026.1.29

2008年に放送された、妖怪漫画の第一人者・水木しげる先生による貸本漫画を原作としたアニメ『墓場鬼太郎』。本作は、アニメ『ゲゲゲの鬼太郎』第1期の初回放送から約40年の歳月を経て制作された。そして、『墓場鬼太郎』と『ゲゲゲの鬼太郎』の第1期と第2期のキャストには、時代を超えた“繋がり”があるのだ。

原作が持つ“ダークな雰囲気”を再現

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※Google Geminiにて作成(イメージ)

『墓場鬼太郎』は、2008年1月10日から2008年3月20日まで放送された。『ゲゲゲの鬼太郎』『悪魔くん』などで知られる故・水木しげる先生が原作を手がけている。幽霊族の末裔・鬼太郎が生まれるところから始まる本作。死んだはずの母の胎内から這い出し墓場で育った鬼太郎は、目玉親父とともに人間社会へ出るが、そこには欲望や差別が渦巻いていた。

『ゲゲゲの鬼太郎』とは、作風に大きな違いがある。『ゲゲゲの鬼太郎』は、子どもから大人まで楽しめる妖怪アニメだ。鬼太郎は弱い者の味方として描かれ、怖さはありつつもどこかあたたかく、教訓的な作風となっている。一方で『墓場鬼太郎』は、原作初期の空気感を忠実に再現したダークな作品。救いのない結末や後味の悪さが多く、観終えたあとにずしりとした感覚が残る。

『ゲゲゲの鬼太郎』とは異なるブラックな鬼太郎を描いた『墓場鬼太郎』は、鬼太郎の原点と言うべき作品だ。また、『墓場鬼太郎』の原作は、貸本漫画となっている。今では聴き馴染みがない貸本漫画だが、かつては人気を呼んだ娯楽だった。

『ゲゲゲの鬼太郎』初期のメインキャストが再集結

現在『ゲゲゲの鬼太郎』のTVアニメシリーズは第6期まで放送されており、50年以上に渡る長い歴史を誇る。加えて、2023年11月17日に公開された映画『鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎』の大ヒットは記憶に新しい。数々のシリーズ作品を生んだ『ゲゲゲの鬼太郎』の第1期と第2期のメインキャストは、鬼太郎役が野沢雅子さん、目玉親父役が故・田の中勇さん、ねずみ男役が故・大塚周夫さんだった。

そして『墓場鬼太郎』も、野沢さん、田の中さん、大塚さんが同じ配役でメインキャストを務めている。時代によって移り変わってきたキャストだが、再びこの3名が集結したのだ。第1期の初回放送から約40年の歳月を経てアニメ化された『墓場鬼太郎』についてSNSでは「知らなかった」「本当に最高のタイミング」「凄い衝撃」「嘘でしょ?」と、驚きの声が続出した。

また、本作に登場するトランプ重井役をピエール瀧さん、寝子役を中川翔子さんが担当した。実は、オープニングテーマ『モノノケダンス』は瀧さんがメンバーである電気グルーヴが歌唱しており、エンディングテーマ『snow tears』も中川さん本人が歌唱している。キャストの繋がりによって、声を聞いた瞬間に過去作が思い浮かんだり、制作陣の遊び心が感じられたりするような面白さが生まれているのだ。

『ゲゲゲの鬼太郎』で育った人の目には、『墓場鬼太郎』はすこし苦く映るかもしれない。しかし、人間の欲はかんたんに浄化できず、正しさはいつも誰かを救えるわけではない。本作が持つ後味の苦さは、現実をまっすぐに描いているという点で、誠実でもあると言える。『墓場鬼太郎』の気持ちよくは終わらない物語を、今一度じっくりと味わってみてはいかがだろうか。


ライター:まわる まがり
主にアニメについての記事を書くライター。コラムやレビュー、映画の作品評を手がける。X(旧Twitter):@kaku_magari